第7話 分岐点~『トイレに行かせて!』に対するアンサー
――トイレに……行かせて、もらえないだろうか……?
ルイボスティー責めから30分、お散歩開始から合計1時間20分。
とうとうイングリッドさんから、この台詞が飛び出しました。
涙目で、膀胱に刺激を与えないようなか細い呼吸。
まだ、腰の落ち方はそれほどでもありませんが、脚を開き過ぎないよう、歩幅はかなり狭くなっていました。
そして、足を止めるとモジモジが止まりません。
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イングリッドさん、100%超えです。
膀胱はまだ膨らむ余地がありますが、意識としては『我慢の限界』。
脳はひっきりなしに開門を求めているところでしょう。
ここまで、頑なに尿意を否定し続けてきたイングリッドさんですが、ついに敗北宣言。
そして、言われたからには私も返答をしないといけません。
いや、そんな義務はないんですが、ここで無言じゃ話が進まないんで。
現在、イングリッドさんの周囲には、飲食店、ゲームセンター、カラオケBOX、あとライブハウスなんてものもありますね。
ここでOKを出したら、まぁ、店員の許可のいらないゲーセンに飛び込むでしょう。
そうなれば、この至福のモジモジ散歩もおしまいです。
ここは、断固『NO』。
じゃあ、断り方は? 普通にNOと言った時のデメリットは、前話で話しましたね。
なので、ちょっと一工夫して『散歩が終わるまで我慢だ』とかどうでしょう。
これなら、行かせないとは言っていないので、デメリットもかなり緩和できるはず。
イングリッドさんの膀胱の状態、残り時間、飲んだ水分の質と量、全て考えて、あと40分我慢は絶対に無理なので、失禁に持ち込むこともできます。
が、これは最終手段として、もうちょっと、意地悪をしてみましょう。
つまり――
『我慢できないのか?』
「っ!」
これです。意を決して『トイレ』とは言えても、『漏れそう』とまでは言えないことは多いです。
イングリッドさんも、我慢の限界なのかと聞かれて、俯いてしまいました。
さぁ、結果は?
「べ、別に、そこまでっ、では、ふぅぅっ! な、ない……!」
いただきました。明らかに限界なのに、『漏れちゃう』とは言えないイングリッドさんたまんねぇ。
『では、散歩を続けるぞ』
「あぁぁぁぁ……っ」
イングリッドさんの悲し気な悲鳴が、小さく響きます。
目尻の涙が、ハラリと頬を伝いました。
進退窮まった感のあるイングリッドさんですが、そんな彼女に、新たな試練が襲い掛かります。
「こーんにちわ! エッロいかっこだね? なんかの撮影?」
「あれっ、泣いてんじゃん。俺たちが優しーく、慰めてやろうか?」
DQNの登場です。
こうゆう『漏れそうな時にモブキャラに話しかけられる展開』も、おしっこ我慢ものではよく見る展開です。
尿意を悟られないよう震えや脚の動きを抑えて、何とか退散させようと頑張る姿。
いいんじゃないでしょうか。
そこから先は、中間イベントとして無事逃げ出すもあり、追い払えずに目の前で漏らすもあり。
さて、今回はどうでしょう。
普段のイングリッドさんなら、相手にもせず、肩でも掴まれようものなら投げ飛ばして終わりですが、おしっこ我慢の限界の今はそうはいきません。
そんな力を入れたら、モジモジ散歩はここで強制終了。新番組、ジャバジャバ散歩が放送開始です。
「私に……くぅぁっ……構うな……っ!」
何とかDQN共を睨みつけ、拒絶の言葉を吐きますが、涙目では何の迫力もありません。
それどころか、足を止めたせいでモジモジが始まってしまい、それをDQN共に見られてしまいました。
その片割れが、ニヤリと笑います。こいつ、おしっこ我慢フェチです。
残念ながら、我慢フェチが皆、品行方正な黄金紳士とは限らないのです。
「そっかそっかぁ……な、漏れそうなんだろ?」
「っ! そ、そんな、ことは……!」
図星を突かれ、狼狽えるイングリッドさん。
フェチDQNはススーッと距離を詰め、動きの鈍ったイングリッドさんを捕まえてしまいます。
「は、離せっ! ああぁっ、い、痛い目を、んんっ、見ることに、なるぞ……っ!」
「おーこわ! でも~、そんなこと言ってると~、オシオキ!」
そう言ってDQNは、現状では満タンのイングリッドさんの膀胱に手を伸ばし――
――パンッ! パンッ!
