020話 次期妖精女王と次期ランカスター女王
(おはようございます、カナタ、カレン様)
(おはよう、クロノ、カレン)
「おはよう、カナタって、きゃっ誰?」
エスティライド生活18日目の朝だ。
「カレン、このクロノグラフだよ、時空神の分霊でクロノだ」
「ええっ、時空神の分霊って、カナタ、あなたほんとに規格外ね」
(と言うわけでよろしくお願いします、カレン様)
(敬語はなしで、カレンでいいわよ、私もクロノって呼ぶから。)
(なんで、カナタとクロノと念話が出来てるのかしら、繋がりが無いと出来ないはずだけど)
(昨日、あれしたから繋がりが出来たみたい、クロノとは加護を受けて繋がりがあるから、そのせいだと思う)
(昨日のあれ、優しくしてくれてありがとう)
(後半、激しくしちゃったけど大丈夫だった?)
(うん、大丈夫と言うか気持ちよすぎて記憶が無い)
(そっか、ところで、妖精の里にお風呂はある?)
(温泉があるわよ、魔力上昇の効果があるの。)
(温泉!、すぐに入りにいこう。)
カレンに連れられ、温泉を目指す。途中、長に会い、声をかけられる。
「夕べはお楽しみでしたね」
どこかの勇者がかけられるような台詞だ。それはともかく、温泉に着いた。
「ふわー、生き返る、温泉はやっぱりいいね」
「そうなの?毎日入ってるから実感わかないわ」
「そっか、温泉があるのが当たり前だもんね、そりゃ仕方ないよ」
温泉を出て着替えたところ、カレンが温泉水を汲んで持って来てくれた。
「カレンこれは?」
「温泉の湯よ、飲むと魔力がアップするの一日一回だけどね」
ごくごくと飲む、すっきりとした味だ。ステータスを見ると、INTが5も上がっていた。道理でカレンのINTが軽く10万オーバーしてたのか。
別に毎日、テレポーテーションで来る事も出来るが、面倒なので、温泉水を汲んでいく事にした。これで、訓練でINTだけ上がらなかった悩みも解消だ。
朝ご飯が出来ていると言うので、カレンと一緒に食べにいく。
「カレンこれからどうするの?」
「女王様に会って、旅の許可をいただくわ」
「僕に付いて来てくれるんだね、ありがとう」
「当然よ、私はカナタに付いていくって決めたんだから」
朝食を終え、僕とカレンは神託の神殿の前に居た。
「さ、カナタ入るわよ」
カレンに促され僕も神殿に入る。
造りはギルドに有った職業選択の部屋に似ている。
カレンに手を引かれ、中央の魔法陣の真ん中に立つ。
「女王様、カレンです、お話が有ります」
カレンによく似た、妖精が現れる。
「カレン、話は分かっています、旅に出るのでしょう?」
「はい、そうです、このカナタに付いて、旅に出たいと思っております」
「カナタ、旅の間カレンを守っていただけますか?」
「はい、力の限り守り抜く所存です」
「よろしい、では、ささやかながら私から贈り物を授けましょう」
「では、良き旅を、2人とも仲良く過ごすのですよ」
そう言い残して、女王は消えた。
ステータスを見ると、妖精魔法のスキルと妖精女王の祝福の称号が追加されていた。
妖精女王の祝福
レベルアップ時のステータス上昇値が倍になる。
「すごい贈り物貰ったね」
「そうね、それにすんなりと旅の許可貰えたわね」
そうだ、贈り物ついでに。
(クロノ、カレンに加護付けてあげてよ)
(はい、分かりました)
「カレン、クロノも加護付けてくれるよ」
「カナタ、ありがとう」
(クロノ、ありがとう。)
「ところでカレン、ここに新しいジョブ取得出来る施設って有る?」
「ええ、あるわ、この神殿がそうよ、しかも、ここはすべての職業を選択する事が出来るの、たとえ条件を満たしていなくてもね」
「じゃあ、サードジョブ取得するよ」
魔法陣の真ん中に立ちジョブと心の中で唱えた。
すると、様々なジョブが浮かんでくる、
おそらく有るだろうと決めていたジョブ、有った、これにしよう。
創造者
ジョブボーナス
STR、DEX、INT+25%
LUC+100
生産系スキルをマスターレベルまで引き上げる。
特殊スキル
《複製》どんなものでも素材なしに複製する事が出来る。
成功確率:(DEX+INT)/2,000,000*LUC
パッシブスキル
《植物察知》《鉱脈察知》《マッピング》
アクティブスキル
《採掘》《農耕》《養蜂》《料理》《調薬》《製糖》《醸造》《木工》《大工》
《石工》《練金》《鍛冶》《製糸》《縫製》《細工》《付与》
これらの能力が与えられます。
「カナタ、どんなジョブ取ったの?」
「創造者だよ」
「意外、戦闘職取ると思った、武神とか」
