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東京PMC’s  作者: 青空鰹
112/130

紫音と突入開始

舞達が勝手について来た事が発覚。この事態をどうするつもりなのか?

「ま、舞ちゃん?」


どうしてこんなところに?


「あ、あのねシィくん。これには深い訳があってね・・・・・・」


「校長先生がアナタ達を追うように言われました」


そう言って運転手側から出て来たのは、舞ちゃんが付き合っている男の子。実野妓 龍平くんだった。


「校長先生に言われて来たぁ?」


その場にいた人達はお互いの顔を見つめ合っている。そんな中、天野さんだけが彼らに近付いて行く。


「まさかと思うが、お前ら全員俺達に付いて来て、交戦になったら応戦するように言われたのか?」


「・・・・・・はい」


戸惑いながら答えてくれたのに対して、天野さんは呆れた顔になる。


「悪事は言わない。帰るんだ」


「どうしてだ?」


話を聞き付けて出てリアドアから来たのは、焼肉屋で暴れそうになった問題児の宇野元だった。


「どうしてだ? お前らの担任が理由を知っているだろう。その無線機で聞いてみな」


天野さんはそう言って自分の耳元をトントンと叩く。


「俺達は足手まといになんかならねぇぞ!」


「それはどうかしらね」


「何だと?」


今度は喧嘩越しにリトアさんを見つめる。


「付いて来るにしても、キミ達には作戦の一旦を任せる気はないよ。そもそも論的にボク達はキミ達が付いて来るのは反対だからね」


リュークさんも怒り気味だ。


「そ、そうですよね」


「やっぱり、引き返そうか」


舞ちゃんと実野妓くんは理由がわかっているのか、ションボリと言うが宇野元くんだけが不服なのか、こっちまで近付いて来た。


「何だよ! 俺達だって訓練をしているし、校長にだってOKを貰っているんだから・・・・・・」


「そう言う問題じゃない。お前らが怪我をしたら、誰が責任を取るのか? って事を気にしているんだ」


「俺達が、怪我?」


「そうだ。俺達がやろうとしているのは、実銃の撃ち合の殺し合いだ。ハリウッド映画のような活躍が出来る場所だと考えているんなら、回れ右して帰るんだな」


「そんなの、やってみないとわからないだろう!!」


「やらなくてもわかる結果だ。時間も勿体ないから行くぞ」


そう言って離れる姿を僕を含めたPMCのメンバーが、驚いた顔をして振り返った。


「おい、天野! コイツらを放っておいていいのかよ?」


「関わっている方がバカらしいだろ。それに放っておいた方が彼らが勝手に付いて来てやって事。って言えるだろ」


確かに、天野さんの言う事も一理ある。


「お前らに最後言える言葉がある。俺達に付いて来るのは勝手だ。だから、上の連中がそう命令するまで、決して俺達は助けたりはしないと思っておけ」


天野さんはそう言うと、運転席に座って僕達に向かって手招きして来る。


「・・・・・・行こう、シオンくん」


「え、でもぉ〜・・・・・・」


「シオン、あの子達はあの子達で勝手にやるわ。だから私達は私達で任務をすだけよ」


リトアさんが近くやって来ると背中を押すようにして促して来たので、歩きながら顔を振り返る。


「舞ちゃん! 絶対に敵と交戦しちゃダメだよ! 逃げるって選択肢も必要だからね!」


「シィくん!」


舞ちゃんは何か言いたそうにしていたけど、ピックアップトラックに乗せられてしまった。その後を舞ちゃん達が追って来る。


「本当にいいんですか? このまま付いて行かせて」


「よくはないが、アイツらが勝手に来ているだけだから、何も言う事はない」


「任務の邪魔になったら?」


「そん時は 邪魔だ、退いていろ。 って言って退かせばいいだろう」


本当にそれで退いて来れるのだろうか?


そんな不安を抱えていたら、アジト付近に着いた。なので円になって作戦会議に移る。


『いいですか。作戦通りシオンくんとコニーは向かい側の建物に登って偵察をして下さい。

残りの皆さんはコニー達が準備出来たら、シオンくんとコニーの指示に沿って建物に近付いて下さい。そして全員の準備が出来たら、一気に突入して建物の制圧して完了とします』


