表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女は闇が深い  作者: アリス
魔法少女は闇が深い ~女神編~
150/201

華蓮サイドの一幕

「……行っちゃったわね、ふたりとも」

「……華蓮。この戦い、どうなると思うぽん?」

「そんなのわからな……いや、違うわね。麻子が畳んじゃうと思うわよ、女神のこと」

「……やっぱり、そう思うぽん?」

「うん……相当苛ついてたわよ、あれ。ま、芽衣を奪われたとなれば当然だけど」


 痺れる左腕を抑えながら、ベッドに横になり溜息をついた。


「はあ……まさか、去年に続いて今年もこんな戦いをすることになるなんてね……なんで魔法少女って、軽率に世界壊そうとするわけ?」


 今は妹の華奏も元気になったし、麻子や芽衣と一緒にいるのは楽しい。

 そんな世界が無くなるなんて、わたしは望んでいない。

 ずっと、このままが良いと思っていたぐらいだ。


「そんなの、ぼくが聞きたいぽんよ」

「モアが知ってる女神様は、そんなことをする人じゃなかったんでしょ?」

「そうだぽん……でも、女神様が苦しんでいたことはわかっていた。表に出さないだけで、内心ではずっと暗い闇を抱えていたのかもしれないぽん」

「暗い闇……か」


 実際のところ、人が心の底で抱えている闇なんて誰にもわからない。

 そんなところまで解ろうとするなんて、無理な話だ。

 他人の感情を完璧に理解することなんて……神様でも出来やしない。


「はじまりの魔法少女……女神も、この本じゃまるで英雄扱いなのにね……」


 そう言いながら、右手でペラペラと書物のページをめくっていく。


(そういえば……これにも書いてあったっけ。魔王は、人の心の『闇』につけ込むって)


 人の心の闇につけ込む邪悪な魔王。

 そしてそれを封印したはじまりの魔法少女。

 この書物によると、魔王は本当にやばいやつだったみたいだ。

 もし、今とは違う形で魔王が復活していたら……どうなっていたんだろう。

 一度は妹のために、魔王を復活させて自分で倒そうと考えていた身だ。

 そうなったら、わたしはちゃんと炎魔法で魔王に勝てていたのだろうか。


「……ん?」


 ふと、ページをめくる手が止まった。

 気になってしまったのだ。

 特に違和感を覚えることなく流していたが、この文言……

 これ……冷静に考えると、意味がわからない。


「……心の闇につけ込むって……何?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 心の闇・・確かにいざどういう意味かと考えると謎のワードではありましたね。魔法少女物だとさも当たり前の概念とも言えますけど、これが実際にどういう意味になるのか・・闇属性が鍵になったりする・・…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