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ドジっ子ちゃんショー

主人公

「俺はあれから弘子と出し物について色々と話し合った。その結果、やはり二人で演劇をするのは無理があるという結論に至った。ということで別の出し物を選択する。それは」




主人公

「『漫才』だ」




主人公

「ミッションには出し物と書いていたが、演劇じゃなければ駄目とは書いていなかった。漫才なら二人で出来るし、笑いを取れれば観客を沸かせることが出来る。そう思って俺が速攻でネタを書いた」




以下、主人公の書いたネタ




ツッコミ

「どうもー! 2年2組の漫才コンビ『YH』でーす」




ボケ

「クラスのみんなからは横浜コンビって呼ばれてまーす」




ツッコミ

「あはは、単純ですよねー。そういえば弘子さん」




ボケ

「なあに。ユウト君」




ツッコミ

「俺最近犬を飼い始めたんだよ」




ボケ

「ええっ!」




ツッコミ

「えっ、そんな驚く?」




ボケ

「犬って何!?」




ツッコミ

「そこから?!」




ボケ

「いやいや、いきなり稲とか言われても分からないよ」




ツッコミ

「稲じゃない! い・ぬ!」




ボケ

「思い出した。犬ってクリスマスにソリを引いている動物だよね」




ツッコミ

「それはトナカイだ!」




ボケ

「じゃあ犬ってなあに?」




ツッコミ

「犬って言うのはワンワン鳴いている動物だよ」




ボケ

「じゃあ私のお父さんは犬だったんだね!」




ツッコミ

「お前の父さんはワンワン鳴くのかい!」




ボケ

「他にはどんな特徴があるの?」




ツッコミ

「あとは、鼻が利く」




ボケ

「菊の花?」




ツッコミ

「そっちの花じゃない!」




ボケ

「なんか犬ってあんまり可愛く無さそうだね」




ツッコミ

「そんなことないぞ! モフモフしててヌイグルミみたいだし」




ボケ

「ほうほう」




ツッコミ

「しっかり躾ければ人のいうことも聞くようになるんだぞ」




ボケ

「へえ。じゃあ晩御飯作ってもらおうかな!」




ツッコミ

「そんなに高度なことは出来ないよ!」




ボケ

「なるほどー。犬がどんなものか分かりました」




ツッコミ

「本当かよ」




ボケ

「秋に色づく植物だよね」




ツッコミ

「それは稲だろ! もうええわ!」




***




主人公

「うん、我ながら良いのが書けたぞ。短時間でコレを書けた俺はもしかして天才なんじゃないだろうか。ぐふふ」




【13日目】




主人公

「弘子とはあれから練習を重ねた。文化祭までに台詞を覚えてくるようにも言っておいた。……あとは今日の本番で成功させるだけだ」




誰に会いますか? ▼


→ マリア     好感度 -1000

柿谷 弘子   好感度 40

梅野 まゆ   好感度 15

結城 春香   好感度 50





――画面が切り替わり、主人公は体育館の舞台袖に立っていた。照明は落とされて暗く、ステージの下では観客の生徒たちがはしゃいでいる。




主人公

「いよいよか……、めっちゃ緊張してきた」




ゲームマスター

「盛り上がってるねえ」




主人公

「う、うわああああ!」




ゲームマスター

「何だい、人を幽霊みたいに」




主人公

「いやこのくだり何回目だよ! なんで必ず暗闇に紛れて出てくるんだよ、異形のモノか!」




ゲームマスター

「あっはっはっ。まあまあそんなに怒るとお肌に悪いわよ」




主人公

「何のキャラなんだよ! ……それで、アンタが出て来たってことは重要な事があるんだろ?」




ゲームマスター

「アレを見たまえ」




――ゲームマスターの視線の先に目を向けると、天井の近くに平面的で細長い棒があった。剣崎師範と戦った時に出てきた体力ゲージと似ている。




主人公

「アレは……」




ゲームマスター

「僕の胴体だよ」




主人公

「そんなわけあるか」




ゲームマスター

「あれは会場の盛り上がり具合を表すゲージ。あれが満タンになればミッションクリアになる。そして会場の空気を操っているのは……」




主人公

「アンタってわけね」




ゲームマスター

「そうそう、楽しみにしてるよ。ところでトイレはどこかな」




主人公

「どっから何を出すつもりなんだよ」




ドジっ子

「おーい、ユウトくーん」




主人公

「ひ、弘子」




ドジっ子

「さっき生首さんが居たのよね」




主人公

「! お前、あいつを知ってるのか(あと生首がいつの間にか居なくなってやがる)」




ドジっ子

「うん、前も一度会ったことがあるよ」




主人公

「そう、なのか……」




ドジっ子

「どうしたの?」




主人公

「いや、だって生首だぞ? 驚かないのか?」




ドジっ子

「まあ私のお父さんも頻繁に首がコロコロしてるし」




主人公

「ボーリングの球か」




ドジっ子

「それよりさぁ、もうすぐ本番だと思ったらすごく緊張してきたよぉ」




主人公

「俺も緊張してるけど大丈夫だ。弘子、練習通りいくぞ」




ドジっ子

「……」




主人公

「おい?」




ドジっ子

「オロロロロロロロぉ!!!」




主人公

「めっちゃ吐いてる!!」




つづく


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