表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東京PMC’s  作者: 青空鰹
124/130

紫音と密輸業者と謎のゴミ

遂に密輸業者の潜伏場所を突き止めた紫音達。彼らとの戦いが始まる!

『紫音。些細な事でもいいから気が付いたら俺達に報告をしてくれ』


「はい」


『俺達も気が付いたら連絡をするぞ』


「了解です。通信アウト」


無線を終えるとそのまま隠れ家に向かってゆっくりと進み出した。


『シオン、そこで止まってクダさい』


「どうしたんですか?」


『シオンの行き先にカンシカメラが設置してあります。そのまま出たら映ってしまう可能性がありますよ』


監視カメラまで取り付けていたのか。


『こっちにも別方向を向いた監視カメラが見える』


『こっちには仕掛けられている様子はなさそうじゃ。コニー、家の様子はどうだ?』


『ターゲットは以前に家の中で待機していますが、ケイカイをしているのか偶に外を見つめています』


『わかった。ワシらは気を付けながら進む事にする。紫音は迂回して近付くようにな』


「はい」


僕はオズマさんに言われた通り、監視カメラに映らないように迂回して進む。


「僕の方は準備出来ました」


『ワシの方も無事に張り付けた』


『俺の方は少し待ってくれ。もうすぐだから・・・・・・着いたぞ。コニー、合図を送ってくれ』


「わかりました。突入5秒前。4、3、2、1、突入!」


『『「突入!」』』


その言葉と共に隠れ家の中へ突入して行き、一気に静圧! とは言えず、向こうが待ってましたと言わんばかりに反撃して来たので、密輸業者達と撃ち合い状態になった。

そんな中で、密輸業者の1人が立て掛けた(すのこ)の裏に隠れたのを見たので、簀越しに H&K UMP45 の弾丸を浴びせて倒す。


「簀にいた敵ダウン!」


「でかした紫音!」


「こっちの方も1人倒した! 残りは2人!」


残りの2人を見つける為に倉庫を見渡すが影すら見当たらない。


「全員、一旦集合!」


天野さんの言葉を受けて、辺りを警戒しながら集まる。


「残りの2人が見当たらない」


「何処かに隠れている可能性があるぞ」


「外に出た可能性もあるよ」


「そうかぁ。コニー、外に出て行く姿を見たか?」


『こっちの方では、そんなスガタを見てないです!』


どうやら残りの2人が銃撃戦に紛れて逃げた可能性は、無いに等しいかも。


「全員で工場内を探索するぞ。いいか、常にツーマンセルで動け」


「「「「「「了解!」」」」」」


天野さんの指示で、リュークさんと共に行動する事なった。


「狭い工場だけど、死角が多いからしっかりクリアリングをしてね」


「わかりました」


僕が先行して工場内を進むと、粗悪なテーブルと椅子が置いてある場所に辿り着いた。


「食べ物が置いてある」


「ついさっきまで食事を取っていたみたいだね」


そう、リュークさんの言う通り、コンビニで適当で買って来た物と思われる食べ物がテーブルの上に散漫していたが、その横に置かれていたゴミ箱が僕は気になったので近付く。


「シオンくん、どうしたんだい?」


「ゴミ箱の中から病院特有の消毒液の臭いがするんです。それに、何か嗅いだ事のある臭いが微かにします」


「え? それって、どういう事?」


「ゴミ箱の中を見てみれば、わかると思います」


そう言うと、ゴミ箱の中をひっくり返して中に入っていたゴミを確認していく。


お菓子の袋。お弁当の容器。ゴミ。これもゴミ・・・・・・ん?


「これは・・・・・・包帯?」


「血が付いているね」


その血の付いた包帯を手に取ると、鼻に近付けて臭いを嗅いだ。


消毒液と薬の臭いの混ざっているこの臭いは・・・・・・まさか!


