024話 盗聴機、盗撮機の探索と光の間
「二人して、からかって、そう言えば秘密兵器って何なのカナタ」
「盗聴機、盗撮機の探索の魔導具だよ、今回の、本来の目的ための道具だね。じゃあ、さくさくっと見つけて片付けてしまおうか。まずは、ミリィの部屋からだね。それで、順にミリィがよく出入りする所巡っていこう」
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探索の結果、ミリィの部屋と浴室と、トイレに盗撮機が、その他のよく出入りする場所に盗聴機が15個仕掛けられていた。
残るは受信機である、やっぱりと言うか当然、リンカの部屋に反応があった。
コンコン。
「リンカ、ミリアリアよ、ちょっと用事があるの、入ってもいいかしら」
「はい、ミリアリア様、ただいま、お開け致します」
リンカの部屋の扉が開かれる、レイアさんと同じ猫獣人だ。
「はい、失礼します」
「これとこれだね」
受信機を発見されたリンカは青ざめた顔をしている。
「リンカもう心配ないわよ、カートス=コッシィは逮捕されて処刑されるわ」
「それじゃあ、私も処刑されてしまうのですね」
「あいつに協力させられた経緯は聞いたわ、だから、あなたを罪には問いません。ただ、王城には居られなくなるわ、これは、さすがにどうしようもないの。でも、安心してこちらの二人が身柄を引き取ってくれるわ。今回、あいつを逮捕にまで追い込んだのもこの二人よ。そして、私の大事なお友達なの。だから身分は保証するわ、大事に扱ってくれるわよ。あいつの家をこの二人に譲るから、あなたの新しいお仕事はそこで働く事よ。家を譲る手続きが完了するまで、時間がかかるから、その間は二人と同じ、ロイヤルキャットに泊まってもらうわ」
「え、え、私ミリアリア様にひどいことして、罰を受けて当然なのに、どうしてそこまでしてくれるんですか?」
「私はカレン、こっちがカナタ、あなたのご主人様と言う事になるのかしら、リンカさん聞いて、今回の件あなたも被害者なのよ、だからね、3人で話し合ってどうやったら、助けられるか考えたの、そうしたら、さっきミリィ、ミリアリア様がね言った事にする事になったの。あなたはもう自由なのよ、もう怯えなくていいの」
「本当に、私、許されるんですか、自由になれるんですか」
「ああ、もう大丈夫だよ、何の心配もしなくていい、あいつはきっちりお仕置きしといたから」
少し近づく、ビクッと一瞬する、やはり男性が怖いようだ。家を譲り受けるま
でに、ケアしてあげないとな。
「ごめんね、最後に確認なんだけど、盗撮機3個と盗聴機15個、それと受信機2個仕掛けたのはこれで全部?」
「はい、それで、全部です」
「じゃあ、これで任務完了かな。あ、映像と音声って証拠に必要?必要なければすぐに中身消すけど」
「今日カナタが撮ってくれた記録だけで証拠は十分よ、消してちょうだい」
「ここをこうして、はい、映像と音声は完全に消去されました」
「あのう、予備の受信機を男爵が持ってると思います、それも、消された方が、いいかと思いますが」
「やばいな、騎士団連中に見られる前に消さないと、それと、リンカのもだ。さあ、現場に行こう、ミリィ案内してくれ」
「分かったわ、行きましょう」
ミリィに案内されカートス=コッシィ邸へ急ぐ、途中、レイアさんが合流する。カートス=コッシィ邸は城の隣にありすぐに着いた。
「団長、あいつはどこ?」
「男爵なら、そこですよ」
縛り上げられている男爵がそこにいた。
「団長、ここは男爵と私達だけにしていただけるかしら、ちょっと秘密のやり取りをするから。」
「わかりました。野郎ども、この部屋は一旦、後回しだ。」
騎士団の面々がいなくなったところで尋問を開始する。
「ミリアリア様の盗撮映像と音声はどこに保管してある、それと、リンカの映像はどこだ」
「全部、2階の書斎の隠し部屋に保管してます」
「数はいくつだ、複製は作ってないか?」
「ミリィの映像は6個、音声は1個、リンカの映像が1個、複製はしていない」
部屋を離れていた団長に、声をかける。
「団長、もうこの部屋調べるの再開して下さって結構です。それと、2階の書斎に隠し部屋があるそうです。ただし、そこは私たちが先に調べます。ちょっと見られたくないものがあるもので、いいですね」
「はい、分かりました。」
僕たちは2階の書斎を目指す。騎士達が居るがおかまいなしだ。
「うーんと、これが仕掛けだね、ポチッとな」
本棚が動き隠し部屋が現れる。
「隠し部屋は私たちが先に調査します。団長の許可も取ってあります」
中に入り受信機を探す。
「あったよ、8つ、これで全部だね、消してくよ」
分担して記録を消去する。
「これでおわりね。二人ともこれで一安心ね」
「ありがとう、カナタにカレン」
「ありがとうございます、カナタ様、カレン様」
「じゃあ、後は騎士団に任せましょうか」
「そうだね、邪魔にならないように退散しますか」
騎士団に後を任せ、僕たちは城に戻る。
「いやあ、今回は、王立魔導研究所から借りた魔導具が役に立ったよ」
ちょっとわざとらしいかな?
