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我 怠惰の王なり  作者: MY
3/6

我 説教される


「おい!いい加減にしてくれ!」


怒鳴ったのは俺達に魔術を教えてくれている女魔導師 マナ・フランドールさん。俺達はマナさんと呼んでい

る。


「貴様は何でいつも言われたことを守らない!」


「今日は応用魔術をやるから魔術公式を完璧にしておけとあれほど言ってたよな!何だほとんど何も覚えて

ないじゃないか!」


もちろん怒られてるのは他でもない、この俺だ。


だって仕方ないじゃん。昨日やろうと思ってたら、昨日に限って夕食が豪華でお腹が苦しくなっちゃったからさ〜眠くなっちゃったんだよ。

というかそんなに怒んなくて良くない?もっと優しくしてくれよ〜


え?何?俺が魔術でみんなを出し抜くって言ってたって?


だってさ〜魔術ってなんか勉強みたいだったんだもん〜 ひたすら公式を覚えてしかもそれを応用して威力を高めたり、何、魔法ってそんな面倒くさかったの?

絶対いらない魔法あるよね! 炎魔法と自然魔法しか俺興味ないんだよね〜

良いじゃんそれ完璧なんだから〜 水魔法とか手を洗う時しか使わねーし!



「いいか!魔法とはいろんな属性の魔法を使い、合成したりするから強いのだ!貴様みたいに炎と自然だけ出来てても意味がないんだ!確かに昔だったら3つ使えてれば良い方だろう。だが今は違う!魔法抵抗を持たないモンスターなど存在しない。お前の前に炎魔法と自然魔法無効化なんてモンスターが出てきたらどうす

るんだ!あ!?一瞬でアウトだ!だから私は全属性使えるようにしておけと言ってるんだ!」


うわぁー!面倒くさい〜!早く帰ってこの前買ったエロ本読みて〜。

なんとありがたい事にこの世界にはエロ本という文化があり、素晴らしいものがあったら必ず買うことにしている。


「聞いているのか!」


「あ、いや、 はっ ハイ!」


「また淀崎か。」


「あいつまさか異世界に来ても変わらないとはな〜」


「ほんっとバカよね〜」


みんなが俺をバカにしてるのが聞こえる。悲しいな。




「貴っっっっ様ーーーーーーー!」


「お前は何で言うことを聞かない!」


俺を怒ってるのは剣術の先生 ガド・グリーク。通称ガド先生だ。


「今日は剣術の型を覚えて来いと言ってただろう! 何だお前は!やる気が無いのか!」


「いや〜別にやる気が無いわけでは〜」


俺がそう答えた直後、ガド先生、いやガドの野郎は俺を思いっきり殴った。


「型をほとんど何も覚えてきてない奴にやる気があると思うか!」


勇者だったおかげかめちゃくちゃ痛いで済む。一般人だったらポーション3個は必要だな。一体レベルどれくらいあるんだよ!


「やる気が無いお前は素振りを外で1000本やれ!やったら戻って来ていい!」ガドは俺に重さが普通の5倍くらいある木刀を俺に投げつけた!


もちろん俺は外に出た瞬間逃げた。30分後くらいに戻ればいいか!


俺はその後、体術、馬術、弓術、槍術の全てで説教を食らい、明日までの課題を山のように出された。


は〜何か異世界って思ってより楽しくないというか辛くね?どうしよう逃げようかな〜。俺が自分の部屋でそう考えてたら


「おい!淀崎!」


呼んできたのは白滝だ。なんか真剣な顔をしている。


「こんな夜中にどうしたよ?」


俺は白滝に尋ねた。


「お前いい加減にしろよ!昨日も今日もずっと怒られてさ〜、だらしないと思わないのかよ!」


白滝はお怒りのようだ。 何で?そういうタイプじゃないよね?コイツ


「え!ちょっと待ってよ!前の世界じゃそんなこと言ったことなかったじゃないか!」


「当たり前だろ!この世界の人の命かかってんだよ!俺達勇者にかかってんだよ!いい加減シャキッとしろよ!」


え〜そんなこと言われてもな〜


白滝が怒ってる中、俺は笑いながら言った。


「いやいや、俺って面倒くさいこと嫌いじゃん?お前一番分かってんじゃん。もっと楽かと思ってたんだよ〜 てかもうやめね?俺もう疲れたわ〜、怒られすぎて〜 ハハッ」


多分ちょっと皆疲れてんだよ。だからこうやっていつもの俺を出せばまたいつもの白滝に戻るだろ。


だが、白滝の目はゴミを見るような目に変わった。そして呆れながら言った。


「お前もういいよ。もう知らね。元から俺達はお前のことなんて期待もしてないし、それどころか一緒にいて正直ウザい。昔からあの3人にも淀崎と関わるのはやめろって言われてたんだ。神崎なんて特にお前の事嫌ってたからな〜。いつもやる気が無くて先生が起こると授業潰れるし、良い所無いしな。俺もそうするわ。もう勝手にしてろ。二度とここへは来ない」


白滝はドアを開け失望しきった態度で部屋を出た。


え?そこまで言わなくても・・ てか神崎本当に俺の事嫌ってたんだ。


何が悪かったんだ。いや分かってる。俺のこの性格がダメなのだろう。なんでこんな性格に生まれてきたんだろう。


あ〜面倒くさい。


何でこんな魔術とか剣術とかやらなきゃいけないんだろ。モンスター倒してレベルアップしてさ〜そっちの方が楽しいじゃん!ワンチャンスライム一匹ならいけんじゃね?だって勇者だし!


「そうだ!良いこと思いついた!」


俺はあまりのひらめきに叫んだ。


「今から城を抜け出してモンスター倒せばいいんじゃね!? 俺天才!」


そうすれば俺は筋力も魔力も上がって訓練が簡単になる!

しかもこれで白滝と仲直りもできるかもしれない。神崎と羽咲にもモテるかも! あいつら体だけはエロいからな〜 付き合ってあげないことも無い! ・・・まあそれは流石に無いか


「よし!じゃあ早速城を抜け出そう。俺の部屋付近は見張りがいないから窓から簡単に抜け出せる!」


俺は窓から抜け出し、城の外にある野原へ向かって走り出した。



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