「間違いない! 実野妓くんがここにいる!」


「えっ!? 嘘だよね?」


僕自身も信じられない気持ちで一杯なので、確認の為に再度包帯の臭いを嗅いでみた。


「・・・・・・ここに実野妓くんがいます」


「わ、わかった。とりあえずみんなに伝えよう。その布はこの袋の中に入れて取っておいて、後でDNA検査を使って本人かどうか調べるから」


「わかりました」


リュークさんの言う通りに手渡された袋の中に入れている間に、リュークさんは無線を飛ばす。


「ああ、うん。シオンくんの鼻を疑う気なの? ・・・・・・・・・・・・うん、わかった。そうする」


リュークさんはそう言い終わると僕の方を向いて来た。


「シオンくん、本部からの伝達を言うよ。先ずは密輸業者達を探すのと同時に、ミノギくんも探す」


「はい」


「それで、ミノギくんを見つけ次第身柄の保護をする。場合によっては・・・・・・覚悟してね」


「はい」


本部と天野さん達は密輸業者達の確保を優先している為か、実野妓くんは二の次状態なんだと思う。


「さぁ行こうシオンくん」


「はい」


でも何でここにいるんだろう? と思いつつも、廃墟の中を警戒しながら進んで行く。


「クリア!」


「クリア! ここにもいない」


「おい、お前らから見て左側から俺達が出るぞ!」


その声がした後に、天野さん達とオズマさんのチームが部屋の中に入って来る。


どうやら天野さん達もここにたどり着いたみたいだ。


「こっちにはいなかったよ。そっち方はどう?」


「こっちにもいなかった」


「ワシの方も同じじゃ。もしかしたらヤツらは逃げたのかもしれぬぞ」


その可能性はありそう。


「外はコニーのヤツが見張っているから、その可能性は低い」


「そうねぇ。コニーちゃん。誰かが逃げる様子が見えた?」


『見えな・・・・・・ん? ちょっとマって下さい。えっ!? 何で?』


「どうしたの、コニーちゃん?」


『マイがそちらの方に向かっています! 早く止めないとマズイです!』


「えっ!?」


舞ちゃんが、こっちに向かって来ている?


コニーさんの言葉に天野さん達も僕と同じ様に驚いていた。


「どう言う事だ?」


「もしかして、ここら辺が住所?」


「そんな筈がありませんよ! 僕に引っ越した何て話は聞いてないんですからぁ!」


「とにかく、彼女を遠ざけた方がいい! 紫音、お前は確か糸風の連絡先を交換しているんだろう? 連絡をするんだ! コニーは糸風の様子を見ていろ!」


「わ、わかりました!」


『了解です!』


ポケットからスマホを取り出し、舞ちゃんに電話を掛けるとすぐに出てくれた。


『シィくん。どうしたの?』


「舞ちゃん。今すぐ立ち止まって!」


『立ち止まってって、どうして? 私、やっと連絡がついた龍平くんに、会いに行かないといけないんだけど』


「何だって!?」


僕の言葉にその場にいた全員が、驚いた表情をさせる。


彼が舞ちゃんをここに呼んだ? どういう事なの?


「それは本人の声だったの?」


『・・・・・・うん、舌を怪我しているせいか、ちょっと聞き取りづらかったけど、龍平くんの声に間違いなかったよ。

どうしてそんなに驚いているの? もしかして、龍平くんと連絡がついた事に驚いたのかな?』


・・・・・・まさか? いや、まさかとは思うけど。僕が考えている事が正しければ。


「今来た道を全力で走って戻って!」


『え? 急に何を言っているの?』


「罠だから言っているの!」


『え? 罠? 罠な訳が・・・・・・』


舞ちゃんの話を遮る様に怒号で説明を始める。


「僕達はその近くの廃工場に居て、密輸業者の対処しているの! 舞ちゃんが行こうとしている場所は、僕がいる場所でしょ? そこに誘われているんだよ!

現にこの場所に実野妓くんが付けていた包帯があった!

だから彼に会っても・・・・・・ん? もしもし? もしもし舞ちゃん? どうしたの?」


先程まで えっ? とか、嘘!? と相槌を入れる様にして言葉を発していたのだが、急に何も話さなくなってしまったので、不審に思う。


まさか? そんな事は・・・・・・。


「コニーさん、舞ちゃんは今どうしているんですか?」


『こっちではスガタが見えているのだけれども、怯えた表情で一点を見つめています』


「誰かを見つめているって事か。誰なのかわかるか?」


「ワタシのところからでは、死角になっているのでわかりませんが、非常にマズイ状態なのがわかります」


「そうか。これは確認をしに行った方がよさそうだな」


そんな中、僕のスマホから舞ちゃんの震えた声が聞こえて来た。


『りゅ、龍・・・・・・平、くん?』


その言葉を聞いた瞬間、僕の背中がゾワッとした。

何とここで実野妓の名前が出て来た! 彼は何故その場にいるのか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