「ん゛はあ゛ぁっっ!!?」
何と、手の平でパンパンと叩いてしまいました。
パンパンの膀胱をパンパン……忘れて下さい。
大ピンチのイングリッドさんですが、ここで一旦ストップ。
みなさん、膀胱プッシュはお好きですか?
私は、大好きです。
おしっこ我慢少女の最大の弱点、膀胱。
そこへの直接攻撃を邪道、と言う方もいるでしょう。
実際、完全に外部からの攻撃なので、これで漏らしても『お腹を押されたから』という言い訳ができてしまいます。
が、私は膀胱プッシュには、それを受け入れてでも突撃したくなる魅力を感じているのです。
それはやはり、反応です。
ちょっと膀胱に圧力をかけるだけで、我慢中の少女が大きな反応を示してくれる。
今まで何とか強気な姿勢を保っていたヒロインが、一瞬で泣き叫んで許しを請う。
これで漏らしたら漏らしたで、『自分の手でトドメを刺した』という達成感も得られる。
この魅力に、私は抗えないのです。
R18のモニョモニョなところでもできる?
そうかもしれませんが、モニョモニョは余計な感覚も付いてきます。
純粋に、尿意だけを強められる膀胱だからいいんです。
ちなみに、実際にパンパンに張った膀胱に強い力を加えると、膀胱は破裂するらしいです。
イングリッドさんの膀胱はファンタジーな強度なので無事ですが、現実世界ではもっとゆっくり、優しくプッシュするよう、ご注意下さい。
そんな機会があればですが。
「ほら、もういっちょ」
――グッ! グッ!
「あ゛あ゛あ゛ぁっっ!! やめろっ! やめろぉぉっっ!! あ゛ぁっ!?」
チョロロッ。
おおっと!
イングリッドさん、2度目の膀胱への攻撃には、耐えきれなかったようです。
外からではわかりませんが、下着に染みを作ってしまいました。
これはよく聞く話ですが、女性の尿道は短い上に直下型で、一度漏れ出すと、男以上に止めるのが困難らしいです。
が、私の作品のヒロインさん達には、ちびってからの話も長く書きたいがために、いつも不可能レベルな失禁止めに挑んでもらっています。
皆の強靭な括約筋に感謝を。
イングリッドさんも――
「くうううぅぅぅっっ!!」
止めたぁーーっっ!!
そしてそのまま、3回目に及ぼうとしたDQNに膝蹴り。DQNのDQNを粉砕しました。
泡を吹いて倒れるDQN。ですがイングリッドさんも――
「あぁああぁあぁぁっっ!!?」
反動で、閉じたばかりの尿道が、また少しだけ開いてしまったようです。
下着の染みが、結構大きくなってしまいました。これはホットパンツに染み出すのも、時間の問題です。
お腹を庇いながら、生まれたての子鹿のような姿勢で逃げていきます。
手は横でキープの約束ですし、歩くのも早いですが、さすがに見逃してあげましょう。
DQNの片割れが追いかけようとしましたが、残念ながら、騒ぎを聞きつけたお巡りさんに、肩をポンポンされてしまいました。
お疲れ様です。
さて、無事に逃げおおせたイングリッドさんですが、膀胱への攻撃と、尿道に入った呼び水で失禁寸前です。
律儀に散歩ルート上を逃げて行きましたが、公園に着いたところで立ち止まってしまいました。
「トイレ……っ……トイレに行かせてくれっ! お、お願いだ……っ!」
さあ、2回目のトイレ申請です。とりあえず、さっきと同じこと聞いてみましょう。
『我慢できないのか?』
「我慢できないっ! もうっ、我慢できないっ! このままではっ、漏らして、しまう……!」
本当に限界を超えてしまったようで、今度は素直に限界を認めるイングリッドさん。
本来ならここで、必殺『散歩が終わるまで』の出番です。
恐らくそれを言えば、イングリッドさんは延々、私にトイレを請う言葉を吐き続けてくれるでしょう。
ですが、DQN達がここに追い詰めてくれたお陰で、また別の選択肢が生まれました。
『仕方がない……ただしトイレに行っている時間の3倍、散歩は延長だ』
「あぁ、わかったっ! か、感謝するっ……ああぁっ、ま、まだだ、出るな……っ!」
トイレを、許可します。
何故か? それは次の話で。