028話 秘密の共有
リンカの成長譚になってる気が。
(おはようございます、カナタ、カレン)
(おはよう、クロノ、カレン)
(おはよう、クロノ、カナタ)
エスティライド生活22日目の朝だ。
朝のお稽古をする。していると、カレンから提案が有った。
「リンカには、私たちの秘密話した方がいいと思うの。やっぱり、これから一緒に暮らすのだから、信頼関係は大事でしょ」
「だから、秘密はなしにするのか。確かにリンカの秘密、一方的に知っているようなもんだもんな」
「カレンは大丈夫なのか、次期妖精女王の事話して」
「カナタも大丈夫?異世界転生者だって話して」
「リンカなら大丈夫、口滑らせたりしないよ、カレンもそう思ったんだろ」
「ええ、それに、もっと仲良くなりたいなって思ってね」
「リンカ、また、びっくりするんだろうな」
「まあ、でもこれでびっくりするような事は無くなると思うわよ」
「確かに、これ以上びっくりする事は無いだろうな。ついでに、妖精女王に祝福頂いてびっくりさせようか?」
「ふふふ、それいいわね、リンカのびっくり顔が楽しみよ」
リンカに秘密を打ち明ける事を決め、朝のお稽古は終わった。VIT、DEXが1上昇した。
コンコン、リンカの部屋をノックする。
「カレンよ、リンカお話が有るの、準備出来たら私たちの部屋に来て」
「はい、分かりました」
しばらくして、リンカが僕らの部屋にやって来た。
「リンカ、話と言うのはね、私たちの秘密についてなの。これから、一緒に暮らす事になる訳だから信頼関係って大事だと思うの。だから、私たちだけがリンカの秘密を知ってたら良くないと思ってね。じゃあ、今からいろいろびっくりすることが起きるわよ、覚悟してね」
そういうと、カレンは妖精魔法を僕とリンカにかけ、自身は巨大化を解き、隠
していた羽をあらわにする。
「あれ?周りが大きくなって、カレン様に羽が生えて?」
カレンは僕ら二人の手を取り、テレポーテーションで妖精の里に移動する。
「カレンお姉様とカナタ様よ」
「新しい人間も居るわ」
「妖精さんですか?」
「リンカ、ここには温泉が有るの、そこでゆっくり話しましょう」
混浴だ、男のロマン混浴だ。だが何かおかしい、先に入ってと言われる。仕方ないので先に入って待ってると、湯浴み着を着た二人が入って来た。
湯浴み着だと、そんな高度な物は前無かったぞ。いつの間に出来たんだ。
(カレン、何故裸じゃないんだ?)
(それは、リンカが居るからよ。)
(前はそんな湯浴み着なんか無かったじゃないか。)
(カナタが来るようになるから頼んでおいたの。)
(そうなんだ。)
(カナタどうしたのなんか落ち込んでるけど。)
(気のせいだよ、それよりリンカに話してあげなきゃ。)
「リンカ、落ち着いた?」
「はい、とてもいい温泉ですね」
「リンカ、私がどういう存在だか分かる?」
「妖精さん?ですか」
「半分正解かな?私ね、次期妖精女王なの」
「え、次期女王様!ミリアリア様と同じですね」
「そうね、ミリィと同じね、女王になるのは大分先になるけど。それとね、カナタは、異世界転生者なの」
「異世界転生者って、カナタ様は勇者様なんですか?」
「勇者じゃないわよ、でも私にとっては勇者かな?」
「じゃあ、お二人はなんであんなにお強いのですか?」
「それは、カナタが世界神から貰った特殊スキルのせいよ。不思議なアイテムボックスって言って、格納した魔物やアイテムのスキルを、自分の物にする事が出来るの。私もカナタとリンクし合ってるから、その恩恵が得られたの」
「世界神!カナタ様は凄いんですね、昨日、ゴブリンが自動的に格納されてたのも、もしかして」
「そうよ、不思議なアイテムボックスの効果よ、自動収集、自動解体の効果が有るの、消し炭になってても、素材が採れるのよ、不思議よね。他にも4つ特殊スキルが有るけど、まあ、それはそのうちにね」
「いいんですか、私に、こんな大事な秘密しゃべって」
「あら、リンカは誰かに言いふらすの?」
「そんな事はしないですけど…」
「私たちとリンカの関係に秘密が有っちゃいけないと思ったのよ」
「こんな、私を信頼してくださってありがとうございます」
「リンカ、そんなに自分を卑下しちゃあだめよ、もっと自信持たなくちゃ」
「はい、頑張ります」
「じゃあ、もう出ましょうか。連れて行くところが有るの」
そういって、二人は出て行った。リンカまたびっくりするんだろうな。
「じゃあ、僕は温泉水を汲んでおきますか」
帰って来た二人はうれしそうな顔をしていた。
「はい、魔力温泉水」
二人に魔力温泉水を渡す。
「うわー、ほんとに昨日の2倍増えてます」
「クロノの加護も付けてもらうか」
(クロノ、リンカにも加護付けてあげてくれ)
(カナタ、そんなに軽々と加護を付けるのは)
(いーじゃん減るもんじゃないし)
(はい、分かりました、加護付けておきましたよ)
(ありがとうクロノ)
(リンカ様初めまして、クロノと申します)
「えっ、何?誰?」
「このクロノグラフに宿ってる時空神の分霊クロノだよ」
「時空神の分霊!!」
(左様でございます、リンカ様、心の中で念じていただければ話が出来ます)
(時空神の分霊さんなんですね、私の事はリンカで構いません、クロノさんと呼んでも構いませんか?)
