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魔法少女は闇が深い  作者: アリス
魔法少女は闇が深い ~おわりの魔法少女編~
175/201

モアサイドの一幕

 アストラルホール――女神城。

 城主が空席となったこの城は、異様なまでに静かだった。

 女神が失踪した直後こそ城は混沌としていたが、それ以上に女神が失踪したことによる喪失感が大きかった。

 そんな静まり返った城に、モアはいた。

 そして、モアの前にもうひとり……


「久しぶりぽんね……ヴィラ」

「……よくのうのうと顔を出せましたね? モア」

「会いたかったぽん。ヴィラなら、ひとりでも女神様を探し続けていただろうから」

「耳が悪いのですか? 自分の立場はわかっているでしょう。史上最悪の魔王、黒瀬麻子を手引きした裏切り者……にも関わらず、どの面下げて来たのかと聞いているのです」

「……キミからそう言われるのは仕方がない。でも、ぼくがキミと敵対したいわけではないということは、よくわかっているはずだぽん」

「黙りなさい! あなたが! あの炎の魔法少女を連れて来たから……!」

「だったら……あのふたりに復讐でもするぽんか?」

「……あのふたりにまともにぶつかって……勝てるわけないでしょう……」

「…………」


 俯くヴィラに、モアもすぐには言葉が出なかった。


「だからこそ……わたしはずっと消えた女神様の手掛かりを探してきた……!」

「けれど、結局手掛かりは見つからなかった……そうだぽん?」

「……何か、言いたげですね」

「ぼくも同じ。全くと言っていいほど、女神様の情報は見つからなかった……つい、最近まではね」

「つい最近までは……あなたも、ですか」

「心当たり、あるんじゃなかいかぽん」

「……最近……一部の地域で、人間の見る『夢』が話題になっているようですね?」

「やっぱり。キミもぼくと、同じことを考えているぽん」

「女神様が取り込んでいる、『闇の魔王』の影響が『夢』に現れている……そう考えるのが自然でしょう」

「ぼくもそう思う。何がどうしてそうなったのかはわからないけど……だとしたら、一体『誰が』そうなのか。それが問題だぽん」

「それを調べるのがわたしたちの役目でしょう。必ずいるはずです……『夢属性』の魔法少女が」

「女神様が、夢属性も持っている……その可能性は無いぽんか?」

「あり得ない、とは言い切れませんが……だとしたら、女神様が今も姿を見せない説明がつきません」

「んん……最も不安定な属性であるが故、幻とも言われている魔法属性……見つけるのは難しそうぽんね」

「光属性や闇属性を見つけるより容易でしょう。夢属性の魔法少女は、過去にも存在していたのですから」

「そりゃそうぽんが……心当たりが全くないっていうのが問題なんだぽん」

「神官が把握している魔法少女に、『夢属性』の魔法少女はいなかった……そういうことですね?」

「ああ。無意識に己の魔力に目覚めているのか、それとも意図的に隠れているのか……」

「無意識という可能性は低いでしょう。もしそうだとしたら、無意識に発動した魔法に女神様が巻き込まれていることになる。そんな偶然がありますか?」

「確かに。でも、夢魔法はほんとにおかしな魔法なんだぽん。夢うつつとはよく言ったもの……定義できないその不安定な魔法は、現実味が無いことまで実現してしまう」

「……必ず見つけましょう。夢属性の魔法少女を」

「ぼくはまた人間界に戻って、魔力を感知できないか探ってみる。……ヴィラはどうする?」

「わたしは……夢属性について調べます。闇属性とは違って、過去にも例がありますから」

「そうぽんね。それじゃ……何かわかったら連絡頼むぽん」

「あなたもですよ、モア」

「わかってる。ヴィラ……早まるなよ」

「……さあ。それはどうでしょうかね」



(モア……あなたは気付いていますか? この話には、大きな矛盾が含まれている。でも……だとしたら、あのときどうして……)

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― 新着の感想 ―
[良い点] モアサイドの話がどうなっているのか分からなかったので助かりました( [気になる点] イマイチ状態が呑み込めない・・ [一言] 更新お疲れ様です。 結局何故華蓮だけ違う夢を見続けるのか・・ま…
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