がいっでんっしちゃう!!
読む前にご覧下さい。
・まだ色々と余裕は無いので外伝です。
・↑の理由の為短めです。
・外伝なので今の所は読まなくても問題無いです。
でも読んどいた方が後々面白いかもです。
・出来立てほやほやなのでこれも後々いじくるかもです。
・試験的に本編と違った描写(?)っぽくなってます
・フガク3兄弟の名前を覚えやすいように変更しました。
・カピバラェ…
時間は遡り、ウルジア初の脱色系男子(笑)が生まれた頃
シシュウから遥か北東の海上では一隻の帆船が帝国領に向かっていた
「道月、紹蓮、ホントに良かったのか?今ならまだ引き返せるぞ?」
「何を仰いますか、私は殿の家臣でございます。付き従うのは当然の事です」
「もう話しただろ?俺はキョクトウの人間じゃないんだ。
殿にも暇を頂いた、もう二人が付き従う理由は無いんだよ」
キョクトウ
ウルジアで最も東に位置する小さな島国
ここはキ族と並ぶウルジア最強種族『ブシ』の領土となっている。
個体数は少ないものの、圧倒的な力で敵を蹴散らすキ族に対し、ブシは大規模集団での戦闘、
つまり戦争において無類の強さを誇っていた。
基本的にこの2種族はウルジアにいる殆どの種族と同じく、手を出さなければ仕掛ける事は無い。
だが、かつての皇帝が領土拡大とその武力を支配下にする為、調子こいてキョクトウに侵攻した。
帝国の十分の一以下の国土、引き連れた兵はウン十万、指揮する将は百戦錬磨の猛者ばかり。
にも関わらずぼろっくそに叩き潰され、
指揮した将軍達は放屁、放尿、脱糞のトリプル役満をかまして命からがら逃げ帰った。
その後、『ウルジア半分を以てキョクトウと相対すべし』
訳(キョクトウと殺り合うってことはウルジアの半分を敵に回すようなもんだぜベイビー)
という言葉が広まり、帝国は以後も領土を拡大し続けるがキョクトウに対しては不干渉を貫いていた。
それ故に帝国の目から逃れるには最適の場所であった。
「出自や身分など関係ありませぬ、私は貴方を生涯の主にすることを誓いました。
それに殿にはまだまだ学んでもらわなくてはならない事もございます」
「はぁ…紹蓮は?」
「俺?んー…キョクトウはもう戦は起きなさそうだからねー。そうなると俺みたいなのは暇になるじゃん?だったら付いてった方が面白そうかなーって。
殿も義兄も一緒なら退屈しないっしょ」
「これ紹蓮!」
「いいさ道月…ありがと、二人が居てくれて心強いよ。
至らぬ主君だけど、これからも力を貸してくれ」
「はっ…キョクトウの情勢が落ち着き次第、残った者達も殿の下に馳せ参じましょう。定期的に連絡を取っておきます」
道月と呼ばれる男がそう言い終えた瞬間、船体左の海面が盛り上がり、巨大な鮫が飛び出した。
帆船よりも一回り大きいその鮫は押し潰すつもりなのか、船の真上まで飛び上がり落下をはじめる。
鮫の所為で海面は波立ち、帆船は転覆こそ免れているものの、普通の人間なら海に放り出されそう
なほど大きく揺れた。
だが紹蓮と呼ばれていた男は足場が最悪の状況であるにも関わらず、平地にいるかのごとく鮫に向かって飛び上がり腰に差していた『刀』を抜き、横薙ぎに払った。
鮫は胴から両断され、二つの肉塊は船を避けるように海に落下した。
紹蓮は何事も無かったかのように着地し、血振りをしてから刀を納めた。
「今日の夕飯げっとー、でも最近魚ばっかりで飽きるよねー。白米が恋しいなー」
「仕方あるまい。船上で米を炊く訳にもいかんだろう、保存食にも限りは有るのだ」
「…にしてもさ、大殿は怒ったりしなかったの?『よくも俺を欺いてたなー』みたいな」
「あー…違う意味で怒ってたな」
キョクトウ 案土城天守
「おめーんな面白い出自なんでもっと早く言わねーんだよ!!!」
「隠れる為に来たのにバラす訳無いでしょうが」
「あーーもうクソッたれ!!!もっと早く知ってりゃーさっさと忠っちの後見人に仕立て上げて早く隠居できたってのによーー!!」
「父上、落ち着いて」
「無理矢理過ぎでしょう」
「あーあ、やる気失くしたー九郎ちゃんが俺に隠し事してたって分かって俺やる気なくしちゃったわー、あーあーもうしらねーおれしらねーかんじへんかんするきもなくしちゃったわー」
「子供みたいな事言わないで下さい」
「あーあー…んで?くろうちゃんもどんの?」
「変換して下さい、読みにくいです。…これ以上留まり続けるのはキョクトウにとって喜ばしい事にはならないでしょうから」
「確かに…織田の名の下に漸く一つに纏まったといっても戦後処理はまだまだ残っています。ここで外部からの干渉が起きれば厄介な事になるでしょうね」
「まるで狙ったかのようなタイミングだなーふしぎだなー」
「わざとらしいですよ…お察しの通り私が帰らざるを得ない状況になるまで待っていたんでしょうね」
「…? 九郎殿は死んだと思われていたのでは?」
「そっちの方が都合の良い奴がいたって事だよ忠ちゃん」
「ええ、どうやらシュンガク…ここに来た男ですが、アレは私が生きている事も
キョクトウに居る事も知っていたようです」
「九郎ちゃんが成長して、且つ拒めない状況になるまで待ってたわけだ。やり手だねぇ…ま、いい。JIJYOUは分かった、九郎ちゃんが居なくなるのはかなり痛いが
しょうがないな」
「家臣の身で我侭を言う無礼、どうか御許し下さい」
「あーあーほんとだよなー、隠居して暇になったからイロイロ連れまわそうと
おもってたのになーあーあーけいかくかんぜんにくるったわー」
「……」
「……助けが必要になったらいつでも呼べ。遠慮すんなよ」
「…」
「面白そうな事に首突っ込みたいだけですよね?」
「当たり前じゃん」
船上には三人の男
長い間死んだと思われていた帝国の皇位継承権所持者(皇帝の嫡子)
キョクトウでの名を『源氏九郎』
それに付き従う二人のブショウ『立花道月』『高橋紹蓮』
「あーそだ、最後に聞かせてよ九郎ちゃん。ホントの名前」
「…ヒルドブルグ・ジェスティア・バールハイトと申します」
「なっがいなまえー舌噛みそー」
「親しい者にはヒジョウと呼ばれていました」
このお話のもう一人の主人公…かもしれない
もっとも、彼を主役にしたお話はだいぶ先になる。
次に名前が挙がるのでさえ、まもなくシシュウで起きる2つの大事件の一つが終わった後のこと。
とりあえずサブ主人公的ポジションだと思ってくれればいいと思う。
はぁ?カピバラ?げっ歯類がどうかしたの?
最後まで読んだ貴方はッ!
『カピバラェ…』と言うッ!!!