これからのこと 1
朝、日が昇り町の人が動き出す時間
「は!?」
カルは勢いよく飛び起きた。
「あれ!?オレどうしたんだっけ?」
よく思い出せないときょろきょろあたりを見渡して
「フィーラ!!」
傍で地面にうずくまっている妖精を見つけた。
羽を力なくおろし、どんよりした雰囲気をまとっている。
「大丈夫!?
ケガしてない!?
元気ないよ!!」
「ああ…おはよ」
目の下にクマをつくった妖精はゆっくりと顔を上げる。
「どうしたの!?具合悪いの!?」
「大丈夫…ちょっと眠れなかっただけだから…」
「そうなの!?
でも、なんで外にいるの?
オレ、どうなったの?」
起きて早々に騒ぎ出す少年に、フィーラはため息をつく。
「色々あったのよ。あのね…」
「色々って!?危険なことあったの!?」
「いや、だからね…」
「もしかしてアネモネの奴らが来たの!?
大変だ!逃げないと!!」
「あの、話を…」
「フィーラ動ける!?
それともやっぱりケガしてるの!?」
「カル…」
「顔色悪いよ?
お腹空いてるの?」
「………」
「なんで黙っちゃうの!?
やっぱりなにかあった!?」
「………」
「フィーラ?」
「あー!!もう!!
うるさーい!!」
両手を挙げて彼女は思いっきり叫んだ。
ビックリして目を丸くしてるカルに
「話を聞けって言ってんでしょーがああああ!!」
飛び上がって彼の顔の前で怒る。
「まず、一回深呼吸しなさい!」
「あ、はい」
カルは言われたとおりにした。
「そんで、正座」
「は、はい」
剣幕に押されてきちんと座りなおした時
「どうしたんですか?
土の下まで騒ぎが聞こえてますよ?」
ボコっとヒースの顔が土からカルの前に現れた。
「わあああああ!!!」
さすがにひっくり返るカル。
「生首!!!!」
「いえ、ちゃんと胴体ありますよ・
あと、体は死んでるので生とは言い難いですね」
「冷静に対応してるんじゃないわよ!」
「お兄さん死んだの!?
え、なんで!?」
妖精に死体に少年はやんややんやと騒ぎ続け、落ち着くのはまだ先になりそうだ。




