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魔法少女は闇が深い  作者: アリス
魔法少女は闇が深い ~樋本華蓮編~
100/201

モアは頭を悩ませる③

「あの家は、氷魔法で守られている……誰も近付くことのできない、鉄壁の魔法。だとしたら……手を出せないのはモストのやつも同じだったりするのかぽん? だとしたら、ただの杞憂……?」


「……何ぼそぼそ独りごと言ってるんですか、モア?」

「あ、いや……何でもないぽん、芽衣」


 芽衣に話しかけられたモアは、はっと顔を上げた。

 魔王となった芽衣のお目付け役を担っているモアは、女神城と芽衣の家を往復する日々を送っている。

 しかし、雪女が誕生してからは、モアが芽衣の家を空ける時間が日に日に長くなっていた。


「モア……最近、やたらいなくなる日が増えましたよね。それになんだか、疲れているように見えますし。一体、どこで何をしているんですか?」

「いや、何でもないぽん。芽衣は気にしないで大丈夫ぽんよ」

「そうですか……? さっきも欠伸ばっかりしてましたし、碌に寝てないんじゃ?」

「そ、それは……」


 モアは一瞬言葉に詰まったが、床に落ちていた芽衣のゲームソフトを拾い上げると言った。


「……それは、積みゲーを消化するのに忙しいからだぽん。ようやくこれをクリアしたところで……」

「あ、それクリアしたんですね!? それじゃ次はこれ! このゲーム、続編が出てるんですから!」


 モアが言葉を言い終える前に、芽衣は目を輝かせながらモアの頬っぺたにゲームソフトを押し付けた。


「いやーこのゲームはほんとストーリーが神なんですよね。絶対泣けますよ。このゲームプレイしてない人は、己の人生悔い改めろって感じです。続編では主人公が変わるんですけど、ちゃんと前作の主人公も絡んできて……」


 お気に入りのゲームの設定や登場人物を熱い口調で語る芽衣は、楽しそうであった。


「わかった、わかったぽん。全く、芽衣のゲーム好きっぷりには感服するぽん……ま、確かに人間がつくるゲームは面白いから夢中になるのもわかるけどぽん」


 モアは芽衣の横に座ると、小さい手で器用にコントローラーを操作し始めた。


(ふぁ……眠いけど、実際芽衣が勧めてくるゲームは面白いからついついやっちゃうんだぽん。続きも気になるし。ま……一旦雪女のことは……様子見で良いのかもしれないぽん……)


 しかし、後日。

 モアの悩みの種は尽きなかった。

 新たな問題が発生したからである。

 それが、モアが麻子たちと一緒に華蓮の家を訪れたときに発生した問題……すなわち、光の魔法少女・華奏の誕生である。

 このときモアは、疲労のせいでぐっすり眠ってしまっていた。

 だから、自分が原因で光の魔法少女が誕生したことに気が付かなかった。

 それが、新たな火種を生むことになる。

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