表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女は闇が深い  作者: アリス
魔法少女は闇が深い ~黒瀬麻子編~
10/201

魔法少女の属性とは①

 「えっと、芽衣ちゃん。わたし昨日訳も分からず魔法少女にされちゃったみたいなんだけど……これからどうすればいいのかな?」


 芽衣に麻子お姉ちゃんと呼ばせるために、モアのことは放っておいて話しかける。

 なんだか不満そうな顔でこちらを見ているような気もするが、きっと気のせいだろう。 

 

「そうですね……まずは自分の使える魔法を把握しておくのがいいと思います。魔法には、属性があるので」

「属性?」

「ポ○モンのタイプみたいなものだぽん。炎とか水とか雷とか」

「なんでモアがポ○モン知ってるの。というか話に入ってこないで」


 異世界から来たのになんでそんなことまで知っているのやら。

 モア自身がポ○モンみたいなものである。


「そんな感じです。ちなみにわたしの属性は『風』です」

「ああ、だから『風の魔法少女』って呼ばれてたんだ」


 ポ○モンに風タイプは無かったはずだけどね。

 あ、飛行タイプみたいなものか?


「風の属性を持つわたしは、風を巻き起こす魔法が使えるんですよ」

「なるほどなるほど……自分が何の属性なのか把握しておくのが大切なんだ。ほんと、ゲームみたいな話だね」


 なんでもかんでも好きな魔法を使えるってことではないみたいだ。

 わたしは戦闘向けの魔法よりも、瞬間移動とか、空を飛べるとか、そんな魔法を期待していたんだけどな……

 しかし、そういうことなら確認しておきたいことがある。


「その属性って……当たりはずれがあったりする?」


 全然戦闘向けじゃない属性とか、逆にめちゃくちゃ強い属性とかありそうだけど。

 炎属性だったら明らかに戦闘向けだろうし、芽衣の風属性っていうのはどうもそんなに強そうには思えない。


「はずれ……と言えるような属性は無いけど、当たりはあるぽん」

「だからモアは入ってこないでって……当たりはあるんだ」


 ついつい気になって反応してしまった。


「お、気になるぽんね? あるぽんよ。それもとっておきの大当たりが。それは……」


 そこまで言って、モアの表情が変わった。

 急に真面目な雰囲気になって、背筋が寒くなる。

 何かを感じ取ったのだろうか。


「……芽衣。気付いたぽんか」

「うん。……いるのですよ、魔獣が」


 表情は相変わらずクールなままだが、芽衣もなんだか臨戦態勢にように見える。

 まるで、ゲーム配信でベリーハードのボス戦に挑む前のメイルたんのようだ。


「ま、魔獣って……近くにいるの!? というか、わかるの?」

「麻子も慣れれば感じることができるようになるはずだぽん。魔王軍『ネグロ』独特の、嫌な視線……存在感を」


 モアはそう言うと、部屋を飛び出していった。

 芽衣も後に続く。


「ちょ……ま、待ってよふたりとも~」


 わたしは慌てて立ち上がり、ふたりを追いかけて走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