008話 オーク危機一髪?と謎の時計
エスティライド生活5日目の朝だ。
今日も羊と薬草狩りから始めよう。隊商の到着も昼前ぐらいだろうから、羊の納品は間に合うはずだ。
テッドに挨拶をして、森を抜けて草原に出る。今日のスリーピングワープシープは16匹のようだ。いつものように狩っていくが、魔法ではなく短剣でしとめて、暗殺者らしい。あっという間に狩りが終わる。暗殺術と不思議なアイテムボックスは便利だ。薬草類もいつものように収穫し、結果、回復草1172本、吸魔草945本、毒消し草138本、月見草130本、復活草15本、毒草175本、痺れ草120本、睡眠草108本だった。テッドの不思議そうな目を横目にギルドへと向かっていく。
「アイシャさん今日も羊狩ってきました」
「カナタ様はDランクに上がられたのでもうptは付きませんよ」
「構いませんよ、これが今日の分です」
16匹分の角とギルドカードを提出する。
「16,000ガルと隊商がもう来ますので依頼消去しますね」
1金貨と60銀貨、ギルドカードを受け取る。
素材カウンターに行き肉と毛皮を換金する。
「48.000ガルじゃ、ほれ」
4金貨と80銀貨を受け取る。
何かいい依頼はないかなと依頼ボードを探る。
これはいいんじゃないかな。
オークの群れの討伐
依頼難度:Dランク
達成条件:オークの鼻を納品
達成期日:出来るだけ早く
報酬:オーク 討伐5体毎に10000ガル、pt2
備考:オークキングがいる恐れ有り。
よし、これにしよう。
「アイシャさんこの依頼お願いします」
「オークキングがいる恐れが有るので注意してくださいね」
「はい、気をつけます」
村の中央の方が騒がしい、どうやら、商隊がやって来たようだ。掘り出し物が有るといいのだが。とりあえず向かう事にする。
なんと、探していた時計が売っていた。5金貨と高価であったが買うしかないだろう。何点か手に取って鑑定するが、めぼしいものは無い。
ふと、棚の奥に目を移すと古びた時計があった。鑑定してみると声を上げそうになった。
壊れた懐中時計(永久不滅のクロノグラフ)
レア度:ノーマル(レジェンド)
状態:故障(魔力枯渇)
説明:ただの時計(意志を持ったクロノグラフ、破壊不能)
「すみません、この時計動かないみたいなんですけど、売り物ですか?」
「ああ、一応な、どこの魔導具屋でも直せなかったんだ。デザインはいいから観賞用として金貨1枚でどうだ」
「じゃあ、あとミスリル製の剣とローブと篭手、ナックルダスターと靴で全部で70金貨でいかがですか」
「それだけ買ってくれるなら時計の分はおまけだ70金貨でいいぞ」
「ありがとうございます」
そういって70金貨を支払う。
「毎度あり」
買ったものをアイテムボックスに仕舞おうとするが、時計だけは仕舞えなかった。仕方ないので時計はポケットにいれ、依頼のため東の入り口から外に出る。人気の無いところに行き、ミスリルの装備に換え、隠蔽系スキルを発動し、ワープでオークの群れがいる森に向かった。
森に着いたらオークであふれかえっていた。ちなみにステータスはこんな感じだ。
オーク♂
レベル:20
HP:800/800
MP:100/100
STR:170
VIT:160
DEX: 35
INT: 20
AGI: 45
LUC:---
パッシブスキル
《棒術Lv5》《剛腕Lv6》《絶倫Lv10》
アクティブスキル
《狂化Lv7》
パワーと体力はあるがスピードは遅く、察知系のスキルも持っていない、暗殺術の格好の餌食だ。今日は格闘で屠っていこう。
回し蹴りが延髄に決まる、正拳突きが胸にヒットする、その度にオークたちは絶命し、アイテムボックスに格納されていく、もう何百匹倒しただろうか。ノーマルオークの群れを全滅させた頃、槍を持ったオーク10匹と、二まわりほど大きな体の、斧を持ったオークがいた。
オークナイト♂
レベル:25
HP:1000/1000
MP:250/250
STR:220
VIT:200
DEX: 85
INT: 50
AGI:120
LUC:---
パッシブスキル
《槍術Lv7》《剛腕Lv7》《俊足Lv7》《気配察知Lv7》《絶倫Lv7》
アクティブスキル
《狂化Lv7》
オークキング♂
レベル:20
HP:1500/1500
MP:500/500
STR:250
VIT:300
DEX:100
INT: 75
AGI:100
LUC: 46
特殊スキル
《スーパーアーマー》
パッシブスキル
《斧術Lv8》《剛腕Lv8》《身体強化Lv8》《金剛身Lv8》《直感Lv8》
《絶倫Lv10》
アクティブスキル
《重撃Lv8》《咆哮Lv8》《威圧Lv8》《統率Lv5》《指揮Lv5》《狂化Lv10》
キングの持つ《直感》が気になるがまずはオークナイトから仕留めていこう。突きと蹴りでオークナイト10匹は問題なく仕留められた。最後はキングだ。大きいのでワープで背後から首を狙って突きを繰り出す、が、躱された。
ワープで距離を取る。気付かれたのは、やはり《直感》だろう。となると暗殺術では仕留められない、正攻法で行くしかない。ミスリルソードを抜き、魔力と気力を全身と武器に纏わせる。固そうなので、これくらいしないと攻撃が通らないだろうと思ったからだ。突撃から一気に袈裟切りで、膝を斬りつける。すると、いとも簡単に脚を切り飛ばせた。
ずしんとオークキングが倒れる。毒、麻痺、睡眠攻撃を発動していたため、毒に冒され、しびれながら眠っている。このまま放っておいても、やがて、死に至るだろう。
