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ラブホの食事

従業員休憩所でみんな揃って

お茶していた時

「そろそろ食事作ってみようか」

店長がそんな事を言って来た

とうとう来たか……

料理をすること自体

嫌いではなかったのですが、

いざお客の口に入るものを作るとなると

色んな意味で不安がありました

ですが、

「作り方のマニュアルもあるし

大丈夫ですよ」

とにこやかに言われ、はい、と

答えるしかありません

調理の手順などはサボちゃんが

殆ど教えてくれました

実際やって見ると清掃より楽しい

と感じられました

うどんやラーメンやスパゲッティ、

カツ丼、天丼、ピラフにステーキ

スイーツの数々……

メニューに載っているものは

ほとんど作れるようになりましたが

自分で食べる事は一度もなかったので

味の方はよく分かりません

無責任と思われるでしょうが

味付けも盛り付けも

マニュアルにありますので

クレームが来ない所を見ると可

であったと思いたいです


このラブホでは、

無料で提供できるメニューがあり、

指定のものを指定の個数頼めます

よく出ていたのはたこ焼きとドリンク

サッと出来てサッと出せるからです

後は、泊まり客に朝食を無料で

提供していて

和食の魚は選べるし洋食の卵の焼き方

を指定出来ます

お客にサービスをしてあげたい、

サービスするから、ウチを利用してね、

というラブホ側のメッセージなので

初めてラブホを利用されて

無料メニューを見つけた時は

……気が引けてフロントに

連絡するのをためらわれる

シャイな方もいらっしゃるかも

しれませんが……

そこは、バンバン頼んじゃって下さい

だって無料なんだもの!

コチラも、え?無料なのに頼まないの?

という気構えでお待ちしております(多分)ので

お気軽にどうぞ。


さて、出来上がった食事を

運ぶわけですが

従業員用ドアを開けてお客用のドアの

横の嵌め込み式のミニテーブルを出して

そこに置き、

部屋のインターホンを押して

「お待たせしましたァ」

と声を掛け、速攻で従業員用ドアへ戻るのです

ここでお客とニアミスしないように

気をつけねばなりません


以前に、注文されたドリンクを持って

従業員用のドアを開けると、

目の前にデリヘルのお姉さんが

しゃがんでスマホをいじってました

ボーゼンとする私を見て

キャハハハーッと、明るい声で

笑ってくれたのを今でも覚えています

コレで我に返ったのですが

季節は夏

キャミソールに

ショートパンツ、厚底のサンダル、

とても若い方で、気さくに

ドリンクを受け取ってくれて

お客用のドアの中に消えて行きました

お客用のドアの鍵はフロントで

操作しているので

ドアの鍵が開いていなければ

こういうニアミスをする事もあるのです

また、全裸で腰タオルだけの

オジサマが食事を取りに

ドアの外に出ていたこともあります

片手でタオルを押さえ、

片手で食事の乗ったトレイを

受け取ってくれました

極力顔バレはしたくありませんが、

顔バレしてしまった時の

お客の清々しい位のおおらかな対応に

こちらも救われるという事を

感じられました


マニュアル通りの調理ですが、

調理する人によって少しずつ

個性なるものが出ちゃいます

調理する時間が長かったり短かったり

盛り方が雑だったり色々です

私は先輩従業員のする事に

いちいち文句を言うタイプではないので

全部は語りませんが

ある先輩従業員のカキ氷については

うわぁ〜コレ大丈夫?

と思ったことがあります

だって、カキ氷の一番上にかける蜜が

明らかに少ない……

1、2回ちょろちょろっと掛けただけの

カキ氷……

食べ進めると下の方は絶対に

氷だけになっちゃうよ?

他人のふり見てわがふり直せで

自分がカキ氷を作る時は

蜜をふんだんに掛ける事に

しました

その先輩従業員については

数多くの逸話がありますが

基本的に私とは合わなかったので

ある時を境に接触を避けました

そのことを書くと愚痴っぽくなるし

書いている私も

読んで下さっている読者の方も

不快この上ないので

ここでは書きません

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