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プロローグ
プロローグ
最近よく思う事がある。
それが日増しに強くなり、たまらなくどうしようもなくなる時がある。
俺はアイツと出会ってしまったのだと。
何故、アイツと出会ってしまったのだろう、出会わなければ良かったと。もし神様ってヤツが居るのだとしたら、俺はソイツを恨むだろう。
でも、アイツと出会えて良かった、とも思う。その時俺はその神様ってヤツに感謝する。
でも、何故俺はアイツをあいつに会わせてしまったのだろう。こうなる事は最初から解っていた筈なのに、俺はアイツをあいつに渡してしまった。
人生は文字盤のないルーレットだなんて、よく言ったもんだぜ。
それなら運命ってヤツは一体何なんだ?
そのルーレットに突き刺さっただけの矢なのか?
俺がアイツに会ってしまった事は、その運命ってヤツがぐるぐる俺のルーレットの上で、刺さったまま回っているだけなのだろうか。
俺、矢神晃一は17歳の時に、光月司と出会ってしまった。
その時アイツはまだ14歳だった。
瞳が綺麗だったんだ。
角度が変わるとその色も変わる琥珀色の瞳だった。