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013話 昇格試験の試験官

(おはようございます、カナタ)


(おはよう、クロノ)


 エスティライド生活10日目の朝だ。


 今日も羊と薬草狩りに行く。結果は、スリーピングワープシープが16匹、回復草868本、吸魔草1800本、毒消し草123本、月見草116本、復活草13本、毒草32本、痺れ草28本、睡眠草20本だった。今日も魔力を振り撒いておく。


 次は、蜜と樹液の採取だ。たっぷりと採取出来た。倒した魔物は、シャドウウルフが40匹、スライム60匹、ボア15匹、ビッグボア1匹、キリングベアー1匹だった。キリングベアーからは、また、熊胆をゲット出来た。


 村に戻り、昨日のジャイアントモールの結果を聞きにいく。

「アイシャさん、ジャイアントモールの結果どうでしたか?」

 ギルドカードを渡す。


「被害は無くて全滅確認という事で報酬の1000ガルです」

 10銀貨を受け取る。


「すぐ対応してくれて、被害が最小限で済んだって皆さん感謝してましたよ」


「そうですか、役に立てて何よりです。では、また昼食後に来ます」


 少し早いが昼食にする。カイゼルさんの料理もこれを含め後3回だ。あ、お弁当作って貰うから4回か。まあ、何にせよ貴重な食事機会だ、じっくり味わおう。亜空間いけすにもこっそり、餌をやる。

「カイゼルさんごちそうさまでした」


 13:00まで時間があるのでダッシュトレーニングを行う。ほどなくして、クロノが時間が来たと伝えてきたので、ギルドに向かう。


 10分前の12:50分に到着だ。

「アイシャさん、さっきぶりです」


「受験者の方、もうすぐ来ますので奥の席でお待ちください」


 言われた通り奥の椅子に腰掛ける。5分後、受験者と思われる人物がやってきた。


「カナタ様こちらへ」


「Fランクのジェームズです。よろしくお願いします」


「Cランクのカナタ ミサキです。よろしく」

 しっかりと握手をする。


ジェームズ君のステータスは次の通りだ。


ジェームズ

種族:人間

性別:男

年齢:18

職業:槍術師

レベル:25


HP:365/365

MP:340/340

STR:78

VIT:73

DEX:73

INT:68

AGI:68

LUC:17


スキル

特殊スキル

なし


パッシブスキル

《槍術Lv3》《盾術Lv3》


アクティブスキル

《解体Lv3》《料理Lv3》《生活魔法》《火属性魔法Lv4》


称号

なし


 エスティライド人の一般的なステータスだな。

エスティライド人はレベル1で20前後のステータスでレベルアップ時に1~3上昇する。だが異世界人である僕は5も上昇する。これは大きな違いだ。


 槍術と盾術のレベル上げてやりたいな。

これは特訓コースだな。


「では、お二人こちらにお越し下さい」

 なじみの訓練室に案内される。


「ルールは単純です、木製の武器で戦って、気絶するか降参するまで戦ってもらいます。魔法の使用は禁止です。よろしければ武器を選んでいただいて始めたいと思います」


 ジェームズ君は当然槍を選ぶ、僕も合わせて槍にする。


「お互い準備はよろしいようですね、それでは、はじめ!!」


 まずは、盾で防御出来そうなところに突きを繰り出す。ジェームズ君はかろうじて、盾で防ぐ、ちょっと手加減が足りなかったかな?ちょっとスピードを落して再度突きを繰り出す。ジェームズ君は盾で弾いて突きを繰り出してくる。弾くんじゃなくて、こんな風にさ、受け流すんだよ。槍の勢いを受け流され二人の間合いが詰まる、仕方ないので押して無理矢理、間合いを取らせる。これを繰り返し、押す方向を調整し円を描くようにする。ステータスを覗きながらジェームズ君の成長度合いを確かめていく。目標は剣術、盾術がレベル5、受け流しがレベル3といったところか。ジェームズ君が疲れてきたらこっそり、ヒールをかけてあげる。無詠唱なので気付かれない。


