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魔法少女は闇が深い  作者: アリス
魔法少女は闇が深い ~黒瀬麻子編~
46/200

エピローグ

『……ぃよおおおおおおし! 更新! 世界記録更新です!』


 2Dモデルを手に入れたメイルが左右に大きく動く。

 ――メイルがこのアドベンチャーゲームのRTAを走り始めてから、もう一年近くになるだろうか。

 毎回、こんなクソゲー二度とやるもんかと暴言を吐き台パンして配信を終えていたが、数日も経てばけろっとして再挑戦。

 そんなことを何度も何度も繰り返し、とうとうメイルは記録を塗り替えた。

 コメント欄に、祝福の声と驚嘆の声が溢れかえる。


『よかった……! これは神! 神ゲーでしたね!』


 クソゲー呼ばわりから一転、掌大回転で大はしゃぎするメイル。

 とはいえ、これまで何度も何度もやり直すほどこのゲームにのめり込んでいたのだから、本人にとっては紛れもなく神ゲーだろう。


『間に合ってよかった……実は、見てくれている皆さんに大事な話がありまして。……引退……いや、そこまでは……結婚? 全然違うのです』


 画面の中のメイルがぎゅっと目を閉じる。


『メイル、しばらくお休みをいただこうと思うのです。せっかく見てくれる人が増えている中で言い辛いんですけど……大事な大事な試験を控えているものでして。頭のいいお姉さんがふたりいるので、勉強を教えてもらえることになったんですよ。え? いやいや勉強だけです。そんなセンシティブなことは何もないです。断じて』


 メイルが眉をしかめる。


『引退するわけじゃないので、試験までの間も時々は配信しようと思ってますし……無事に試験が終わったら、これまで以上に活動するつもりなのです。なので、ちょっと会える機会が減ってしまいますが……見守っていただけたらな、と。え、いやそんな泣くほどでもないでしょう黒の魔法少女さん……ちょっとお休みするだけですし……特に……あ、いやなんでもないですけど……』


 画面の中のメイルは、にこにこ笑っていた。


『それじゃみんな、今日は長時間の配信に付き合ってくれて……ありがとうございます。みんな……おつめるなのです』


 何度も何度も見たエンディングが流れる中で、最後に声が聞こえた。


『あ、最後に……ひとつ、言っておきたいことが』


 そのあとに聞こえた言葉は、聞き覚えのある言葉だった。

 でも、声色が違うのは……気持ちの変化ということだろうか。


『わたしのこと……見つけてくれて、ありがとう!』



 ― 第一部・完 ―

「魔法少女は闇が深い」、これで第一部完結です。

最後まで読んでくださった方々、ありがとうございます。

このお話は一旦ここで完結しますが、続編の第二部を

書きたいと思い現在計画中です。

本作を少しでもお気に召していただけたら、ブックマークや

☆評価をいただけると大変嬉しいです……!

感想やアドバイスも、いつでも大歓迎です。

改めて、読んでくださって本当にありがとうございました!

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