026話 城内午餐会と犯罪の後始末
お城でお昼ご飯。
メニューは適当に拾って並べました。
おかしなコースになってるかも。
「ここで、昼食を摂るのよ」
案内された部屋には、あの、長い机が有った。案内された席に座り、しばらくすると王様が現れた。
「お父様、おーそーいー」
「すまん、すまん、会議が長引いてな」
「じゃあ、みんな揃ったから、料理持って来てもらうね。料理出してちょうだい」
次々と料理が運ばれてくる、フランス料理方式のようだ。
「アミューズブッシュのパンナコッタでございます」
「オードブルはフォアグラのポワレでございます」
「スープはコーンポタージュでございます」
「魚料理は舌平目のボンファムでございます」
「ソルベのイチゴのソルベ、ブリオッシュ添えでございます」
「肉料理はスリーピングワープシープのグリエでございます」
「サラダは季節のコンビネーションサラダでございます」
「チーズの盛り合わせでございます」
「プティフールのエクレアとエスプレッソでございます」
「デザートはバニラアイスとチーズケーキでございます」
すべてのコースが終わった。終始無言だった。王妃でも居てくれたら、話が盛り上がったんだろうが、王妃は既に亡くなって久しい。王が口を開いた。
「カナタ殿、カレン殿、料理はどうでしたかな?」
「大変、美味しくいただきました」
「とても、美味しかったですわ」
「それはよかった。そう言えば、こうしてゆっくり話をする機会は初めてですな」
「そうですね、謁見という形でしかお話ししてないですね」
「そうなんじゃ、今回は娘を助けてもらった父親と言う立場で話がしたい。まずは、自己紹介じゃな、余はグリフィズ=ランバルディア=ランカスターじゃ、グリフと呼んでもらって構わん」
「さすがに呼び捨てはしづらいので、グリフ陛下と呼ばせていただきます」
「私もグリフ陛下と呼ぶわ」
「うむ、仕方ないか、二人は今まで通り、カナタ殿、カレン殿と呼ばせてもらおう」
「はい、それで構いません」
「同じく、構わないわ」
「それでは、改めて、娘を救ってくれてありがとう。二人には感謝しても感謝しきれん」
「もう十分に、感謝の意はいただいております。頭をお上げください」
「こうしないと私の気が済まんのだ、止めんでくれ。己の娘の苦しみも理解せず、反王女派にも命を狙わさせてしまった、何も出来ない愚かな、父親だ、それを救ってくれた二人には、こうせんと気が済まんのだ」
「グリフ陛下…」
「ミリィが無事で本当に良かった、あの悪魔から解放されて本当によかった。ミリィはわしの宝じゃ、それを守ってくれたのだ、本当に感謝する」
やっと、頭を上げてくれた。
「僕たちも良かったです、ミリィと友達になれて、そして、その友達の悩みを解決してあげられて、ミリィは僕らの大切な親友です」
「そうか、親友か、これからも仲良くしてやってくれ」
「「はい、もちろんです」」
「二人とも、親友だなんてとてもうれしいですわ。お父様、二人とも凄いんですよ、光の間で力を授かったのですよ」
「なんと、伝承は本当じゃったのか、して、どのような力を授かったのじゃ?」
「光属性魔法の最高位を授かったのですよ。それだけじゃありませんの、火と闇も最高位まで解放されていて残りの3属性もレベル9なんですよ」
「なんと、それが本当なら、今困っている問題を、解決出来るやもしれん」
「問題って何ですの?」
「あの悪魔が囲っていた少女達を救出したのじゃが、皆、部位欠損がヒドくてな、通常の回復魔法ではお手上げじゃったんじゃ。じゃが、光属性魔法の最高位となると話は別じゃ、リザレクションなら、部位欠損も回復出来るはずじゃ」
「二人とも、手を貸してくれるかのう?」
「もちろんです」
「そうなれば、早く行った方がいいわね。保護した子達は、今どこに居るのかしら?」
「この都の、教会に預かってもらっておる」
「では、今すぐにでも向かいましょう」
「わしはこれから執務があるでの、ミリィ、案内を任せたぞ」
「はい、分かりましたお父様、二人を案内してきますわ」
「では、行って参ります」
「頼ってばかりですまんの、よろしく頼むぞ」
「「はい」」
ミリィの案内で教会へと向かう。そこには酷い有様が広がっていた。
手足を切り落とされたもの、目玉が無くなっているもの、五体満足な者は一人としていなかった。切り口はやけどの跡が有った。隷属の首輪で従わせているのだから、暴力に訴えずとも、命令を聞かせる事は出来ただろうに、あえて、あの悪魔は暴力的行為で言う事を聞かせていたようだ。
僕らは素早く治療に取りかかる、体だけでなく心の治療もだ、リザレクションで体を復元させ、妖精魔法で記憶を改ざんする。隷属の首輪も外す。隷属魔法は一種の呪いだ。真実の魔眼で呪いを解き、隷属の首輪を外していく。
やがて、保護された12人の治療が終わった。これで、何とか普通の暮らしが、出来る事だろう。
「カナタ、カレン、お疲れ様」
「何とか治療自体は済んだけど、これからの事を考えるとどうなるか」
「それは、まかしてちょうだい、国営の孤児院できっちり世話をするから」
「そうか、それなら安心だな」
騎士がミリィに駆け寄り、耳打ちをする。
(姫様、例の2人組を捕まえました、出来れば本人に確認して欲しいのですが?)
