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君らといれたこの春から夏にかけて

作者: RK

白い服を着た茶色の髪をした男がいた。

彼は椅子にすわり、少年とその両親にこう言い放った。

「余命、1年くらい。」


「…え?マジ?」

両親のほうが驚き、少年は黙っていた。

灰色の髪をした、見た目高校生になりたてだった。


「どうします?延命治療を受けますか?」


茶色の髪をした医師の薄い唇から言葉が発せられる。

少年はそれにこう答えた。


「べつに、いい。」

このとき、少年はこう思っていた。

 僕の人生なんか、誰のためにもならないし、そんなに濃いものではないものだから、と。

―――――――――――――――――――――僕の誰にも言えない秘密、それは。

「心臓病で死ぬ」

だった。





春 


高校の鐘が鳴り響く。


僕は、教室前の廊下を歩いていた。

「…あともう3カ月か…。」

平凡だ…。

まあ、当たり前なんだけど。そんな、漫画みたいなすごいものなんて、存在しないのだから、期待したって、無意味なだけだ。


後ろから走ってくる音がした。


「?」


そしてその音は彼の後ろで止まった。





…こいつ、ほんとにマジで1年か?!

僕(153cm)より10cmいじょうあるんだけど?!


「…何見てんですか?祭り行くんだから俺の彼女待ってるし急ぎましょうよ。」

この自分勝手な癖に馬鹿丁寧口調なやつは 荒野(あらの) 耶麻(やま) 。同級生で読書仲間だ。

・・・いまは。


「…なんか僕思うんだけどさあ、耶麻が1か月前に図書館の場所わかんなくて図書委員の僕に道を聞いてきたのが、僕の人生の終わりの瞬間だと思うよ・・。」


水風船とか団扇とかわたがしとか持って、いろんな方向からいろんな方向へ足早に横切っていく浴衣の人々。


「すいませんでしたね。…そういや彼女待ってるのって、一体の一体、どこのどこでしたっけ???」


・・わからないのも無理はない。ここは交通規制された商店街の道路のど真ん中。

しかも人がぐちゃぐちゃに入り混じっている。


「・・あのさあ耶麻っていろいろ検定受けて資格とか持ってたんだよな? (記憶がいいって意味で)」

・・・・・見つかるわけがない。

こんなお祭り騒ぎっつうようなとこで集まらなけりゃいいのに・・・・。暑いし。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!」

突然耳元で誰かの大声を聞いた。ただでさえ暑いのにそれは、それをはるかに超える、  ・・・・・・・・・怒りの暑苦しさだった。


「お、そこにいたか   山本(やまもと) 美香(みか) 。」

それとは正反対に耶麻は、カキ氷ができるかもしれないくらい涼しげに、しかもフルネームで言った上に、いつも無表情な癖にこのときばっかりはさわやかな笑顔を見せた。


「そこにいたかじゃねえよおおおおおおおおてめええええ!!!!10っぷン前から半径1メートル以内にいたわ気づけよ!!」

…この厄介な性格のこの子は同じく同級生で僕とははっきりいって関係ない、茶道部所属で明るい性格の、女子だ。


…僕は言ってやった。

「…あのさあいくら君ら今日に限って見た目お似合いなのにさあ、それじゃあ台無しじゃね?」

・・・・・・・・・そうだそうだ台無しだ。(自分でうなずく僕。)

紫色のアゲハ蝶が描かれた浴衣がなぜか似合う、茶髪で頭のやや斜め上で髪をまとめているこの子と。

やや黒っぽい浴衣で、白髪短髪のいかにもスポーツ系の長身男(?)がそろっていがみ合ってるのはだめだ。


「別にいいじゃないですかこーゆータイプのカップルってありでしょう。」


手を挙げながら言っているとカッコつかないってこいつに教えてやろうか迷ったが教えてやらなかった。

美香はというと思い切り自分の彼氏をにらんでいた。


「てめえはあたしには敬語使わないの!?・・・てか (さち) (りゅう)() 君、久し振りだよな。相変わらず読書とかモクモクやってた?・・でもピンクい桜の絵が描かれた青い浴衣、チョー意外。」


・・といいながらもまだにらんでいる・・・うん。

・・・まあこれもありか。


「…別に特に…。宿題とかやってただけだし。」


…これは嘘だ。実際は2週間入院生活で三日前やっと退院できたばっかだし。

だから今日この日(友達)に会えたのはとてもすごくうれしくて―――――。


「…とりあえずあそぼーぜ?」


…だから手を挙げてるとカッコつかないって。


…というわけで僕らは(遊び)始めることとなった。



「なんかいが―い。竜真ってなんでも器用っぽい感じするのにめちゃくちゃ不器用なんだね―――。」

余計なお世話だ。…だって初めてだし。


「生まれつきだよ。」





帰り道。

「今日はなんか竜真さんの以外な一面が見れて楽しかったです。」


もう誰もいない商店街で、3人。

ゆっくりそろって歩くのも…初めてだ。


「何マイク持ってるふりして言ってんの竜真君がかわいそうだよ」


かばう感じで言ってるが顔は笑っていた。…そんなにおもしろかったのか。


「…別にいいよ。」


・・・・だって。


何もかも新鮮で、楽しかったから。


「じゃあ、また。」


…なんだかこれは、僕にとって最後の出会いになった気がした。


―――――翌日。


僕は、とうとう倒れた。

もともと、あと2カ月ってゆう感じだったから、まあ当たり前なんだけど。

自分の部屋で倒れるのって、おかしくないか?


「竜真っ!!!」


たまたま同じ2階にいたお母さんがドアを乱暴に開けた。


瞬間昨日会った二人がまぶたの裏に浮かんだ。

そしてふとおもった。


・・・君らと会えて、よかったよ…。


僕の人生は、これで、終わった。


「遺言」


みんなには、「竜真は転校していった。みんなと会えてよかった。・・といっていた。」と伝えてください。


あとがき


なんかわかんないけど悲しいけど終わりました!皆さんご愛読ありがとう!!!なんかこれに関して知りたいこととかもっとエピソードで知りたいとかあったら言ってください!!…自分がんばって書きますから…。下手でごめん…。


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