「以前、相談した時は全然、役に立たなかったんだけどね」
「ミリィ、技術って言うのは日々進歩していく物なんだよ。今回は、その進歩の賜物だよ。そこのね、研究員のリナリアさんが、今回、魔導具貸してくれたんだけど、以前、相談されたときに力になれなくて悔しかったって言ってたよ。ミリィの苦しみを理解してくれてる人は僕ら以外にも居るんだよ、レイアさんだって、この問題が解決してとても喜んでたよ」
「そうよ、ミリィ、あなたは一人じゃない、周りに支えてくれる人がたくさん居るはずよ、今一度、周りを見渡してはどうかしら」
「そうね、私、二人に出会うまで暗い闇の中、一人で居たような気がするの、二人に出会った時ね私には光が見えたの、今は二人のお陰で明るい光の世界に戻れた気がするの、だから、今なら周りがよく見えると思うわ。カナタ、カレン、本当にありがとう」
「ご主人様達はミリアリア様の光の救世主ですね、私にとってもですけど」
「光の救世主、リンカいい事言ったわ、二人をあの部屋に連れて行かないと。さあ、付いて来て」
そういって、どこかに案内される。地下のようだ。
「ミリィ、ここは?」
「カレン、ここは光の間と言うの、ある伝承が伝えられているわ。選ばれし光の救世主現れるとき、我、力を与えんってね」
「さあ、二人とも部屋に入ってみて」
そう促され、僕とカレンは部屋の中に入る。
すると、部屋は光で満たされ気付いた時には手に何かを持っていた。
「これは!」
光結晶の精霊石
レア度:レジェンド
状態:良好
説明:経口摂取する事で光属性魔法の最高位が解放される。
カレンの手にも同じ物が握られている。
「カナタ、カレンそれは何?」
「光結晶の精霊石といって、経口摂取する事で光属性魔法の最高位が解放される物だよ」
「光属性魔法の最高位って、カナタとカレン光属性魔法のレベルいくつなの?」
「今は二人とも9だよこれで10になれるけど」
「もしかして他の魔法レベルも?」
「うん、火と闇がレベル10で残りはレベル9だよ」
「賢者と言われる人でも3属性レベル7が限界なのに、全属性極めて、禁呪まで解放してるなんて」
「ご主人様達、凄いんですね」
「ミリィ、これ貰っていいのかな?」
「ええ、もちろん、あなた達の物よ、資格無い者は、手にする事が出来ないんだから」
「じゃあ、遠慮なく」
精霊石を摂取する、体中に光の魔力が駆け巡り細胞一つ一つになじんでいく。
光属性魔法はレベル10になり、新たな称号が追加された。
光ヲ司リシ者
光属性魔法の消費MPが1になる。
光属性魔法の威力+50%
光属性吸収
「ミリィ、ありがとう、何よりの報酬だよ」
「二人とも、私を驚かしてばかりだわ」
「でも、あいつもレベル7のフレアバースト使ってたよね?」
「一属性をレベル7って言うのはそこまで珍しくないの、というか、普通の人は魔法適合は一属性が普通で二属性もあれば、凄いってレベルなのよ、全属性なんて、歴史上でも数えるほどしか居ないわ。二人とも、非常識レベルを超えてるわよ」
もちろん、世界知識でこの事は知っていたが、改めて言われると、自分は非常識なんだなと思い知らされた。
「ミリィだから言ったんだよ、ちなみに言っとくけど、カレンが最後使ってたのフレアバーストじゃなくて、レベル1のファイアーボールだからね、カレンの魔法の威力はシャレにならないからね」
「カナタ、ヒドい、私だけ非常識な存在みたいに言って」
「私からしたら、どっちも非常識だから」
僕ら二人はミリィの言葉に少しヘコみながら、ミリィの部屋へと戻った。
「残る問題は昨日襲って来てた黒ずくめ達だけど、そっちは大丈夫なの?」
「今朝、お父様が言ってた通り、もう、証拠固めに入ってるわ、黒幕達が捕まるのも時間の問題よ」
コンコン。
「ミリアリア様、お時間です」
レイアさんが公務の時間を告げる。
「カナタ、カレン、悪いけど、また明日も城に来てお父様と謁見してもらう事になるから、じゃあ、また明日ね。リンカ、二人に良くしてもらうのよ」