「リンカ、あなたを苦しめた、2人組が捕まったそうよ、確認してもらいたいそうなんだけど、大丈夫かしら」
「はい、大丈夫です、会わせてください、あの二人に」
「では行きましょう」
騎士の案内で、騎士団の詰め所に案内される。
「証言を元に逮捕した、ジェイ、ジョン兄弟です。間違いないですか」
「はい、間違いありません、この二人です」
「おいおい、半獣人の分際で楽しませてやったのを忘れたのかよ」
「だまれ」
威圧と殺気で黙らせる。
「これで、確認は十分でしょう、行ってもいいですか?」
「ご協力ありがとうございました、行ってもらって構いません」
「じゃあ、行きましょう」
カレンはリンカの手を取り、詰め所を出て行く。
「リンカ、よく頑張ったわね」
リンカは詰め所であの2人組に会った時から震えていた。
「これで、確実にあの二人を処刑する事が出来るからね、安心して」
「はい、姫様ありがとうございます」
「じゃあ、お城に戻りましょうか」
「ええ、そうしましょう」
みんなでお城に帰って来た。
「みんな、私はこれから公務があるからここでお別れね。二人ともいつでも遊びに来てね」
「時間が出来たら来るよ」
「本当に警護が必要な時は言ってね、近衛騎士としての仕事するから」
「じゃあ、後はレイアに任せるわね」
「はい、分かりました、ミリアリア様」
と言う事で、リンカの退職の手続きが始まった。
「では、本日を以て、正式に退職をすると言う事で、退職金をお渡しします」
リンカが正式にお城から退職する事となった。
「では、こちらが退職金の1白金貨です」
「私、こんなにいただけません」
「こちらは、姫様から、苦しんでいるのを助けられなかった分として、預かっております、姫様の気持ちを無駄にしないでください」
「姫様も苦しんでいたのに」
「だからよ、同じ者に苦しめられたから気持ちがわかるのよ」
「さあ、受け取ってください」
「分かりました」
リンカは白金貨を受け取った。
「じゃあ、後は荷物の引き取りね。行きましょう」
リンカの部屋に着いた。女性物なので、カレンのアイテムボックスにしまっていく。
「リンカさん、今までご苦労様でした。あなたは、今まで、よく働いてくれました。これからは、お二人のために働くように。今までありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました」
こうして、僕たち3人は城を後にした。
「二人で買い物でもしてきなよ」
「ええ、わかったわ」
僕は、10金貨をカレンに渡す。
(リンカの気持ちを紛らわせてやってくれ。)
(ええ、わかったわ。)
こういう時、男は何もする事が出来ない。
僕はもやもやした気持ちをはらすため、ギルドに足を運んだ。
石化モンスターの討伐
依頼難度:Bランク
達成条件:ギルドカードで確認
達成期日:至急
報酬:コカトリス、バジリスク、ゴルゴン1体につき10,000ガル、pt1
備考:大量発生しているので、事前に石化耐性薬か現地に生えている
ヘンルーダ草を摂取する事。
「この依頼、お願いします」
依頼票とギルドカードを渡す。
「石化対策は大丈夫ですか、今まで、多くのパーティーが石になって、発見されています、気をつけてください」
ギルドカードを受け取る。
その足で、モンスターが出没しているという、東の草原へ向かった。
草原には大量のモンスターと多くの石像が有った。モンスター達には悪いがストレス発散に付き合ってもらう。
片っ端からモンスターを片付ける。コカトリスの攻撃はもちろん、バジリスクの石化光線も、ゴルゴンの石化ブレスも、攻撃される前に、次々と切り伏せていく。
コカトリスからは石化攻撃、バジリスクからは石化光線、ゴルゴンからは石化ブレスのスキルを覚えた。全部で1254体倒した。
それから、石像になっている冒険者達をキュアストーンで直していった。
「ここらの魔物は全滅させたから、ヘンルーダ草は仲良く分けて採集するように」
