17.発見 (日夏過去編)
眉間にシワを寄せ遠くから圧をかけてくる彼女......いやそんなつもりは無いのかもしれないが、かなりの圧力を感じる。
(後ろ? ......には誰も居ない)
亜麻色の髪のサイドテールが特徴的な彼女は、その制服の着崩し方と長い爪、ピアス......それらから俺の苦手なギャルである事がわかる。
(あいつ、確か同じ学校の......確か名前が真白だっけ? 同じマンションに住んでたのか)
『今年の新入生は化け物だ......ッ!』と生徒に限らず教員達までもが口々に噂する、彼女は新入生2大美女と呼ばれている一人、真白日夏だ。
モデル並に整っているスタイル、愛嬌のあるベビーフェイスを兼ね備えた美貌に、その魅力に恋い焦がれる男子は少なくない......つーか、噂によれば実際にモデルの仕事してるらしい。名前は忘れたが、人気雑誌の読モだそーだ。
ちなみにいうとその二大美女のもう一人は、黒乃白雪といい俺の幼なじみだったりする。関係ないけど。
その2大美女はタイプが正反対で、元気いっぱい天真爛漫の真白日夏と、大人びた清純派美女の黒乃白雪。対照的な二人には入学初日にファンクラブまで作られ派閥が生まれた。
(確かにどっちも綺麗だが、人気ありすぎだろう......)
まあそんな彼女、真白日夏だがなぜ俺をあれ程までにガン見してくるのか......カースト最上位に位置する彼女に睨まれる心当たりは勿論、俺にはない。だからこその無実の罪の恐怖に内心焦りだした。関係ないけど冤罪って言葉、聞くのも怖いよね。
そんな事を考えていると、配達員さんが笑顔で頭をさげた。
「ありがとうございました〜」
「あ、ご苦労さまです......」
じーっとこちらを眺める彼女。というよりも睨んでいると言ったほうが正確かもしれない。しかめっ面でこちらを凝視している。
(怖い......なんなんだ、あれは。 ここは......とりあえず、スルー推奨か)
荷物を受け取り、何も見なかったフリをして扉を閉めようとしたとき、「ちょーっと待ったぁ!!」と、猛ダッシュしてきた彼女によって、それが阻まれた。
「おわっ!? な、なんだ!?」
真白がずいっと顔を接近させてくる。
(近い近い近い!!?)
吸い込まれそうな宝石の様な碧く美しい瞳。
「ねねね、それ!!」
「え、え? どれ?」
「そーれーだよー! その小包! その箱のマーク、FDのだよね!? 君、FD好きなん!?」
彼女は箱を指差し目を輝かせている。
なにこの食いつき方!怖い!!......あ、あれ、ていうかこの反応、もしかして真白さんもFDプレイヤーなのか?
いやギャルってネトゲすんのか?(偏見)
「あ、えっと......まあまあ」
「え、なんで!? まあまあでそんなん買わないじゃんか!」
勢いが凄い!このテンション、陰の者にはキツイぜぇ!つーか近い、近い!顔をそんなに寄せるなよ!