「ミリアリア様、お心遣いありがとうございます」
「じゃあ、ミリィ明日ね」「じゃあ、また明日」
レイアさんに連れられ、僕とカレン、リンカは馬車の所まで案内された。
馬車に揺られる事約10分、ロイヤルキャットに着いた。
「送ってくださって、ありがとうございます」
「また明日迎えに来ますので」
馬車は去っていった。
「ただいまです」
「おかえりなさいませ、カナタ様、カレン様。そちらはリンカ様ですか?」
「はい、リンカです」
市民カードを見せる。
「リンカ様はカナタ様、カレン様の隣の706のスイートルームです。ご食事は24時間ビュッフェ方式で提供しております。鍵を見せて食堂にお入りください。浴室は、部屋に備え付けのものと、地下に大浴場がございます。こちらも、24時間自由にお入りください。こちらが鍵でございます。部屋まではエレベーターがありますので、そちらをご利用ください。何かございましたら、何なりと私どもに申し付けください。それでは、どうか、ごゆっくりとごくつろぎください」
僕たち3人は、エレベーターに乗り部屋を目指す。リンカの部屋に一緒に入る。
「うわー、凄い部屋です。ここ私が使っていいんですか?」
「いいのよ、遠慮なく使ってね、私たちの部屋、見てみる?」
「はい、見てみたいです」
707号室にリンカを連れて行った。
「うわー、こっちは凄すぎて言葉も出ないです」
「部屋は確認したから、食事に行きましょうか」
再びエレベーターに乗り、大食堂を目指す。
「うわー、凄いです。おいしそうな料理がたくさんです」
「どれでも好きな物、好きなだけ食べていいのよ」
「どれにするか迷っちゃいます」
「日にちは十分にあるから、端から順番に行けば全種類制覇出来るよ」
「そうですね、そうしてみます」
3人は思い思いの料理を盛り、席に着いた。
「「「いただきます」」」
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「ごちそうさまでした」
「あら、ごちそうさまはまだ早いわよ、デザート頂かなくちゃ」
そう言って、カレンと僕でデザートすべてをかっさらってくる。リンカは目を丸くしている。
「お二人で全部食べるんですか?」
「リンカも食べていいのよ、遠慮しないでデザートは別腹よ」
「では、こちらを頂きます」
「リンカ、これも美味しいわよ」
「リンカ、これもおすすめだぞ」
「ふわー、そんなにいっぱい食べられないです」
結局、リンカは一品と数口だけ食べて、残り全部はいつものように、二人の胃袋に収まった。
エレベーターで7階に戻り、リンカと分かれる。
「じゃあ、少し早いけどおやすみなさい」「おやすみなさい」
「おやすみなさいませ」
部屋に戻ったら、亜空間トレーニングの時間だ。僕はいつものように、ダッシュトレーニングとカレンへのスキル指南、カレンは、スキル上げだ。
訓練の結果、STR、VIT、DEX、AGIが4ずつ上昇した。
トレーニング後は風呂に入り、夜のお稽古をする。今日は時間があったので、10回戦行った。VIT、DEXは12ずつ上昇した。
風呂に入り直し、就寝する事にした。
こうして、エスティライド生活の19日目が終わった。
メイドさんは黒髪猫耳メイドさんでした。
光ヲ司リシ者
光属性魔法の消費MPが1になる。
光属性魔法の威力+50%
光属性吸収
カナタ ミサキ
種族:人間
性別:男
年齢:25
職業:暗殺者|武神|創造者
レベル:52
HP:2,040/2,040
MP:2,060/2,060+100,000
STR:296(444)+50%
VIT:327(408)+25%
DEX:322(547)+70%
INT:330(412)+25%
AGI:297(430)+45%
LUC:1,199
1,007,403,378,921ガル
スキル
特殊スキル
変化なし
パッシブスキル
《光属性吸収》"up"
アクティブスキル
《光属性魔法Lv10》"new"
称号
《ドS》"new"