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022話 ミリアリアの悩み

(おはようございます、カナタ、カレン)


(おはよう、クロノ、カレン)


(おはよう、クロノ、カナタ)


 エスティライド生活19日目の朝だ。


 今日は、城に呼び出される日だ。時間に余裕がある。


「カレン、しよっか」


「ええ」


 朝の稽古が始まる。あまり、時間をかけてもいけないので、3回戦で終了した。VIT、DEXが2ずつ上昇した。


 朝は、地下の大浴場に入る事にする。入浴後、コーヒー牛乳の代わりに、魔力温泉水を飲む事にする。


「カレン、魔力温泉水だよ」


「ありがとう、カナタ」


 僕も魔力温泉水をコップに汲み、飲み干す。INTが10上昇した。


 大食堂に行き、おいしい料理を食べ、またもや、デザート類を食べ尽くした。


 部屋に戻った後は、カレンはスキル上げ、僕は重力下でのダッシュトレーニングとカレンのスキル上げの手伝いをしていた。カレンは、ワープと時空魔法を中心に、スキル上げをしていた。僕のSTRとVITとAGIが2上がった頃、お城から迎えがやって来た。


 コンコン、とノックの音がする。訓練を終了し、扉を開ける。

「カナタ様とカレン様ですね、お城の方から、迎えが来ております」


「はい、分かりました、すぐに伺います」


 エレベーターを使いロビーに出ると迎えの騎士の人たちが居た。


「カナタ様、カレン様ですね、お迎えに上がりました、準備が良ければ、外の馬車にお乗りください」


「ありがとうございます。鍵を預けたらすぐに、乗らせていただきます」

 僕たちは鍵を預け、外の馬車に乗った。


 揺られる事、約10分お城に着いた。


 城に着くと猫耳メイドさんに案内され、小部屋に通された。僕は内心テンションが上がっていた。そう、カナタは大の猫好きなのである。

(初獣人が猫獣人かツイてるなあ。)


「おまたせしました、謁見の間にお通し致します」

 さっきの猫耳メイドさんに案内され、謁見の間に到着した。


「カナタ様とカレン様をお連れ致しました」


「うむ、ご苦労、下がってよいぞ」


「二人とも椅子にかけて楽にしてくれ」

 促され、椅子にかける。


「この度は、娘の命を救っていただき、感謝の言葉も無い」

「それに、反逆者のしっぽをつかむ事が出来た、今、証拠固めをしているところだが、上手くいけば、反王女派は一掃出来るであろう、感謝するぞ」


「ありがたき言葉でございます」


「して、褒美を与えたいのじゃが、何か、金の他に望みはあるか?」


「はい、我々二人に冒険者ギルドの特級昇格試験の推薦を頂きたいのですが?」


「特級昇格試験とな?」


「カナタ殿はAランクでパーティーでキングブラッディキリングオーガを倒した実績もあると聞くが、カレン殿は登録したてで中級昇格試験待ちと聞いておるが、カナタ殿だけではなく二人とも推薦が欲しいのか、実力は大丈夫か?」


「お言葉ながら、このカレン登録したてなれど、私とほとんど変わらない実力を持っております、さらには、魔法の面においては彼女の方が上でしょう」


「そう言う事であれば二人まとめて推薦しよう。試験官は誰に頼むかのう?」


 ミリィが小声で王に話しかけている。聞き耳のスキルで全部聞こえているが。


(お父様、試験ついでにあの方をコテンパンにしてもらいたいのですが。)


(あの方と言うのはあれか。)


(はい、私にしつこくつきまとう、カートス=コッシィ男爵です。)


(コネでSSランクになった輩か。)


