表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フィーラ  作者: タピオカ
15/60

廃村に潜る者 1

「問題だなあ」

「問題ねえ」

 カルとフィーラが出会って3日後。

 2人は森を抜けて、小さな町までたどり着いていた。

 白いレンガに赤茶の屋根でできた小さな家。

 町の中心には木製の風車小屋があり、周囲には畑が広がっている。

 まるで絵本か外国に田舎町に出てきそうな雰囲気のある場所。

 住んでいる人の着ているものも染め物を利用した刺しゅう入りの可愛らしいものが多い。

 フィーラが人間の時に着ているワンピースとよく似ている。

 女神が気を利かせてくれているのかもしれない。


 おとぎ話の世界にきたようだとはしゃいでいたは最初の1日だけ。


「どうしようかなあ」

「どうしようかしらねえ」


 今では、町の一角に設置されたベンチに座って、2人してため息をついていた。

 ベンチの背もたれにぐだりともたれかかり、カルは本日何度目かになるため息をついた。

「これ、早めになんとかしないとだよねえ」

 ぽんぽん、と自分の肩をたたく。と

「あ、またとれた」

 ぼとりと、カルの右手が落ちた。

「もー、もろすぎるよ、これ」

 もはや慣れた手つきでくっつける彼を見て、隣にすわるフィーラもため息をついた。

「日に日に取れやすくなってない?それ」

「フィーラもそう思う?」

「思う」

 2人は顔を見合せ

「「はあああ…」」

そろってため息をついた。



彼らの頭を悩ませているのは、カルの腕。

もっと正確に言うならば、体のもろさだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