「一つだけ確認したい事がある」


『何でしょうか?』


「俺達に付いて来たアイツらは、どうする?」


メンバーの1人が言うアイツらは、彼らしか当てはまらない。しかも、向こうは僕達の様子を見ているのか、遠くからずっと見つめ続けている。


『・・・・・・基本的に彼らは我々の作戦の邪魔をする気はないみたいなので、無視の方向で行きましょう』


「わかった」


『それでは皆さん、行動を開始して下さい!』


サラさんの言葉に全員うなずくと、静かに行動を始める。


「コニーさん、準備は出来てる?」


「ワタシはいつでも準備がデキてますよ」


「それじゃあ、行くよ!」


コニーさんと共に向かい側の建物の入り口から突入をしてエントランスを見渡す。


「クリア」


「こっちもクリアです」


「前進しよう」


建物の奥に行こうとした時に、後から足音がしたので振り返り H&K UMP45 を敵がいると思わしき方向に向けて構える。


「誰ッ!?」


「わ、私だよ! シィくん!!」


この声は・・・・・・。


「舞ちゃん。どうして来たの?」


僕がそう言うと、両手を上げながら舞ちゃんが壁の裏から出て来た。


「あの、校長先生の指示で・・・・・・」


もう訳なさそうな顔をしている舞ちゃんとは反面、隣にいるコニーさんは 何で付いて来たの? と言いたそうな顔で不機嫌になっている。


「ハァ〜・・・・・・他の人達もそうなの?」


「ホカの人? まさか、彼女以外の人達もキているのですかぁ?」


コニーさんが言い終えると、実野妓くんに日野谷さん。それに加えて宇野元くんにドワーフの子までいた。


「その・・・・・・作戦の邪魔をしないから、僕達を連れて行ってくれないかい?」


いや、作戦の邪魔をしないって・・・・・・。


「もう勝手してクダさい。行きましょう、シオン」


「あ、うん」


諦めたような顔をしているコニーさんと共に、スナイピングポジションを目指して建物の6階を目指して上がって行く。


「コニーさん、この階はオールクリアです」


「こっちも警報機を付けオわりました」


そして、目星をつけていたスナイパーポジションの部屋に入ると、横になっている机に手を掛ける。


「後はこの机を窓の近くに置いてっと。しかし、魔物はおろか敵でさえ出て来なくてよかったですね」


「ええ、その分ジカン短縮出来るのでよかったですよ」


そう会話をしながら僕はスポッターの準備を進め、コニーさんは自身のSCAR-Hにサプレッサーを付けてからフロントに付いているスコープの調整をする。


「コニーさん、僕の方は準備OKです」


「こっちも建物ゼンタイが見渡せるのでOKですよ! オネエちゃんに連絡を取りますね」


コニーさんはそう言うと、無線機に手を取り連絡入れる。


「こちらコニー、ジュンビが出来ました。オーバー」


『了解。俺達J班(※天野さん達)はお前達のところから左側の塀の裏にいる』


「左側の塀・・・・・・カクニンしました」


「僕も確認出来ました」


「こちらΑ班、天野達とは反対側にある資材置き場の裏にいる」


資材置き場の裏・・・・・・あ、いた。


「確認しました」


「私も確認をトれました」


『俺達B班は・・・・・・』


「正面のトラックの裏ですね」


『あ、ああ。そうだ』


さっきから見えていたので、探す手間がなかった。


「では、指示を出します。Cハンはそのまま進んでも大丈夫そうですが、建物の窓に注意しながら進んでクダさい」


『了解!』


「Jの方には、中央に停まっている車の近くに見張りの敵が1人立っています。他の敵はいないみたいなので、天野さん達の方で排除出来ますか?」


『確認をした。1人ぐらいなら俺達に任せろ』


そう言うと、天野さん達は敵に見つからないよう身を潜めながら、敵に近付いて行く。


「C班は・・・・・・運がワルいです。建物チカくに敵が3人話し込んで居ます。何とか出来ますか?」


『わかった。ちょっと待ってくれ』


C班はそう言ってから狙えそうな位置まで進むと、こちらに無線を飛ばして来た。


「こちらC班。青と赤の服を着た男達は狙えるが、もう1人は狙えない。そっちで何とか出来るか?」


「1番右のテキですね、ワタシの方で排除します。そちらの合図を下さい」


『わかったちょっと待ってくれ』


「風速毎時0.5m。ほぼ無風と言ってもいいです」


「情報ありがとう、シオン」


コニーさんはそう言うと真剣な顔付きになり、弾道計算をしているのか何かブツブツと言い始めた。


『準備が出来た。そっちは?』


「こちらも準備がデキました」


『それじゃあ3カウントで撃つぞ。3、2、1』


1のタイミングでコニーさんはトリガーを引き、弾頭を発射させた。そしてその発射された弾頭は男の頭を貫き、地面へと横たわらせた。

他の仲間が彼の無残な死を目の当たりにして驚いている中で、C班の人達が残りの人達を倒して行く。


『・・・・・・クリア』


「クリア。そのままススんでも平気です」


安全になったC班は進み、チーム全員が突入ポジションに着いたのであった。

こうして、本拠地に突入する準備が出来たメンバー達。果たしてこのまま無事に仕事を終われるのだろうか?

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