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東京PMC’s  作者: 青空鰹
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紫音とダイナミックエントリー

ダイナミックエントリーをするリューク。彼のタイムは何秒なのか?

1番初めに訓練用の小屋に入って行ったリュークさんは、中に用意していたターゲットを次々と撃って行きゴールと書かれた円の中に入った。


「1分08秒32。先ず先ずと言った感じですね」


「室内戦が苦手なアイツにしては、大したタイムだな」


「いいところを見せる為に頑張ったんでしょう」


リュークさんは抜弾処理をしてから、こっちにやって来た。


「やっぱり室内戦は難しいね」


「そうか、次は誰が行くんだ?」


「じゃあワタシがハウスにチャレンジしまぁ〜す!」


コニーさんはそう言うと、スタートラインに立ってから準備を進める。


「コニー、準備は出来たかしら?」


「ええ、何時でもダイジョウブですよ。オネエちゃん」


「それではカウント5秒前! 4、3、2、1、スタートォ!!」


その言葉と共に、コニーさんはハウスの中に入って行く。


「コニーさん大丈夫かなぁ?」


「何が?」


「コニーさんが持っている SCAR-H はバレルを長くしているから取り回しが効かなそう。それに何よりもスコープを乗っけているから、至近距離が合わせ難いかも」


「その為にアンダーマウントにミニドットサイトを乗っけているんだろう」


「それにコニーはアナタよりも経験豊富なのだから、心配しなくても大丈夫よ」


「そうですか?」


「そうよ」


不安を感じながら待っていると、コニーが出口から出て来てゴールの上に立った。


「結果は1分04秒57」


「リュークさんよりも早い」


「ボクよりも彼女の方が若いからねぇ〜」


リュークさん、負け惜しみにしか聞こえないですよ。


僕がジト目でリュークさんを見つめている中、コニーさんもリュークさんと同様に抜弾をした後に僕達のところに来た。


「どうでした。私のジツリョクは?」


「長物を器用に使うわねぇ」


「努力をオコタってませんからね!」


「次の人出て下さい」


サラさんがそう言うと、リトアさんが自信満々な顔で前に出た。


「じゃあ次は、私が行きましょうか」


「ああ、行って来い」


リトアさんがスタート位置に歩み寄っている中、隣にいた天野さんがツンツンと背中を突いて来たので、そちらに顔を向ける。


「何ですか天野さん?」


「リトアの次はお前が行けよ」


「僕ですか?」


「ああ、お前が行け」


「・・・・・・わかりました。天野さんの言う通り、僕が次行きますよ」


でも何で僕を先に行かせるんだろう?


そんな事を思いつつ、スタート合図待ちをしているリトアさんの方に顔を戻す。


「・・・・・・2、1、スタート!」


スタートの合図と共に、リトアさんもAKMを構えてハウスの中へ突入して行く。


「リトアさん、ペース早いですね」


発砲音に余り間がないので、ターゲットに狙いを定めるまでに早い事が理解出来る。


「ああ、アイツはああ見えて反射神経が高いが精密射撃が苦手だから、狙って撃つまでに時間が掛かっているかもしれないな」


確かに、ターゲットから狙いを外しているのか発砲音がリュークさん達よりも多い気がする。


「ああ〜、だから毎回フルオートで撃っていたんですね」


今回は1発だけじゃなくて、3〜4発ターゲットに撃って、撃った弾のどれかが当たればいいって感じでダイナミックエントリーをしているんだと思われる。


「ゴール! 1分03秒26」


「あちゃぁ〜・・・・・・この間よりも遅い」


「でも悪くはないタイムですよ。次はぁ〜・・・・・・」


「紫音の番」


「あ、そう。スタート位置に着いてから準備をして下さい」


「わかりました」


サラさんにそう言ってから、スタート位置に立って準備をする。


とにかく、いつも通りの事をすればいいだけ。そう、いつも通りの事を・・・・・・。


「紫音がリトアよりも早いに1000」


「私の方が早いに1000」


「リトアくんが勝つに1000」


「シオンを信じて1000カけます! 頑張って下さい!」


「ワタシモ 教エ子ノ事ヲ信ジテ、シオンクン ニ1000カケマァ〜ス!」


緊張を感じている僕を余所に賭け事をしている。しかもリトアさんの方が倍率高い!


