表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フィーラ  作者: タピオカ
37/60

墓守 13

「今の…夢?」

 目を覚ました時、妖精は慌てて辺りを見回した。

 光に包まれ、そこでヒースと出会った。

 思いがけず、初めての笑顔を見たと思ったら、弾かれるようにして廃村に戻って来た。と


 ボコ


 不意に陥没した地面の一部が盛り上がった。

「な、なに?」

 構えるフィーラ。

 カルはまだ目を覚まさない。


 ぼこぼこ


 手が、出てきた。

 それから、腕、肩。

 次に出てきた顔は

「ヒース!?」

「おや、妖精さん。

 まだ夢のつづきなんですかね?」

 はい出てきたヒースは体についた土を払う。

「お久しぶり、でいいんですかね?」

「ばっかじゃないの!?」

 そんなに時間は経ってないと怒れば

「すみません」

 ヒースは素直に謝った。

 それから、地面をじっと見る。

「全部、無くなってしまいました。

 私の生きる意味。

 誇り。

 なのに、生き残ってしまいました」

「だめなの?」

「そう言われたのも、初めてです。

 普通は、慰めるんじゃないですか?」

「わがまま言わないで」

 ヒースはふうっと、息を吐く。

「これから、どうしましょうか」

「行く当てないの?」

「残念ながら。

 なので、一緒に行ってもいいですか?」

「へ?なんで?」

「ダメですか?」

「…女神の、ため?」

 それなら断ろうと妖精は思った。

「いいえ、あなたが、私の未練みたいだからです」

「へ?」

「伝え方を変えましょうか」

 ヒースはふわっと笑った。

「あなたが、好きみたいです」

「はい?」

「私、土からはい出た死体ですので」

「はいいいい!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