幼馴染ちゃん 1
【5日目】
誰と会いますか?▼
→雪村 リカ 好感度 -30
マリア 好感度 -1000
柿谷 弘子 好感度 40
梅野 まゆ 好感度 15
結城 春香 好感度 0
主人公
「今更ながらマリアの好感度がすごいことになっている……」
主人公
「いよいよ残すはあと一人か。まあどうせ最後まで振り切ったやべえ奴が出てくるんだろうな」
→結城 春香
――視界が切り替わり、真正面から夕陽が刺す道路に主人公は立っていた。
主人公
「うおっ、まぶし! 今何時だ?」
――主人公が腕時計を確認すると17:22をさしている。
主人公
「ってことは下校中なんだな」
???
「おーい!」
――後ろから誰かが走って来た。ポニーテールを揺らして走ってくる少女は青い竹刀袋を肩に掛けている。
???
「もう、帰るなら帰るって言ってよ! ずっと待ってたのに」
主人公
「あ、ああ。ごめんな。えーっと、君が春香ちゃんだよね?」
幼馴染
「ええ……、何で今更ちゃん付けなの? すごいキモい」
主人公
「ひどい」
幼馴染
「それはそうと、今日はちゃんと授業について行けた?」
主人公
「うーん、まあ、それなりにはね(なんだ、仲良さそうだけど学校では話してないのか)」
幼馴染
「本当? 昨日もそんな事言って授業中寝てたじゃない」
主人公
「うっ、そうだっけ?」
幼馴染
「まあ勉強なら教えてあげられるから、困ったら言いなさいよ!」
主人公
「(面倒見の良さそうな子だな)」
幼馴染
「そういえば今日は、あのお願いをしてこないね」
主人公
「あのお願いって?」
幼馴染
「いっつも私の顔を見るなり『竹刀で俺の尻を叩いてください』って迫ってくるじゃない」
主人公
「(どんな人生を送って来たんだ、この主人公!?)」
幼馴染
「まあ、もうどんなにお願いされても叩かないけどさ」
主人公
「前は叩いてたのかよ」
幼馴染
「そういえばユウトのクラス、今度の学園祭で演劇するんでしょ? 楽しみだなぁ!」
主人公
「そう、みたいだね」
幼馴染
「絶対に主役を取るんだよ! 私、絶対最前列で鑑賞するんだから!」
主人公
「ははは、俺に主役なんて無理無理」
幼馴染
「もう、そんなこと言って。そういえばこの前妹のマユちゃんに会って来たんでしょ? どうだったの?」
主人公
「あー、それはそれはピンピンしてたよ。なんか今度の将棋の大会でホームランを打てとか訳の分からないことを言われたな」
幼馴染
「打てるよ!」
主人公
「お前もアホか」
幼馴染
「そうだ、アンタん家のアンドロイドはちゃんとお料理作ってくれてる?」
主人公
「この前焼き鳥を作ってくれた」
幼馴染
「ふーん、美味しかった?」
主人公
「(その場面はスキップされてるから分からないけど)多分美味しかったよ」
幼馴染
「そう。ちゃんと栄養のあるものを作ってもらわないと駄目よ? はあ。私が行けたら今日にでも行くのに」
主人公
「来れば良いじゃん」
幼馴染
「うん、ちょっとね」
主人公
「? そっか(何だろう、この違和感は。今までの制限速度40kmの道路を時速2000kmで滑空していたヒロインたちとは明らかに様子が違う。多少はおかしいが随分マイルドだ)」
幼馴染
「それはそうと私、髪が伸びすぎちゃったから切ろうと思うんだよね」
――選択肢が表示される。
→切った方が良い
ポニーテールの方がそそる
主人公
「(最近2つ目にまともな選択肢が出て来た試しがねえ……!)」
→切った方が良い
主人公
「まあ、剣道をしてるんなら短いに越したことは無いんじゃない?」
幼馴染
「分かった! 角刈りにするね!」
主人公
「そんなガッツリ行くの!!?」
幼馴染
「切って来たよ!」
主人公
「早いわタイムリープでもしてんのか!」
幼馴染
「似合う、かな……」
主人公
「いや似合ってたまるか!」
幼馴染
「えー。じゃあ今すぐ伸ばすね」
主人公
「いや竹じゃないんだから」
幼馴染
「ふんっ!」
――幼馴染の髪がうにゃうにゃ生えてきた!
幼馴染
「どうだ!」
主人公
「怖ぇよ!! お前の頭はミンチ作る機械か!!」
幼馴染
「違うよ?」
主人公
「分かっとるわ! 髪の成長速度が人間離れしてるって言いたいんだよ!」
幼馴染
「だって私、死んでるんだもん」
主人公
「……えっ」
つづく
お読みいただきありがとうございました!