馴れ初め
しょうがないわね。ママ、恥ずかしいから
一回しか言わないよ!
パパと出会ったあの日、ママは一瞬で雷に打たれたの…。そう表現するしかないの。
心臓がギュッとなるって、こういう感じなんだなってママ思った。
だって、それまでのママは普通の毎日を送っていたし、あの日だってママは仕事帰りに歩いていただけよ。
そしたら突然、雨が降って来たの。
雨はどんどん強くなって、ママは傘を持っていなかったから、雨宿りをする為に木の下に駆け込んだの。
そして、パパと出会ったのよ。うふふ。
そうよ。雷に打たれたママは、気づいたら雲の上にいたの。
目の前には雷太鼓を背負ったパパがいてね。
真っ赤な体に立派な角が二本付いて。
すごく格好よかった。
後から聞いたら、パパがママに一目惚れしてわざとママに雷を落としたんですって!
全く、パパったらずるいわよね。
さぁ!これでいいでしょ?
さっさと今日の宿題の雷雲を作る練習をしなさい、青鬼!