「紫音くん、まだですか?」


「あ、大丈夫です!」


「それでは、カウント5秒前! 4、3、2、1、スタート!」


スタートと言う言葉と共に H&K UMP45 を構えて部屋の中へ入って行くと、先ずはシンプルに人形の的がいたので額を撃ち抜く。そして左に道が進んでいるので右に少しづつ進んで安全か確認して行く。


いない。大丈夫そう。


そしてそのまま進んで行くと、行く先の両脇から人形のターゲットが左右両方共身体の半分を出して来たので、それぞれ1発づつ撃ち抜くと今度は身を隠せそうな土嚢から顔を出したので、それも撃ち抜いて先に進み角を曲がる。


もうそろそろゴールかな?


通路が狭くなって来たので進みながら S&W M327 R8 をホルスターから引き抜くと、今度は3体のターゲットが出て来たのでターゲットの距離関係なく右から順番に撃ち倒して行き、そのまま進んで行くとゴールが見えて来た。


もうすぐゴールだ!


焦る気持ちを抑えて、警戒しつつゴールへと向かう。


「ゴール! 記録は・・・・・・58秒47!」


サラさんの言葉に生徒達から響めいた言葉が聞こえるが、天野さん達の方は違っていた。


「チッ・・・・・・リボルバー を使うんなら、紫音に賭けりゃよかった」


「確かにね、でも負けは負けだから素直に出そうか」


「そうだな」


天野さんとリュークさんは渋々と言った感じで財布から1000円札を取り出した。


「ヤッタァ! やりましたよぉ〜!!」


「シオンクンヲ 信ジテ ヨカッタデェ〜ス!」


賭けに勝ったコニーさんとダニエル教官は、お互いの身体を抱き締めて大喜びしていた。1000円単位の賭け事なのに、大盛り上がりするとは・・・・・・。


「そのリボルバーを使うの反則! やり直しを要求するわっ!!」


「原則上、ショットガンやRPG-7。それに手榴弾などの武器を使わなければOKなので、その賭けは有効ですよ」


「え!? でもぉ〜・・・・・・」


「リトア。アナタがそう仰るのでしたら、紫音くんからR8を借りてやってみたらどうですか? 私の予想では、さっきよりも酷い結果になると思いますよ」


「クゥ〜〜〜・・・・・・」


リトアさんは僕を睨み付けながら、1000円札をダニエル教官に渡した。


いや、天野さんの賭けに乗ったアナタが悪いと思う。


抜弾を済ませた後に天野さん達のところへ向かうと、リトアさんが襲い掛かって来た!


「私の1000円がぁああああああ!?」


「リトアさん・・・・・・僕のせいじゃないですからね」


後、どさくさに紛れて尻尾をモフモフするのを止めて欲しい。それとサラさん! 羨ましそうな目でこっちを見つめないで貰えませんかね?


「次は俺の番か、サラ?」


「あ! そうですね。スタートラインに立ってから準備のほどをお願いします」


「わかった」


天野はいつもと違ってシャキッとした姿勢で立っていた。


「普段の時も、あんな風にしてくれればいいのに」


「全くその通りよねぇ〜」


リトアさん、昼間っからお酒を飲んでいるアナタが言えた事じゃないです。


「準備が出来たぞ」


「わかりました。カウント5秒前! 4、3、2、1、スタートォ!」


天野さんはスタートの掛け声と共に SR-16 URX4 を構えながら部屋の中へと突入して行く。


「天野さん、凄く早いですね」


「天野ぐらいになれば、あれぐらい早く行動出来るわよ」


「シオンクン ト 同ジデ 流レ作業ノヨウニ ターゲット ニ弾ヲ当テテイルノデ、早ノデスヨ!」


「片目が悪いとか言いながらも、あんなに俊敏に動いているのだからアマノくんには驚かされるよ」


その後も何度か発砲音が聞こえた後に、反対側の部屋部屋から出て来てゴールの上に乗る。


「はい! ただ今の記録は、59秒38! もう少しで紫音くんを抜かせそうでしたね」


「・・・・・・そうか」


天野さんはそう言うと抜弾を済ませてから僕達のところへやって来たのだが、何故か威圧感が半端ない。


「もしかして、シオンに負けたのを気にしているのかしらぁ?」


「そんな事ない」


そう言いつつも僕の事を見つめて来るので、気にしている感がダダ漏れな天野さんであった。

天野に勝った紫音だったが、根に持った様子でいる。後に引かなければいいのだが・・・・・・。

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