(はい、リンカ、それで構いません、カナタの要望により加護をお付けしておきました、ご確認ください)
(こんな、凄い加護をありがとうございますクロノさん)
「やったね、リンカ、これでもっと強くなれるよ」
「はい、ありがとうございます、カナタ様」
「じゃあ、戻ろうか」
二人の手を取り、テレポーテーションで、宿の部屋に戻る。
3人とも人間サイズに戻り。大食堂へと向かう。朝食を食べ、デザートコーナーに向かう、また量が増え、元の7倍になっていた。しかし、二人の前には無意味で、デザートコーナーは壊滅した。
今日も、西の森に向かいゴブリン狩りを行う。昨日、教えたスキルに加え、気配遮断、魔力遮断、忍び足を教える。スキルのレベルが上がったので、次々にゴブリンを倒していく、120匹倒したところで、レベル10になった。
ゴブリンを100匹以上殺したのでゴブリンキラーの称号をリンカは得た。
さっそく、ファーストジョブを取得するために、ギルドへ戻る。リンカが帰って来た、武神のジョブが取得出来たようだ。
「凄いです、スキルがいっぱいです」
ちょうど、お昼になったので、昼食に向かう、デザートの量は8倍になっていたが、全部食べ尽くした。
昼食を食べ終えたので、午後の狩りに出かける。刀を2振り装備させ、まず、刀術を、続いて十字飛剣、飛剣乱舞、魔法剣、居合い切りを覚えさせた。ダッシュ、ステップ、ジャンプを同時に発動させるイメージをさせる事で、縮地を覚えさせた。
それにしても、おかしい、ゴブリンしか居ない。ホーンラビットの一匹も居てもおかしくないのだが。途中、薬草が有ったので、二人に植物察知のスキルを教えた。ついでに採取もしておく。森の中のゴブリンを全滅させた。
だが、まだゴブリンは居るようだった、森を抜けた先に洞窟の反応があり、そこに、たくさん居るようだ、少し大きな気配がする者が奥に控えているようだ。ゴブリンキング辺りだろうか、まあ、でも、今のリンカならゴブリンキングくらい問題ないだろう。
洞窟の中を進む、中はゴブリンだらけだ、リンカは魔法で次々とゴブリンを倒していく、そして、最深部に着いた。ゴブリンキングとゴブリンクイーンだ。取り巻きに、ゴブリンナイト、ゴブリンメイジ、ゴブリンプリーストが居る。
「リンカ、一人でいけるな?」
「はい、一人で大丈夫です」
ウィンドカッターを多重詠唱して、ゴブリンプリーストから倒していく、次は、ゴブリンメイジ、ゴブリンナイトだ、ゴブリンキングも危うげ無く倒し、ゴブリンクイーンにも、とどめを刺す。
奥に卵が有ったので焼き尽くすように指示した。風属性魔法で換気しながら、燃やしてく、1000個くらいは有っただろうか、卵はすべて焼き尽くされた。
今日の戦果はゴブリン1550匹、ゴブリンナイト10匹、ゴブリンメイジ5匹、ゴブリンプリースト5匹、ゴブリンキング、ゴブリンクイーン、ゴブリンの卵1134個だった。それとゴブリンキングからブラッドソードを手に入れた。
ブラッドソード
レア度:スーパーレア
状態:良好
説明:斬りつけると、HPとMPを吸収する。
これからはHP吸収攻撃、MP吸収攻撃を覚えた。
そして、リンカは、ゴブリンを1000匹以上倒したので、ゴブリンバスターの称号を手に入れていた。
ゴブリンバスター
ゴブリン系モンスターに+75%ダメージ
ゴブリンの巣を全滅させたので、帰る事にした。
「ゴブリン退治して来たので確認お願いします」
ギルドカードとゴブリンの右耳を渡す。
「こんなにたくさん!、ゴブリンキング、クイーンまで。すみません、2階までお越し下さい」
2階の部屋に案内される。
「ギルドマスターを呼んで来ますのでお待ちを」
しばらくすると、ギルドマスターが現れた。
「ゴブリンの巣が出来ていたようじゃな」
「はい、そうみたいです」
「御主らで全滅させたのか?」
「いいえ、全滅させたのはこの、リンカ一人の力に依るものです」
「うむ、確かに、討伐数と右耳の数が一致しておるな」
「SSランク冒険者が退治したなら問題なかったが、駆け出しの、Gランク冒険者がこれをやったとなると、考えねばならんな。よし、分かった、リンカ殿、御主は今日からCランクじゃ、上級昇格試験もすぐ受けられる状態にしよう」
「え、いきなり、そんなに上がるんですか?」
「それだけの事を御主はしたのじゃ、さすがは、師匠達がSSランクじゃな。報酬じゃが、ゴブリン1,550体で31,000、ゴブリンナイト10体で1,000、ゴブリンメイジ、ゴブリンプリースト計10体で、2,000、ゴブリンキング、クイーン1体ずつで4,000、全部で38,000ガルじゃ」