「ごほん、待たせて済まなかったな。試験はカートス=コッシィという者に頼む。今日の午後からで良いかのう?」


「はい、早くて助かります」


 パンパン、と手を叩いて猫耳メイドさんを呼ぶ。


「では、下がってよいぞ」


「「失礼致します」」

 猫耳メイドさんに連れられ再び小部屋に案内される。


「こちらが今回の報奨金、5閃貨でございます。こちら、口止め料も含んでおります、今回の事は他言無用でお願い致します」

 5閃貨を受け取る。


「それから、姫様が個人的に会いたいと申しております。案内しますので、付いて来てください」

 猫耳メイドさんに姫様の部屋の前まで連れてこられた。


「ミリアリア様、カナタ様とカレン様をお連れ致しました」


「カナタ、カレン待ってたのよ」

 ミリィが勢いよく飛び出してくる。


「ミリアリア様はしたないです」


「レイア、二人は友達だからいいの」


「仕方ありませんね、カナタ様、カレン様、ミリアリア様をよろしくお願い致します」


「「はい」」


 ミリィは僕らを部屋に入れ、レイアさんを外で待機させた。


「カレン、カナタ、また会えてうれしいですわ」


「ミリィ、あんな素敵な宿を提供してくれてありがとう」


「とくに、二人ともデザートがお気に入りだよ」


「気に入ってくれて何よりですわ。ところで、今日の昇格試験なんですけど」


「わかってるわ、相手を懲らしめてやるのね」


「聞こえてらしたのですか?」


「冒険者だからね、聞き耳スキルぐらい持ってるよ。で、具体的に、どんなにつきまとわれてるの?」


「聞いてください、始めは、私が10歳の時でした。家族旅行で海に行った際、あの人がなぜか付いて来ていました。その時は気付きませんでしたが、映像記録の魔導具で水着姿を、あまつさえ、着替え姿まで記録されていたのです」

 ミリィが涙を浮かべる。


「つらかったわね」

 カレンが声をかける。僕も怒りが込み上げ、声をかけたかったが、こういう事は女性に任せた方が良い。


「そのときは、10歳と言う事で、お咎めなしになりました。それが悪夢の始まりでした。公務でどこかに行く際は必ず現れ、パーティーではお兄ちゃん面をして、他の人を近寄らせないようにしたりするんです。そして、誰にも話してない事を知っていたりと、とにかく、気持ち悪くて、とても迷惑なんです。8年間もこんな事が続いているんです、助けてください」


「お姉さん達に任せなさい、二度とそんな事が出来ないように徹底的に懲らしめてあげるわ」


「つらいところ、申し訳ないんだけど、それだけの被害が有って、何でそいつ処分出来ないの?」


「ご理解してくださってありがとうございます、被害と言っても、実質的には何も起こってないですし、男爵の領地は豊かで税収がいいんです。それでお父様も、処分を渋られていまして」

