ヤンデレちゃん
【二日目】
→雪村 リカ 好感度 0
柿谷 弘子 好感度 0
マリア 好感度 0
梅野 まゆ 好感度 15
結城 春香 好感度 0
主人公
「おっ、まゆの好感度が上がってるぞ。やっぱりこのステータスはゲームの進行と関係があるんだろうか」
主人公
「にしても、まゆは本当に変な子だったな。このゲームの開発者は何を考えてあんなのを攻略キャラにしたんだ……。もしかして残りの女の子も……」
主人公
「でも全員満足させる必要があるんなら、結局全員に会わないと……」
――誰と会いますか?
主人公
「全員と会う必要があるんなら、最初から全員に会っていこう」
→雪村リカ 好感度0
――また画面が一瞬で切り替わり、学校の一室に立っていた。試験管やフラスコ、見たことのない薬品が並んでいるのを見ると、どうやら理科室のようだ。
雪村リカ
「うふふっ、ユウトくん来てくれたのね」
――制服の上から白衣を羽織った少女がこちらを見て微笑んでいる。
主人公
「(この子が雪村リカか)や、やあ。雪村さん」
雪村リカ
「ふふっ。もう、かしこまっちゃってどうしたの? いつもみたいにリカってっ呼んでよ」
主人公
「あ、ああ。そうだったな」
雪村リカ
「もしくは『洗濯物おじさん』って呼んでよ」
主人公
「洗濯物おじさんって呼ぶぞお前」
雪村リカ
「ねえユウトくん、私お弁当を作って来たんだ! 食べてよ」
主人公
「おお、ありがとう」
――弁当箱の中にはどろっとした黒い液体が溜まっている。
主人公
「な、何これ……」
雪村リカ
「ンナサッフ」
主人公
「ンナ、えっ?」
雪村リカ
「だからンナサッフ! どうしたの? ユウトくんの大好物じゃない」
主人公
「(ダメだ。名前から一切入ってるものが想像できない……。このゲームの主人公は日々こんな得体の知れないものを食べているのか……)」
――不意に選択肢が現れる。
どうしますか? ▼
→食べる
捨てる
主人公
「(食いたくないのは山々だが……、ここで捨てるのはリカに申し訳ないし、何しろ好感度を上げるためには、食べなきゃダメなきがする)」
主人公
「い、いただきます……ん? あれ、結構美味しい」
雪村リカ
「本当? 嬉しいわ!」
主人公
「うん、ハヤシライスみたいにまろやかだよ。これ何が入ってるの?」
雪村リカ
「ふふっ。もちろん私の部屋で育てたトマト!」
主人公
「へえ、家庭菜園ってやつか?」
雪村リカ
「あと私の部屋で育てた牛」
主人公
「牛と相部屋なの!? あとその牛入れちゃったの!?」
雪村リカ
「あと私の部屋で育てた牡蠣」
主人公
「お前の部屋は自然か!!」
雪村リカ
「あと私の部屋で育てた畳」
主人公
「どうやって育てたんだよ!」
雪村リカ
「もう、早く食べちゃってよ。おかわりもあと30リットルあるんだから」
主人公
「ゾウさんか俺は! そんなに食えるわけねえだろ!」
――今更気づいたが、雪村リカの手も首も包帯でグルグル巻きになっている。
主人公
「(こ、こいつはもしやメンヘラという奴では……)そ、その傷はどうしたの?」
雪村リカ
「ああこれ? 飼っている畳が暴れたの」
主人公
「(どうツッコんでいいのかわからねえ……!)」
雪村リカ
「ところでユウトくん」
主人公
「(なんだ、急に声のトーンが下がったぞ)な、何?」
雪村リカ
「ところで今まで何してたの? 17時には来るって言ってたのに、ユウトくんが理科室に来たのは17時を3秒も過ぎてたよ?」
主人公
「細けえ……」
選択肢を選んでください。 ▼
→廊下でクラスの女子に話しかけられた。
廊下で畳に話しかけられた。
主人公
「(この世界の畳はどうなってんだ!)」
→廊下でクラスの女子に話しかけられた。 ▼
雪村リカ
「何よそれ! 信じられない!!」
主人公
「は? なんで怒るんだよ」
雪村リカ
「私以外の女と喋ったら許さないって言ったよね!! 相手の女も!! その女の家族も!!」
主人公
「(こいつやべえ)」
雪村リカ
「ユウトくんが今着ている服だってそう!
主人公
「服?」
雪村リカ
「服は絶対に私が編んだレオタード以外着ないって言ったじゃない!」
主人公
「変態じゃねえか!」
雪村リカ
「今すぐレオタード姿に変体してよ!!」
主人公
「昆虫か俺は!!」
雪村リカ
「昨日から返信も30回くらいしか返してくれないし!!」
主人公
「いやむしろそれは返し過ぎだろ」
雪村リカ
「私、一呼吸ごとに一返信してって言ったよね!!」
主人公
「いや殺す気か!!」
雪村リカ
「私と呼吸とどっちが大事なのよ!!!」
主人公
「呼吸だよ!!!」
どうしますか? ▼
主人公
「なんだ!? こんな時に選択肢?」
→抱きしめる
逃げる。
レオタードに着替える。
主人公
「一個完全におかしいのがある! ……いや、でもこの状況じゃ、やるしかない!」
→レオタードに着替える。 ▼
主人公
「どうだ! 着たぞ! これで満足か!!」
雪村リカ
「きゃあああ! ユウトくんのエッチ! 変態!」
――雪村リカの好感度が30下がった!
主人公
「どうすりゃ良かったんだよ!!」
つづく
お読みいただきありがとうございました!