「武神はもう取ってるんだ、だから今回は生産系のジョブを選んだの」
「普通に武神の取得条件満たすなんてレベル30であり得ない」
「その秘密をこれからお見せしましょう。昨日あげたネックレス持ってる?ちょっと貸して」
守りのネックレスを受け取ると複製でもう一つの守りのネックレスが現れた。
「元のは返すね、それで、複製で増やした方を僕のアイテムボックスに格納します」
「え、すべての状態異常耐性獲得してるんだけど?どういうこと?」
「僕の特殊スキル、不思議なアイテムボックスの効果だよ。ほかにも、天運、自動回復の効果がリンクされて機能してるはずだよ」
「何か、魔法を使ってみて、すぐに、MP回復するはずだから」
カレンは僕にエクストラヒールをかけた。
「あ、本当、すぐ回復した。それに、LUCが999ってあり得ない」
「自動回復はHP、MPが10秒ごとに最大値の5%回復するから」
「カナタってほんと何者なの?」
「実は異世界転生者なんだ、特殊スキルは世界神からもらったんだよ」
「異世界転生者、世界神、もうカナタってほんと規格外ね」
「この事は秘密だよ」
「カナタが秘密を打ち明けてくれたから、私も秘密打ち明けないとね。気付いてるかもしれないけど、私は、次期妖精女王、カレン アップルフィールドよ」
「うん、気付いてたよカレンだけ名前が有ったから。じゃあ、お互い秘密を打ち明けたところで、カレンパワーアップ計画を実行します」
僕は、次々とアイテムを出して、複製し、格納する作業を行った。それにより、カレンは新たなスキルをたくさん覚えた。呪われていたアイテムは複製すると、呪いが復活した。残念ながら魔核は複製出来ないようで、特級、超特級のモンスターのスキルを得る事は出来なかった。
ちなみに、カレンの装備はウィークスナイプアロー、アイギスの盾、両手に鬼神の篭手、体に大魔道士のローブ、両足に鬼神の足甲、腰にマジックスレイヤースタッフ2本、カーバンクルの宝玉、大魔道士のリングである。
カレンは、特殊スキルのアイテムボックスと武神と大魔導士のジョブ持ちである。魔法も6属性ともLv9で、下手したら、僕なんかより強くなってしまった。
そうこうしているうちにお昼の時間になったのでお昼ご飯にする事にした。
すると他の妖精達が集まって来て。
「カレンお姉様にも春がやってきましたね」
「カナタ様、カレンお姉様の事よろしくお願いします」
「カレンお姉様、カナタ様のどこを気に入られたのですか?」
里中にバレバレなのも、考えものだなと、思いながら食事を進めるカナタであった。
食事も終わり、いよいよ、旅立つ事となった。
「長、女王様にも許可をいただいておりますが、私はカナタ様とともに旅に出ます」
「うむ、旅に出るのも女王としての修行となるじゃろう、それに、カナタ殿が居れば安心じゃ、旅に出る許可を出そう」
「ありがとうございます。いざとなれば、カナタ様の転移魔法でいつでも帰って来れますので、ご安心ください。それでは行って参ります」
僕たちは、里の北の入り口に着いた。僕は妖精魔法を解き人間サイズに戻った。カレンは小さいままかって、魔法で小さくなれるなら、大きくもなれるんですよ奥さん。
カレンも魔法で人間サイズになり羽は隠している。
「カナタ、これからどこに向かうの?」
「王都と言いたいところだけど、カレンのパワーアップ計画が途中だから、心当たりの場所に行くよ」
僕はカレンの手をつなぎ、ティグスタット村、南の火山の火口に転移した。
予想通り、条件を満たしていたため、再び、火結晶の精霊石を手に入れる事が出来た。前回はすぐに食べてしまったがアイテムボックスに格納するとどうなるのか試したところ、何も起きなかった。複製も出来なかった。
なので、普通にカレンに食べてもらった。カレンの火属性魔法が最高位まで解放された。すると、また、運の悪いサラマンダーが現れたので倒す事にした。
カレンの異常な魔力量と魔法威力の上昇の効果を考えるとレベル1のファイアーボールで行けるんじゃないと冗談で言ったところ、カレンはファイアーボールを放ち本当に焼き尽くしてしまった。カレンの魔法ヤバイです。
次はランスフォード迷宮の30階に転移した。すぐに、ボス部屋前に転移し、ボス部屋に突入、リッチキングが居ました。今度はちゃんと属性に合わせて、ライトボールで倒したよ。マジックスレイヤースタッフと転移石、宝箱から身代わりの人形と目的の闇結晶の精霊石を手に入れました。カレンの闇属性魔法が最高位まで解放された。