 ストーカーの概念が無いから犯罪扱いされていないんだな。


「何か犯罪の証拠見つければ処分出来るかな?処分後の、後任の人事にも心当たりあるんだけど」


「はい、尻尾さえつかめばなんとかなると思います」


「じゃあ、そこらへんも含めて懲らしめるから、安心して任せてよ」


「お二人と出会えて本当に良かったです」


 コンコン、ドアがノックされる。

「ミリアリア様、そろそろお時間です」


「あら、時間が来たようですわ」

「試験見に行きますので、応援してますわ」


「ありがとう、必ず成敗するからね」


「私も懲らしめてあげるから、安心してね」


「はい、ありがとうございます」


「カナタ様、カレン様ではご案内します」

 レイアさんに馬車のところまで案内された。


「馬車を用意してもらって、申し訳ありませんが、寄る所がありますので、出入り口まで案内していただけますか?」


「わかりました、こちらです」

 レイアさんは通用門まで案内してくれた。


「ミリアリア様と仲良くしてあげてくださいね」


「はい、もちろんです」「ええ、もちろんよ」


 僕たちはその足である場所へと向かう、ある場所とは王立魔導研究所である。


「カナタ ミサキです、リナリアさんいらっしゃいますか?」


「カナタさんですね、今、呼んで参ります」

 しばらくして、リナリアさんが現れる。


「はーい、カナタ今日はどうしたの?」


「ちょっと、ご相談がありまして」


「そうなのね、じゃあ私の研究室にいらっしゃい」

 リナリアさんに案内され研究室に入る。研究室はいろんな魔導具が散乱していて、足の踏み場も無い状態だった。


「で、相談って何かしら?」


「盗聴、盗撮の魔導具についてなんですが、」


「あら、こんなにかわいい彼女が居るのにそっちの趣味に目覚めちゃったの?」


「違います、姫様が盗聴、盗撮されてる恐れがあるので、それを発見出来る魔導具が無いかと思いまして」


「カートス=コッシィ男爵の件ね。以前、姫様から相談が有ったわね。一応そういう魔導具は作ったんだけど、発見出来なかったわ」


「その魔導具はどういう原理で発見するのですか?」


「簡単な原理よ、魔力察知の機能があるだけよ。発見出来なかったのは付与されている、魔力察知のレベルが高くなかったからよ。裏で取引されている盗聴、盗撮の魔導具には高レベルの魔力遮断と透明化が付与されているの、魔力察知Lv10でもなければ見つける事は出来ないわ、押収したやつで撮影、録音、送信の機能がついた盗撮器具と受信、保存、放送の機能がついた受信器具が有ったんだけど、テストしてるうちに見つからなくなっちゃったの」

 僕は魔力察知を最大にして魔導具を探す。ある箇所から違う箇所に魔力が送られている反応があった。


「これですかね」

 透明の物体2個をリナリアに渡す。


「これよ、よく見つけたわね」

 透明の物体が実体化する。


「魔力察知Lv10なんで、探索の魔導具も超特級魔核があれば最高の物に改良出来ますよ、付与と細工スキル持ってますんで」


「探索の魔導具ねあったわ、それと、超特級魔核、はいどうぞ」

 僕は超特級魔核に魔力察知Lv10を付与し、元の魔核と付け替える。


「テストしてみてください」


「はーい、わかったわ、成功ね、びんびん反応しているわ」


「すみませんが、その3つの魔導具貸していただけませんか?」


「あらやっぱりそう言う趣味が「違います、午後から昇格試験で男爵と対戦する事になっているので、そのときに、犯罪の証言を残そうと思いまして、あと、城内の、盗聴、盗撮の魔導具発見に使おうと思いまして」


「そういうことね、喜んで協力するわ、でも、探索の魔導具は必要無いんじゃない?」


「確かに探索の魔導具なしでも行けそうですが、使えば、研究所の名誉挽回になるじゃないですか、予算も通るようになりますよ」


「カナタ、ありがとう、研究所の事も考えてくれて、姫様の力になれなくて悔しかったのよ、必ず悪事暴いきてね」


「はい、任せてください、必ず悪は滅ぼします。ではこちら、借りていきます」


「がんばってらしゃいね」


「はい、ありがとうございました」


 盗撮の魔導具2つからは撮影、録音、送信、受信、保存、放送のスキルを覚えた。人間ビデオカメラの完成だ。


 用事も済んだので宿に戻って食事をする事にする。例のごとく、デザート類を壊滅させ、少し部屋でくつろいだ後、決戦の地、ギルド前へと出向いた。

変態とは困ったものです。


SSランク冒険者カートス=コッシィ男爵=由来はしつこいストーカーです。

ド変態の少女の敵です。


カナタ ミサキ

種族:人間

性別:男

年齢:25

職業:暗殺者|武神|創造者

レベル:52


HP:1,940/1,940

MP:2,060/2,060+100,000

STR:292(438)+50%

VIT:311(388)+25%

DEX:306(520)+70%

INT:330(412)+25%

AGI:293(424)+45%

LUC:1,199


1,007,403,378,921ガル


スキル

特殊スキル

変化なし


パッシブスキル

《受信》《保存》"new"


アクティブスキル

《撮影》《録音》《送信》《放送》"new"


称号

変化なし

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