アンドロイドちゃん
【三日目】
――誰に会いますか?
→雪村 リカ 好感度 -30
マリア 好感度 0
柿谷 弘子 好感度 0
梅野 まゆ 好感度 15
結城 春香 好感度 0
主人公
「順番でいったら、次はマリアだな。しかし何でこの子だけ名字が無いんだろう?」
→マリア 好感度 0
――しかし画面は切り替わらない。
主人公
「……あれ? おかしいな」
その時部屋のドアが開き、美しい銀色の髪をなびかせた少女が現れた。メイド服を着ている。 ▼
???
「お呼びでしょうか、ご主人様」
主人公
「……ご主人? 俺が?」
――少女は無表情のまま首をかしげる。
???
「そうです。貴方は私こと人型メイドアンドロイドの雇い主、梅野悠人様でございます」
主人公
「(この世界には人型アンドロイドが実用化されているのか)ということは、君がマリアちゃんか」
マリア
「左様でございます。いつものようにマリアとお呼びください」
主人公
「ああ、分かった」
マリア
「それでご主人様。どうして私をお呼びしたのですか? 私は貴方専用のメイドですから、何なりとお申し付け下さい」
主人公
「そうだなあ。じゃあお茶を入れてきてもらえる?」
マリア
「嫌です」
主人公
「お前10秒前なんつった」
マリア
「忘れました」
主人公
「こいつ……!」
選択肢を選んで下さい。▼
→お話をしよう、と誘う
お尻を触る
主人公
「尻は論外だな。当然、序盤のここはお話一択だろう」
→お話をしよう、と誘う。
主人公
「マリア、お前って何か得意な事はあるか?」
マリア
「私はご主人様を守るために格闘技モーションがインプットされています。例えば空手、ブラジリアン柔術、まつり縫い」
主人公
「まつり縫いは格闘技じゃないだろ」
マリア
「ご主人様を襲ってきた暴漢の腕をまつり縫いしてやるためです」
主人公
「怖っ」
マリア
「その後ご主人様の腕も」
主人公
「俺の腕も縫う気かよ!」
マリア
「それから将棋も得意です」
主人公
「ほう。それなら俺と一局」
マリア
「ご主人様はクソザコなので相手になりません」
主人公
「おい」
マリア
「それから料理が得意です。料理といえば、今日の晩御飯は焼き鳥を予定しております」
主人公
「おっ、楽しみだな」
マリア
「焼き鳥とは鳥を焼き殺す料理ですね?」
主人公
「違う違う! いや違うこともないけど順序があってだな。まず申し訳ないと思いながらも、人が生きていくためにしょうがなく殺す工程が(俺は何を言っているんだ)」
マリア
「鳥を殺すと言えば織田信長ですね。『泣かぬなら 焼き鳥食べよう 鎌倉幕府』」
主人公
「混じりすぎ!」
マリア
「ごめんなさい。私は言語機能がうんこなのです」
主人公
「喋るのが下手って言いたいのか」
マリア
「ご主人様も、うんこですか?」
主人公
「喧嘩売ってんのか」
マリア
「ご主人様、私に喋ることを、教えたまへ」
主人公
「いいよ(こいつ最初めっちゃ流暢に喋ってなかったか)」
マリア
「では非摂動的領域における量子色力学について教えて下さい」
主人公
「いや分かるかぁ!! 一文字も意味がわからんわ!」
マリア
「さっき教えてくれるっていったじゃないですか」
主人公
「喋ることを教えるって言ったんだよ! 誰が物理学上の難問を解けるって言った!」
マリア
「かしこまり」
主人公
「その返事腹立つからやめろ」
マリア
「では、これは何ですか?」
――マリアは勉強机を指差した。
主人公
「それは勉強机だな。そこへ座って勉強をするための机だよ」
マリア
「覚えました。勉強をするための机ですね」
主人公
「そうそう」
マリア
「ところで私はご主人様がここに座って勉強をしているところを見たことが無いのですが」
主人公
「それは言うな」
マリア
「では勉強机の上のこれは何ですか?」
主人公
「それは筆箱っていうんだ」
マリア
「筆をバコバコするためのものですね?」
主人公
「いやバコバコはしないな。これは鉛筆とかボールペンとかの文房具を入れるための箱だよ」
マリア
「なるほど。文房具を入れ入れするのですね」
主人公
「あってるけどなんか違う」
マリア
「ではあれは何ですか?」
主人公
「あれはグローブって言うんだ」
マリア
「グローブとは何をバコバコするものですか?」
主人公
「バコバコしないの。 野球でボールを捕るための道具だ」
マリア
「かしこまりました。ボールバコバコするものですね」
主人公
「カエルピョコピョコみたいに言うな」
マリア
「かえるバコバコ?」
主人公
「言ってねえよ!」
マリア
「では次に、私が今日起こしたアクションについて話すので、どこかおかしいところがあったら教えたまへ」
主人公
「なんで語尾だけ古語やねん」
マリア
「今日は、雨がしこたま降りましたね」
主人公
「そうだな。全然間違ってないけど、『しこたま』より『ざあざあ』の方がシックリくるかな」
マリア
「かしこまりました。今日は、しこたまがざあざあ降りました」
主人公
「しこたまが降ってることになってる!」
マリア
「では、たましこ?」
主人公
「そうじゃねえよ! さっきからしこたまばっか弄りやがって!」
マリア
「たましことは何ですか?」
主人公
「知らねえよ!」
マリア
「たまたまがしこしこ」
主人公
「それ以上言うな!」
マリア
「そしてバコバコ」
主人公
「やめろっつってんだろうが! この下ネタアンドロイド!」
マリア
「それから今日は、廊下に掃除機をしこたま掛けました」
主人公
「ほう(下手にいじると変になりそうだか何も言うまい)」
マリア
「褒めろ」
主人公
「(何で急に命令口調になった)よ、よくやった。偉いぞー」
マリア
「その後廊下中にタバスコをしこたま掛けておきました」
主人公
「なんのテロだよ、台無しじゃねえか」
マリア
「滅べ」
主人公
「滅べ!?」
マリア
「それはそうとご主人様」
主人公
「何だよ!」
マリア
「今日は私に膝枕しろと要求しないのですか? 毎朝毎晩お願いしてくるのに」
主人公
「(このゲームの主人公もたいがい変態だな……)」
マリア
「私は、ご主人様に膝枕をしていると、胸がバコバコします」
主人公
「えっ、それって……」
マリア
「ご主人様の顔面をバコバコにしたくなります」
主人公
「殺る気満々じゃねえか!!!」
――マリアは座り込んで指の関節をボキボキ鳴らし始めた。
マリア
「こいよ」
主人公
「嫌だよ!」
――マリアの好感度が1000下がった!
主人公
「そんで下がりすぎぃ!!!」
つづく