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罪負いの遺影塔
きっと俺は、おかしくなり始めている。心の底に溜まる闇が、消えそうになっている。治せもしない様な傷が、塞がりつつある。それはつまり大人になりつつあると言う事だろう。
嫌だ。そんなのは嫌だ。
俺は自分で死を選ぶその時まで、重苦しい感情を背負っていたい。誰かの絶望を癒したい。逆らっていたい。毎日バカみたいに笑って暮らすなんて、真っ平御免だ。
希望は幻で、絶望は現実である。この不確かな身体を、僅かに残ったリアルを、霞に消してたまるか。同化してたまるか。
あいつらにあの子は救えない。だから俺が救わなきゃいけない。絶望しか掴めないこの手で、いつかその手を握らなければ。その涙を拭わなければ。
そういう事だ。
俺は俺を繋ぎ止める。だから意志を積み重ねる。
この塔が墓標になったら、
俺は自分を殺してやろう。