 何度か繰り返していくうちにやっと、受け流しを覚えてくれた。ちょっとだけ、突きのスピードを上げ、また繰り返す。そのうちに、槍と盾のレベルが上がる、突きのスピードと受け流し方を少し大きくする。何度打ち合っただろうか、やっと、スキルが目標のレベルに達した。最後は槍をくるりと巻き込むようにして、槍を飛ばし、切っ先を首筋に当て降参させた。


「はい、お疲れ様。大分良くなったよ」


「ありがとうございました。あ、スキルレベルが上がってるし、新しいスキルも覚えてる」


「試験は合格です。あなたは今からEランクです。アイシャさんそれでいいですよね」


「はい、それで構いませんよ。ジェームズ様はEランクに昇格です。カナタ様、ありがとうございました。では、お二人とも手続きがありますので、2階まで付いて来てください」


 アイシャさんに付いていき、二階の部屋に通される。


「それではお二人、ギルドカードをお願いします」

 二人ともギルドカードを渡す。


「まずは、カナタ様少ないですが報酬1金貨と貢献度10ptを加算します。これで、カナタ様の貢献度は100ptを超えたのですが、あいにく、この村には上級試験を出来る人間がいませんので、どこか別の町で受けていただく事になります。それまでは、Cランクのままで過ごしていただきます。申し訳有りません」

 そういいながら、1金貨と青のギルドカードを渡してくれた。


「ジェームズ様、先ほど言われた通りEランクに昇格します。こちらがギルドカードです」

 新しく青になったEランクギルドカードを渡される。


「これで試験は終わりですが、何か質問は有りますか?質問は無いようなのでこれで終わりにします。お疲れ様でした」


「あ、カナタ様はちょっとお待ちください」


 ジェームズ君が部屋を出て行く。


「カナタ様、わざと特訓させてEランク合格にしてあげましたね」


「昨日もいった通り、後輩の育成も冒険者の大事な仕事ですから」


「こっそり、ヒール使って回復までさせて、それに4時間ですよ、4時間、時間かけ過ぎですよ」


「無詠唱だったのによく気付きましたね、4時間はジェームズ君がなかなか上達しないからで、僕のせいじゃないですよ。明日になったら僕はこの村離れる訳ですから、一人でも優秀な冒険者残していかないと大変ですからね」


「そうですね、カナタ様はこの村の事を考えてくださってたんですね。いじめて楽しんでるだなんて思ってすみません」


「ははは、そんな風に見えちゃってましたか、今日のは特訓です」


「ああ、ほんとにすみません、今日はありがとうございました」


「いえ、どういたしまして。では、失礼します」

 そう言って僕は部屋を後にした。


 1階に戻り護衛と並行して受けられる依頼が無いかと探していたら手紙の配達依頼が2件あった。武具屋さんと魔導具屋のローザさんの依頼だ。ローザさんはポーションも一緒に運んで欲しいらしい。宛先は2件ともランスフォードの町だしちょうどいい、この二つを受けよう。


「アイシャさん、この2件の依頼受けます」

 依頼票とギルドカードを渡す。


「配達の依頼ですね、こちらが手紙2通とレッサーポーション1つと、サインが入ってない依頼完了証明2枚です」

 ギルドカードと手紙2通、レッサーポーション1つ、依頼完了証明2枚を受け取る。


「ありがとうございます」


 ギルドを後にして、ダッシュトレーニングの続きを行う。AGIとVITが上がったところで終了し、白猫亭に戻り、夕食を取る。その後、温泉に浸かり、じっくりマッサージをを行った。


 あとは、魔核の合成をし、低級魔核「80/100」と中級魔核「22/100」を得た。


 魔核の合成が終わったので就寝する事にする。


 こうして、エスティライド生活の10日目が終わった。

後輩いじめ、いいえ特訓です。


カナタ ミサキ

種族:人間

性別:男

年齢:25

職業:暗殺者|武神

レベル:39


HP:1,325/1,325

MP:1,200/1,200+100,000

STR:206(257)25%

VIT:212(265)25%

DEX:210(304)45%

INT:240

AGI:206(298)45%

LUC:999


9,401,428ガル


スキル

特殊スキル

変化なし


パッシブスキル

変化なし


アクティブスキル

変化なし


称号

変化なし

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