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ヤンデレちゃん 2

【6日目】



主人公

「あの首は、ゲームの中の人間がミッションを達成するためのヒントを知っていると言っていた。そういえば一人思い当たる奴がいる」



→雪村 リカ   好感度 -30

 マリア     好感度 -1000

 柿谷 弘子   好感度 40

 梅野 まゆ   好感度 15

 結城 春香   好感度 30






主人公

「リカは葬式に来たって春香が言ってたからな。何か知っている可能性があるなら、リカだろう」




――画面が暗転して、再び明るくなった時には理科室になっていた。




雪村リカ

「こんにちは、ユウト君。今日も美味しそうね」




主人公

「まさか本当に食べる気じゃないよな……」




雪村リカ

「今日はどんな実験をする? 頭にスミレの種を植える? 胃の中でメダカを飼育する?」




主人公

「(こいつらは日々そんなヤバい事をしているのか……?)い、いや、今日はリカに聞きたいことがあって来たんだ」




雪村リカ

「徳川埋蔵金の在処について?」



主人公

「知ってるのかよ」




雪村リカ

「知らないわ」




主人公

「知らないのかよ」




雪村リカ

「それで、何?」




主人公

「結城春香についてだ」




――突然、リカがビーカーを投げつけてきた。




主人公

「うわっ! 何するんだよ!」




雪村リカ

「他の女のことについて喋ったら殺すって言ったよね! それはもうモルモットのように薬物実験する感じで殺すって言ったよね!!」




主人公

「お、落ち着けリカ! あいつはもう死んでいるんだぞ!」




雪村リカ

「はあっはあっ、……ごめんなさい。私としたことが冷静さを欠いていたわ」




主人公

「分かってくれたか」




雪村リカ

「いまユウト君を地獄に送ったら、あの世で春香さんとイチャコラしかねないものね」




主人公

「どんな発想力だ!」




雪村リカ

「春香さんについて聞きたいことって何?」 




主人公

「お前と春香はどんな関係だったんだ?」




雪村リカ

「どんな関係と言われても、私と彼女はあまり親しくは無かったのよ。たまに近くのお寿司屋さんにイナゴを食べに行くくらいの仲よ」




主人公

「何なんだよ。イナゴを食べに行くお前らも、イナゴを置いてる寿司屋も何なんだよ」




雪村リカ

「聞きたいことはそれだけかしら?」




主人公

「一緒にイナゴ……ご飯を食べに行く仲だったんなら、あいつが剣道をしてることも知ってるだろ?」




雪村リカ

「ええ」




主人公

「じゃあアイツが通っていた道場の剣崎師範を知っているか?」




雪村リカ

「? おかしなことを聞くのね。貴方も同じ道場に通っていたじゃない」




主人公

「そ、それはそうなんだけどさ、ちょっと記憶が飛んだというか……」




雪村リカ

「教えてもいいけど、その、条件があるわ」




主人公

「何だ? 何でも言ってくれ」




雪村リカ

「新しい薬品開発の実験台になって欲しいの!」




主人公

「いやにきまって……」




――拒否しようとした主人公の前に、選択肢が表示される。


どうしますか? ▼


→喜んで。

 いいとも。

 ちょうど実験台になりたかったところなんだ。




主人公

「(おい拒否させてくれよ! こいつ本当に俺を殺しかねないぞ!)」




主人公

「(……待て、でもゲームマスターが選択肢を無視したらゲームのシステムが崩壊するって言ってたな……。くっ、くそっ……)」




→いいとも。




雪村リカ

「うふふ、やっと私のモルモットになる覚悟が出来たようね」




――凹んでいる主人公の前に、赤い文字が羅列され始めた。




☆新たなミッションが追加されました。▼

ミッション名:実験台になろう。




主人公

「(小説家になろうみたいなノリで言うのやめろ。……図らずしも新しいミッションへの道が開けたわけか)」




雪村リカ

「じゃあ、私が知剣崎師範について知っている事は全て話すわね」




主人公

「頼む」




雪村リカ

「剣崎師範は厳しい人だったみたいよ。このご時世に体罰をいとわない方で、貴方も春香さんもよくぶたれたって言っていたじゃない」




主人公

「そう、だったな」




雪村リカ

「札束で」




主人公

「いやな師範だな」




雪村リカ

「だけど道場生たちからは慕われていて、親しみを込めてハゲと呼ばれていたらしいわ」




主人公

「それ馬鹿にされてたんじゃねえの?」




雪村リカ

「休みの日は家族でイナゴを食べに行く気持ち悪い一面も持っているそうよ」




主人公

「なんで自己否定したの?」




雪村リカ

「まだ聞きたい?」




主人公

「ああ。その剣崎師範の、弱点みたいなのがあれば知りたいんだけど……」




雪村リカ

「何なの? さっきから剣崎師範のことばっかり! さては剣崎師範を狙っているのね!」




主人公

「違うよ!」




雪村リカ

「きっと『股間の竹刀で真剣勝負しましょう』とか言うつもりなんでしょ!」




主人公

「その想像力は何なんだ」




雪村リカ

「やはりユウト君は殺すしかないようね! 今すぐ葬ってあげるわ!」




主人公

「待て待て待て待て! 分かった! 本当のことを話すからちょっと待ってくれ!」




雪村リカ

「……」




主人公

「……ん?」




雪村リカ

「はいちょっと待った!」




主人公

「小学生かお前は!」




――突然、BGMが変わる。




主人公

「今度は何だ! またミッションか!?」




イベントが発生しました。▼

イベント名:ドジっ子ちゃんの乱入




つづく



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