リンカは青になったギルドカードと3金貨と80銀貨を受け取る。
「ありがとうございます」
部屋を出て、素材カウンターへ向かう。
「素材の買い取りお願いします」
「昨日の嬢ちゃんじゃないか、ゴブリンの巣潰したんだってな。量が多いだろうから、そっちの計測部屋に入れてくれ」
リンカはマジックバッグ収納力大から、素材と武具を出していく。
「ゴブリンの肉が1,550で15,500、ナイト肉が5で250、メイジ、プリーストの肉が計10で1,000、キング、クイーンの肉が計2で2,000、スチールソードが590で1,180,000、スチールメイスが500で750,000、スチールショートソードが500で750,000、スチールスピアが5で10,000、スチールスタッフが10で15,000、スチールアーマーが1,605で4,062,500、スチールシールドが1,595で2,392,500、ミスリルアーマーが250,000、ミスリルシールドが150,000、合計9,578,750ガルだ」
リンカは9白金貨と57金貨と87銀貨と50銅貨を受け取った。
「こんなに貰っていいんですか?」
「リンカが倒して得た素材だ、全部リンカの物だよ」
さらに、レベルが30になったので、セカンドジョブが取れるようになった。アサシンを取ってもらう事にした。
受付で上級昇格試験の申し込みを行う。
「すみません、上級昇格試験の日程教えてください」
「ちょうど、明日の8時にここに集合のが有ります」
「じゃあ、それでお願いします」
リンカはギルドカードを渡す。
「はい、では、明日の8時に遅れないように集合してください」
リンカはギルドカードを受け取る。
「はい、ありがとうございました」
「時間有るから帰って訓練しようか」
「ええ、そうしましょう」
部屋に戻り訓練を行う、いつもの様に、重力下のダッシュトレーニングとカレンとリンカへのスキル指南だ。
カレンは、何とか時間の概念が分かって来たようで順調に時空魔法のレベルを上げていく。同時に妖力、竜力、鬼力の操作、遮断、察知を訓練する。
リンカは、隠匿、罠察知を発動しながら、罠設置、罠解除を繰り返す、分身して宝箱を解錠、施錠、さらにもう一体は自分に毒攻撃で、毒耐性を付けていく。
訓練の結果、僕はSTR、VIT、DEX、AGIが3ずつ上昇した。カレンは、時空魔法レベル8、妖力、竜力、鬼力の操作、遮断、察知をレベル5まで上げた。リンカは、すべてレベル10まで上がった。
晩ご飯の時間になったので、大食堂に行く、食事を食べデザートコーナーに行くと、また増えて元の9倍になっていた。だがまだ余裕が有るので、全部頂いた。
食後の訓練だ、引き続き僕とカレンは同じ訓練を行う、リンカには、鬼気、竜気、妖気を教える事にした。僕とカレンがリンカに鬼力、竜力、妖力を流し込んで行くリンカにはそれを感じ取って自分の物にしてもらうようにする。
訓練の結果、僕はSTR、VIT、DEX、AGIが6ずつ上昇した。カレンは、時空魔法、妖力、竜力、鬼力の操作、遮断、察知をレベル10まで上げた。リンカは、最後の方で何とか各気を身につけ、武神の効果でレベル10になった。
リンカを部屋に戻し、夜のお稽古である。10回戦行い、VIT、DEXが12ずつ上昇した。
魔核を合成する。合成した結果、下級魔核「99/100」、中級魔核「34/100」、上級魔核「67/100」、特級魔核「67/100」を得た。
魔核合成も終了したので、就寝する。
こうして、エスティライド生活の22日目が終わった。
リンカの称号
《ゴブリンバスター》"new"
ゴブリン系モンスターに+75%ダメージ
カナタ ミサキ
種族:人間
性別:男
年齢:25
職業:暗殺者|武神|創造者
レベル:53
HP:2,460/2,460
MP:2,310/2,310+100,000
STR:325(487)+50%
VIT:394(492)+25%
DEX:391(664)+70%
INT:370(462)+25%
AGI:326(472)+45%
LUC:1,199
1,007,415,831,461ガル
スキル
特殊スキル
変化なし
パッシブスキル
変化なし
アクティブスキル
《HP吸収攻撃Lv10》《MP吸収攻撃Lv10》"new"
称号
変化なし