ドジっ子ちゃんショー 2
主人公
「もう大丈夫か?」
ドジっ子
「う、うん。もう身体中の液体を1000tくらい出した気分だよ」
主人公
「いやダムじゃないんだから。……緊張し過ぎだ弘子。練習通りやれば大丈夫だよ」
ドジっ子
「それは分かってるつもりなんだけど……私、ドジだからいつもいつもみんなに笑われてて……またミスしてみんなに笑われるんじゃないかって……不安なの」
主人公
「(こいつ割とヘビーなトラウマを抱えてそうだな)心配するな弘子。もしお前がミスっても俺がフォローする」
ドジっ子
「う、うん」
放送
「それでは次の発表に移ります。次は二年二組の梅野ユウト君、柿谷弘子さんの二人による漫才です」
――体育館中から拍手の音が聞こえてくる。
主人公
「行くぞ!」
ドジっ子
「はい!」
主人公
「どうもー! 2年2組の漫才コンビ『YH』でーす」
ドジっ子
「クククククク、ククククラスのみんなからは横ハメコンビって呼ばれてまーす!」
主人公
「おい待って弘子さん! 横ハメだと変な感じになっちゃうよー! 横浜でしょ。よ・こ・は・ま(こいつ最初からトップギアで来やがった……!)」
ドジっ子
「えっ! 違うよ私青森出身なの」
主人公
「聞いてない聞いてない! そ、そうだ弘子さん」
ドジっ子
「な、ななななあに。ユウト君」
主人公
「俺最近犬を飼い始めたんだよ」
ドジっ子
「ええっ!」
主人公
「えっ、そんな驚く?」
ドジっ子
「スッポンって何!?」
主人公
「スッポンどっから出て来たんだよ?!」
ドジっ子
「いやいや、いきなりスッポンとか言われても分からないよ」
主人公
「俺スッポンて言ってねえよ!」
ドジっ子
「思い出した。クリスマスにソリを引いている動物が稲だよね」
主人公
「んんっ! 稲さんどっから出て来たのかなぁ! 稲じゃあソリを引っ張れないぞぉ!」
ドジっ子
「あわわわわわわ! まっままっま間違っちゃった……!」
主人公
「お、落ち着け弘子! 次のセリフを思い出すんだ!」
ドジっ子
「テンポよく散らかるチンポ!」
主人公
「何のセリフと間違えたんだよ!」
ドジっ子
「お父さんの菊の花が鳴いてるの!」
主人公
「混ざりすぎぃ!」
ドジっ子
「う、うえええええん」
主人公
「(泣き始めよった?!) 弘子さん、そろそろ犬の話に戻そうか! 犬って言うのはワンワン鳴いている動物だよぉ!」
ドジっ子
「私だって泣きたいよ!」
主人公
「弘子さん!?」
ドジっ子
「犬はいいよね! 泣くだけでエサがもらえて!」
主人公
「ちょっと弘子さん!?」
ドジっ子
「私も犬に生まれればよかったよ!」
主人公
「(最後まで諦めるな! 諦めても状況は良くならないぞ!) んもう! 弘子さんったらぁ! ほら、犬っていうのは可愛いんだぞ! しっかり躾ければ人のいうことも聞くようになるんだ!」
ドジっ子
「じゃあ犬は死ねって言ったら死ぬの!?」
主人公
「弘子さん?!」
ドジっ子
「犬にバハムートを召喚できるって言うの!?」
主人公
「言ってねえよ!」
ドジっ子
「私はどうしてここにいるの!?」
主人公
「ええい、もうええわ!」
――限界だと感じた主人公は弘子を連れて舞台袖に引っ込んだ。
ドジっ子
「ごめんなさい……私、取り乱しちゃって」
主人公
「いや、いいんだ。気にするな。それよりお前、もしかしてイジメられてたのか」
ドジっ子
「……うん」
主人公
「(そうか。ドジな事をずっとイジメられてたからあんなに取り乱したのか……)」
ドジっ子
「ごめんなさい。こんな迷惑ばっかりかける奴なんて、居ない方がいいよね、イジメられても仕方ないよね。消えたい……。私、消えたいよ」
主人公
「弘子、それは違うぞ。客席の方を覗いてみろ」
――弘子が観客席を覗くと、笑顔の観客たちが歓声と拍手を自分たちの方に送っていた。
ドジっ子
「もしかして、笑って、もらえたのかな」
主人公
「ああ、もし俺のネタのまま、間違えずにやったら笑いは起きなかったかもな」
ドジっ子
「ねえもしかして煽ってる?」
主人公
「弘子、お前のドジは欠点じゃない。才能だ」
ドジっ子
「何かすごく煽られてる気になるんだけど」
主人公
「俺はお前と組めて、舞台に立てて本当に楽しかったよ。これは嘘じゃない。また一緒にコンビを組もうぜ」
ドジっ子
「……ありがとう。すごく、すごく気分が楽になったよ」
主人公
「それに、お前をイジメる奴がいたら今度は俺がとっちめてやるさ」
ドジっ子
「ユウト君ありがとう。でも、もういいんだよ。この世界にはいないんだ」
主人公
「(この世界には……? クラスメイトの豚が出荷されたって言ってたからそのことかな?)」
ドジっ子
「私、もう行かなきゃ」
主人公
「どうしたんだ?」
ドジっ子
「元栓閉め忘れてたの思い出しちゃった!」
主人公
「またかよ!」
ミッション:文化祭の出し物 を達成しました。▼
ドジっ子の好感度が30上がった。▼
つづく