ヘンルーダ草の採取も依頼に有ったが他の冒険者達に譲った。ストレスの発散がしたかっただけなのである。
「依頼完了したので、確認お願いします」
ギルドカードを渡す。
「はい、全部で1254体っ!さすが、SSランクですね」
「12,540,000ガルお渡しします」
12白金貨と54金貨とギルドカードを受け取る。
素材カウンターにいき素材を売る。
「悪いな、石化モンスターは耐性が無いと食べると石化しちまうもんで、安いんだ、全部で、12,540ガルだ」
1金貨と25銀貨と40銅貨を受け取る。
宿に戻ると二人にばったり出くわした。
「どうだった、気分転換になった?」
「ええ、買い物っていいわね」
「気分が晴れました」
「それはよかった。二人とも、新しい洋服、似合ってるね、奇麗だよ」
「ありがとう、カナタ」
「奇麗だなんて、うれしいです」
「みんな揃ったし、ご飯にしようか」
「ええ、そうしましょう」
「はい、分かりました」
僕たち3人は受付で鍵を受け取り、大食堂へ向かう。
「お昼は緊張したね」
「そうね、終始無言だったし」
「私は、味を覚えていません」
「ここで、ゆっくり食べるのがいいよね」
「そうね、デザートも少なかったし」
「私はもうこりごりです」
そんな事を話しながら、料理を食べ進む。いよいよデザートの順番だ。
「また、増えてるわね」
「そうだね、サービスがいいね」
そう言いながら、全部かっさらっていく。いつものように、リンカは一つだけ食べ、二人は全部を平らげた。
食事が終わったら、訓練の時間である。今日からはリンカも一緒だ。時空魔法で訓練用亜空間を作ったらリンカがびっくりしていた。
「わっ、何ですかこれ?」
「亜空間だよ」
「亜空間?」
「もう一つの世界って言ったらいいかな?」
「???」
「広い部屋が有ると思ってくれたらそれでいいよ」
「んー、まだよく分かりませんがこの中で訓練をするんですね」
「ああ、そうだよ、この中だと、元の部屋に影響が無いからね」
僕はいつものように重力下のダッシュトレーニングを行いながら、分身でカレンとリンカにもスキル指南を行う。リンカにはカレンも分身でスキル指南を行う。
分身にはリンカがまた驚いていたが、スキルというとすぐ納得してくれた。
カレンは時空魔法のレベル上げでつまづいていた。空間、時間のイメージが上手く出来ないのだ。それでも何とか、レベル5の空間系統までは覚えた。
リンカは二人掛かりのスキル指南で水、火、風属性魔法がレベル5まで上がった。途中MPが切れそうになったときは、MP回復を使った。
良い時間になったので訓練を切り上げる事にした。STR、VIT、AGIが4、DEXが6上昇した。
リンカを部屋に返し、夜のお稽古を始める。
「ちょっと今日のカナタ、乱暴じゃない、キライじゃないけど」
「あ、ごめん、昼間あんな事が有ったからさ、まだイライラしてるみたい」
「そうなんだ、ちょっと乱暴でも構わないわ、私が受け止めてあげる」
「ありがとう、カレン、愛してるよ」
ちょっと激しめに、8回戦、夜のお稽古を行った。VITは10、DEXは8上昇した。
寝る前に魔核の合成を行う。上級魔核「64/100」、特級魔核「67/100」を得た。
こうして、エスティライド生活の20日目が終わった。
カナタが珍しくイラついています。
カナタ ミサキ
種族:人間
性別:男
年齢:25
職業:暗殺者|武神|創造者
レベル:53
HP:2,210/2,210
MP:2,185/2,185+100,000
STR:310(465)+50%
VIT:354(442)+25%
DEX:347(589)+70%
INT:350(437)+25%
AGI:311(450)+45%
LUC:1,199
1,007,415,831,461ガル
スキル
特殊スキル
変化なし
パッシブスキル
変化なし
アクティブスキル
《石化ブレスLv10》《石化光線Lv10》《石化攻撃Lv10》"new"
称号
変化なし