せっかくなので実験してみる。まずは普通の状態で斬りつける、弾かれてしまう。次は魔力を纏って斬りつける。すこし、切り裂く事が出来た。最後に気力を纏って斬りつけると両方纏った時ほどではないがざっくりと斬れた。
放置するのも忍びないので、魔力と気力を纏い首を落としてあげた。よく考えれば魔法で良かったのではないかと思った。
終わったので、さっさとワープで帰る事にする。途中、見逃していたのか、2匹オークを見かけたので仕留めた。これでちょうど、430匹だ。東の入り口を抜けギルドにたどり着いた。
オーク系モンスターを100匹以上倒したので、オークキラーの称号を手に入れていた。
オークキラー
オーク系モンスターに+50%ダメージ
「アイシャさん、依頼完了受付お願いします」
ギルドカードと討伐部位の鼻を出す。
「カナタ様、早かったですね、大した事なっ、えっ、この数にキングまで。カナタ様、あなた何者ですか?」
「ただの冒険者ですよ」
「スリーピングワープシープも簡単に狩ってくるし、短時間でオークキング率いるオークの群れを撃退するし、カナタ様は規格外という事で、もう驚かない事にします。まず、報酬ですが通常のオークが430匹で860,000ガル、オークナイトが1匹当たり20,000ガルで200,000ガル、オークキング100,000ガルで合計1,060,000ガルです。貢献度ですがまずオーク250匹分で100ptになりCランクに上がります。残りの180匹分はpt半分で36pt、オークナイトが40pt、オークキングが20pt、全部で96ptになります」
1白金貨と6金貨とギルドカードを受け取る。
「ありがとうございました」
素材カウンターのジーベックさんのところへ行く。
「今日は量が多いんですが、どうしましょうか?」
「ああ、そうじゃな、この部屋に直接入れてくれ。自動で計算してくれる」
オーク肉x440、スチールメイスx430、ミスリルランスx10、ミスリルアーマーx11、オークキングの肉、オークキングの肝、オークキングの睾丸、オークキングの斧を入れていく。
「オーク肉が1つ1,000で440,000、スチールメイスが1つ1,500で645,000、ミスリルランスが1つ200,000で2,000.000、ミスリルアーマーが1つ250,000で2,750,000、オークキングの肉が10,000、オークキングの肝が50,000、オークキングの睾丸が1,000,000、オークキングの斧が500,000全部合わせて7,395,000ガルじゃ」
50銀貨を渡して7白金貨と40金貨を受け取った。
お昼をもう過ぎていたので、ご飯を食べる事にした。メニューは、スリーピングワープシープのステーキ定食だった。カイゼルさんの腕と、素材自体のうまみが合わさって格別の味だった。依頼は無くなったが、今後の食材用に明日からも狩り続けようと思った。
隊商に行き、朝は必要なものだけ買って、よく見なかったので、掘り出し物が無いかチェックしていく。まずは、服などの日用品の確保だ。買い忘れていたミスリルショートソード、ミスリルシールドも購入する。使わなくなったスチール製の武具を売って日用品と調味料の代金にする。ミスリル製武具は35金貨支払う。掘り出し物は朝の時計だけのようだ。
今から依頼を受けるのも、中途半端なため訓練場で訓練する事にした。
「訓練場4時間空いてますか?」
「空いてますよ。400ガルです」
4銀貨を渡す。
魔力と気力を纏って格闘術の訓練をする。威圧もかけながら突撃やワープも交えつつ4時間みっちりと訓練を行った。新たに《魔闘気》を覚え、体術、格闘術、威圧、突撃、ワープのレベルも上がった。
いつものように、夕食と風呂を済ませ部屋に戻った。ちなみに夕食はスリーピングワープシープのシチューだった。
しばらく忘れていた魔核の合成を行う。ゴブリン、スリーピングワープシープ、オークなどの低級魔核をコンポジットで合成し中級魔核6個と低級魔核「62/100」を得た。さらに、オークナイトの魔核と中級魔核を合成し、中級魔核「16/100」を得た。
さて、朝購入した永久不滅のクロノグラフであるが、状態は魔力枯渇状態となっている。よって、魔力を注入する事にした。30分過ぎてMP10,000注いだ頃だろうか時計が輝き出し、古びた状態からまるで新品のような状態になり正確な時刻を刻み始めた。
時計が使えるようになった満足感と魔力不足からそのまま眠りについた。
こうして、エスティライド生活の5日目が終わった。
(今回のマスターはどんな人かな?)
オークキラー
オーク系モンスターに+50%ダメージ
カナタ ミサキ
種族:人間
性別:男
年齢:25
職業:暗殺者
レベル:29
HP:800/800
MP:950/950
STR:155
VIT:160
DEX:160(192)+20%
INT:190
AGI:155(186)+20%
LUC:999
8,350,368ガル
スキル
特殊スキル
《時空魔法適合》《スーパーアーマー》"new"
パッシブスキル
《体術Lv8》《格闘術Lv8》《剛腕Lv8》《俊足Lv8》《身体強化Lv8》
《魔闘気Lv8》《金剛身Lv8》《直感Lv8》《絶倫Lv10》"new"
《短剣術Lv8》《槍術Lv8》《棒術Lv7》《斧術Lv8》《植物察知Lv7》"up"
アクティブスキル
《重撃Lv8》《咆哮Lv8》《威圧Lv10》《統率Lv5》《指揮Lv5》《狂化Lv10》"new"
《突撃Lv8》《ワープLv8》《MP回復Lv4》"up"
称号
《時空神の加護》《オークキラー》"new"