とりあえずの、パワーアップは完了したので、妖精の里の北側に戻り、迷いの森を北側に抜ける事にした。素早く抜けるために、アサシンスパイダーを魔物召喚で出現させ、倒し、隠蔽系スキルを手に入れた。
木々の間を素早く駆けながら、出会う魔物を倒していく。イリュージョンバタフライ34匹とエンシェントトレント24体を倒した。3時間ほどで森を抜けた。ここからは街道沿いに東に行けば王都だ。ここからは手をつないで、テレポーテーションで、進んでいく。
もうすこしで、王都というところで、豪華な馬車が黒づくめの集団に襲われているのを発見した。
「カレン、リーダーをまず気絶させる、残りは倒してくれ」
「カナタ、分かったわ」
方針が決まると、僕は投げナイフ、カレンは弓で敵を無力化していく。戦いは一方的だった。何せ、1km先から音速を超えるスピードでナイフと矢が正確に急所を捉えてくるのだ、躱す暇もなく黒づくめの集団30名は沈黙した。
「大丈夫ですか?」
「君たちか助けてくれたのか?」
「はい、明らかに怪しい連中が馬車を襲ってましたので」
「全員死んでしまっては背後関係が洗えんな」
「一人は生かしております」
ナイフと黒づくめの死体の回収、騎士達の治療を行いながらそう答えた。
カレンは、黒ずくめ達から、夜目、聞き耳、忍び足、偽装、追跡、罠察知、罠解除、罠設置、解錠、施錠のスキルを覚えた。僕は、追跡のみ覚えた。
ナイフを抜き、呪いと回復魔法をかけ、糸で手足を縛り、気付けでリーダーの男の意識を回復させる。
「自殺をしない、聞かれた事は正直に答えると言う呪いをかけてあります」
「うむ、助かる」
傷を負っていた騎士の治療は終わったが、1名の騎士が亡くなっていた。
「こちらの方も一緒に運んで構いませんか?」
「そうしてくれると助かる」
そう言われたので、その騎士もアイテムボックスに格納する。
騎士からは、カレンがスーパーアーマー、乗馬、礼儀作法、貴族儀礼、重撃を僕は、乗馬、礼儀作法、貴族儀礼のスキルを覚えた。
「姫様、このようなものに頭を下げる事は有りません」
「助けられた恩人に礼を言うのは当たり前でしょう」
そう言うと、馬車の中から、豪華なドレスを身にまとった女性が現れた。
「この度は危うきところを助けていただき、まことにありがとうございます。私、ミリアリア=ランバルディア=ランカスターと申します」
「当然の事をしたまでです、お気になさらずに。申し遅れました、私は、カナタ ミサキと申します」
「同じく、カレン アップルフィールドと申します」
2人とも膝をつき、頭を下げた姿勢で答える。
「カナタ、カレン、2人とも頭を上げて姿勢を崩してください」
そう言われたので、2人とも普通に立った。
「お二人とも、私とお友達になってくれませんか?」
「「え!」」
「私、心から信じられる友達が居ませんの、優秀な家臣はいますが、周りの貴族は皆、腹に一物を抱えた人ばかりで。でも、お二人は違いますわ、奇麗な目をしてらっしゃるもの。私の目に間違いは有りませんわ」
「そういうことでしたら、喜んで友達になりましょう、ミリアリア様」
「カナタ、友達なんだからミリィって呼んでちょうだい、カレンもね」
「じゃあ、改めて、よろしく、ミリィ」
「私も、よろしく、ミリィ」
2人ともミリィと握手を交わした。
流れで、馬車に乗る事になり、面倒な手続きなく、ランカスター王国、王都ラ
ンバルディアに入る事が出来た。
妖精女王の祝福
レベルアップ時のステータス上昇値が倍になる。
サードジョブ創造者取得です。
これ以上いいジョブと特殊スキルが浮かばない。
いい案有りましたら提供してください。
騎士A、君の死は無駄にしないよ。
カナタ ミサキ
種族:人間
性別:男
年齢:25
職業:暗殺者|武神|創造者
レベル:50
HP:1,715/1,715
MP:1,875/1,875+100,000
STR:266(399)+50%
VIT:275(343)+25%
DEX:272(462)+70%
INT:300(375)+25%
AGI:267(387)+45%
LUC:1,199
1,006,903,198,921ガル
スキル
特殊スキル
《複製》"new"
パッシブスキル
《乗馬Lv10》《礼儀作法Lv10》《貴族儀礼》"new"
アクティブスキル
《追跡Lv10》《採掘Lv10》《農耕Lv10》《養蜂Lv10》《製糖Lv10》
《木工Lv10》《大工Lv10》《石工Lv10》《練金Lv10》《鍛冶Lv10》
《製糸Lv10》《縫製Lv10》《細工Lv10》《付与Lv10》《妖精魔法》"new"
称号
《妖精女王の祝福》"new"




