妹ちゃん 5
【禁パチンコ1日目】
主人公
「よし、ということで今日から脱パチンコ生活を始めるぞ」
妹
「はーい! でも具体的には何をしたらいいの?」
主人公
「別のことで気分を紛らわすんだ」
妹
「えっ、やだお兄ちゃんったら何いやらしいこと考えてるの!」
主人公
「いやお前が何を考えてるんだ。まずは読書からいこう」
妹
「ちょうど今日新しい本を買った所なんだよ!」
主人公
「どんな本?」
妹
「パチスロ雑誌!」
主人公
「駄目じゃねえか!」
妹
「打ちにいかなきゃ!」
主人公
「あっ、おい!」
妹
「負けちゃった……」
主人公
「スーパーコンピューターかお前は」
【二日目】
主人公
「まゆ、ゲームをしよう」
妹
「私ゲーム持ってるよ」
主人公
「どんなゲーム」
妹
「パチスロのゲーム!」
主人公
「さっきと完全に同じ流れだ!」
妹
「本当の台で打ちたくなってきちゃったぁ!」
主人公
「そして行くなぁ!」
妹
「負けちゃった!」
主人公
「だろうね!」
【3日目】
主人公
「まゆ、お話をしよう」
妹
「いいよー! 私おしゃべりするの大好き!」
主人公
「そういえばハナカマキリっているじゃん?」
妹
「ハナカマキリってどんな台なの?」
主人公
「いや、台じゃなくて昆虫でさ」
妹
「えーっ、私、虫苦手だよー」
主人公
「ははは」
妹
「だからパチ屋行ってくるね!」
主人公
「どういう帰納法だ!」
妹
「てへぺろ!」
主人公
「負けたんだな」
【4日目】
主人公
「散歩に行こう」
妹
「いいよー」
主人公
「どうだ、まゆ。外の空気は美味しいだろ?」
妹は小刻みにガタガタと震えている。▼
主人公
「お、おいどうした?」
妹
「パチンコ……パチ打ちたい……!」
主人公
「(発作!?) まゆ、ちょっと休憩しようか。ほら、あの自販機でジュースでも買って……」
妹
「あれはスロットの台!」
主人公
「いや自販機だよ!」
妹は猛然と自販機のボタンを押し始めた。▼
妹
「オラオラオラオラぁ! 確変じゃあ!」
主人公
「(うん、これ手遅れや)」
【5日目】
主人公
「釣りに行こう」
妹
「お兄ちゃん、私夜釣りに行きたい!」
主人公
「いいぞ」
――海
主人公
「ふぅ、夜風が気持ちいいな」
妹はガタガタと震えている。▼
主人公
「(発作が始まったか。どうにかして気を逸らさなければ)ほら、あそこにイカ釣り漁船があるぞ! ……電飾が綺麗だなぁ」
妹
「あの台ペカってる!」
主人公
「え?」
――妹は海に飛び込んだ。
主人公
「ええっ! ちょっとまゆさん!?」
妹
「確変は! 待ってくれないんだよお!」
主人公
「いやそっちイカしかいねえぞ!」
【6日目】
妹
「お兄ちゃん、私を縛って」
主人公
「どうしたんだよ」
妹
「流石に縛られていたら、パチンコ屋にも行けないと思うの」
主人公
「なるほど、物理的に束縛するのか」
――主人公は妹を縛り上げた。しかし妹の発作が始まる。
主人公
「耐えろ! 耐えるんだ、まゆ!」
妹
「ふがあああああ!」
――妹は縄をぶっちぎちった。
主人公
「ゴリラかお前は!」
妹
「ウッホウッホホ!」
主人公
「ウッホー!」
【7日目】
主人公
「ウッホウッホホ」
妹
「戻れてないよ、お兄ちゃん」
主人公
「ハワイ旅行に行くぞ!」
妹
「やだ、もしかして新婚旅行?」
主人公
「違う違う。流石にハワイにいたらパチンコ屋もないし、楽しいし一石二鳥だろ」
妹
「流石お兄ちゃん」
――ハワイにて
妹
「お兄ちゃん! この水着どうかな?」
主人公
「似合ってるぞ(こいつの病弱設定はどこに行ったんだろう)」
妹の発作が始まる。▼
主人公
「ま、まあ流石に大丈夫だよな」
妹
「うおおおおお! 確変が私を呼んでいるのおおお!」
妹は水面を走って日本へ戻って行った。
主人公
「アメリカン忍者かあいつは!」
妹
「負けちゃった!」
主人公
「そして太平洋横断して戻ってきやがった!」
【8日目】
妹
「うええええええええん! もうダメだよ! もう何やってもパチンコ止められないよお!」
主人公
「くそっ、何か手は無いのか……!」
――しかし、無情にも妹の発作が始まる。
妹
「パチ屋……行かなきゃ……!」
主人公
「くっ、行くな!」
――主人公は妹を抱きしめた。
妹
「離してよお兄ちゃん! どうせ止めようとしても無駄なら、最初から我慢せずに打ってたほうがマシだよ!」
主人公
「お前はやめられる! それは絶対だから!」
妹
「何を根拠に言ってやがんだ、このモヤシがぁ!」
主人公
「(本性怖ぇ!)思い出せ! お前、俺にお金必要だって分かっとき、パチンコを我慢して貯金してくれてたじゃないか!」
妹
「……」
主人公
「どうして、その時貯金が出来たんだ?」
妹
「それは……あの時お兄ちゃんが、死にそうな顔してて、可愛そうだったから……力になってあげたいなって」
主人公
「そうだ。俺は知ってる。お前は確かに口も悪いし金遣いも荒い。だけど、人のために何かを我慢することが出来る優しい子だ。それだけは事実だ」
妹
「へへっ……。そんな風に褒められたの、20年生きて来て初めてかもな」
主人公
「今はやめられなくてもいい。だけど、お前には出来るって俺は信じているよ。お前は誰よりも優しい子だから」
妹
「ありがとう。お兄ちゃんと一緒なら、止められる気がしてきたよ」
主人公
「まゆ……!」
妹
「だからこれからはカジノに乗り換えるね!」
主人公
「ははっ! 駄目だこりゃ!」
ミッション:『妹のパチンコ屋通いを止めさせろ』を達成しました。▼
梅野まゆの好感度が85上がった。▼
つづく




