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第9話 フィニッシュ~大人ならTPOを弁えた失禁を

「す、すまないっ、あぁっ、答えてくれっ! 頼むっ!」


 はいはーい、なんでしょう?


『どうした?』


「トイレの場所を、教えてくれっ! 使える、トイレが無くて、あ゛あ゛っ!? も、もう、ダメなんだ……っ……漏らして、しまう……っ!」


 いいですね、私なら、使えるトイレの場所を知っている可能性に気付いたようです。


 自分を脅迫する卑怯者に縋る。

 強気なヒロインが、漏らす直前に見せるなりふり構わない惨めな姿も、おしっこ我慢の楽しみの一つです。


「お願いだ……っ……助けてくれ……こんなところで、漏らすなど……っ……あぁぁっ、お願い……お願い……します……!」


 最終的に、憎き脅迫者に敬語まで使ってしまう。お漏らし回避のため、次々と虚勢が剥がれ落ちていくイングリッドさん。


 いい、いいですよ。そんなイングリッドさんに、最後の希望を与えてあげましょう。

 お漏らしは、少しでも希望が残っている状態の方が、絶望感が増しますからね。



『次の角を右に。そこから100mほど歩けば駅前に出る。駅ビルか、駅構内のトイレを使いたまえ』


「あぁぁぁっ! か、感謝する……!」



 この瞬間、イングリッドさんは恐らく、自分が誰のせいでこんな目にあっているかも忘れたことでしょう。

 いやまぁ、半分以上自分と不運のせいだと思うように仕向けてはいますが。


 尚、本当の最寄りのトイレは、50m戻ったところにある三つ星レストランです。

 流石に飲食店なら、客へのトイレ封鎖はしていません。

 そうとも知らず、健気に駅までの道を進むイングリッドさん。



「ひゅぅぅ、ひゅぅぅ、ん゛ん゛ぁっっ!!?」

(あぁぁっ、待ってくれっ! あと……あと少しなんだっ!)


「くひゅぅぅっ、くひゅっっ、あ、あ、あ、あっ!」

(あぁっ、もう、止めていられないっ! お願いだっ、まだ、出ないでくれぇぇっ!)



 必死の願いと裏腹に、おちびりが増えていきますね。

 おしっこが、ホットパンツから太ももに滴り始めました。雫が右足に2本、左足に3本。


 現在の状態は。


 656/552ml(-57ml)(119%)


 ここまで追い詰められたイングリッドさんですが、彼女、前押さえをしていません。


 おしっこ我慢の最終形態『前押さえ』。


 股を押さえる仕草が自慰行為を思わせることで、見ている者の興奮を誘う……なんて言いますが、皆さんどうでしょう?

 私は、それで興奮するくらいなら、そもそもこんな性癖に目覚めていないんじゃ? なんて思ったりしてます。

 私の自覚症状だと、おしっこ我慢に似てるから、自慰のポーズでもそこそこ興奮します。


 そんな感じで、理由はわからずとも大好きなこのポーズですが、これをやるかはヒロインの性格と、周囲の状況次第にしています。

 押さえない子は最後まで押さえないし、押さえる子はファーストおちびりの後から押さえっぱなしです。


 ここは、キャラの性格付けを優先。


 イングリッドさんは、視線があろうとなかろうと、おしっこが止まらなくならない限り、前押さえはしません。


 両手の助けもなく、括約筋の力だけでおしっこを留めるイングリッドさん。

 最後の力を振り絞った甲斐があったのか、おちびりも、あの後は小さいのが2回だけ。

 朦朧とする視界に、ついに駅ビルが飛び込んできました。



(ま、間に合ったっ! あと、あと、少し、あと――)


 ジョロロッ!ジョッ、ジョッ、ジョォォッ!


「あ゛っっ!!?  あ゛っ、あ゛ぁっ、あ゛はっ!?」

(ああぁっ! 待て、まだだ、出るな、出るなぁぁっ!)


 建物が見えると、なんだかもう間に合った気になってしまいますよね。

 実際は、女子トイレが3階だったり、見付けづらいところにあったり、並んでいたり、すぐに入れるとは限りません。

 そもそもイングリッドさんは、建物に着いてすらいないんです。


 ここにきて、致命的な気の緩みを見せてしまったイングリッドさん、ホットパンツの染みをさらに広げ、太ももにちょっと太い水流を垂らしてしまいました。

 膝もガクガク震えて、今にも崩れ落ちそうです。


(も、漏れるっ、漏らしてしまうっ! ダメだ、耐えろ、あと、あと少し、あと、数秒なんだ……!)

「ぐぅぅうぅぅあっ! くうぅうううっっ!!」


 実際は、最短の改札内トイレでも、あと2分はかかります。今のイングリッドさんでは、改札をくぐるあたりでゲームオーバーでしょう。

 でも、そんなことは考えたくもないイングリッドさん。

 もう力を失った括約筋を、乙女の意地だけで締め上げます。


 精神が肉体を凌駕するのは、何もバトルものだけの話ではないのです。

 むしろおしっこ我慢のクライマックスこそ、折れた肉体を心で支える場面です。


 駅ビルに向け、懸命に足をすすめるイングリッドさん。

 ですが、その足がぴたりと止まってしまいました。




「ん、んんっ、そんなっ……そんな……っ!」




 ――フィニッシュについて。


 もう何度も述べさせていただきましたが、私は衆人環視の中のお漏らしが好きです。

 その『衆人』が全員見知った人物なら最高なんですが、見知らぬ大衆でもそれはそれで。


 無数の視線に『お漏らしをした無様な自分』を見られる羞恥、屈辱、喪失感。

 おしっこ我慢のラストは、本当ならそうゆう、一切の救いがない、羞恥の逃げ場がない、破滅エンドであって欲しいと思っています。


 水ぶっかけて助けてくれた男子と結婚しました、とかは、まぁラブコメの中で我慢イベント入れるならありなんですが、おしっこ我慢メインの話の結末としては、モヤモヤが残ります。


 イングリッドさんは、今後も別作品に出演してもらう予定のヒロイン。

 本編ではそんな感じの『みんなにはバレてない』エンドに導くことなったんですが、ここはイングリッドさん本来の世界ではありません。


 盛大に、公開処刑といきましょう。


 イングリッドさん、もう数秒も我慢できないってところで、信号に足止めされてしまいました。

 ただの信号ではありません。

 話は6話に戻りますが、この街、何をモチーフにしていたか、覚えている方はいますでしょうか?



 答えは、渋谷、表参道です。


 渋谷、駅前、信号。

 もうわかりましたね?



 イングリッドさんの足を止めたのは、日夜大勢の人が行き交い、ハロウィン、ワールドカップでは暴徒で溢れかえる、渋谷スクランブル交差点です。



「あ……あぁ……あ゛っ!?」



 横断歩道に面した、1番先頭に立つイングリッドさん。

 大波に、無意識に両手で出口を押さえてしまいます。


 エロホットパンツで、おしっこ我慢最終形態のイングリッドさんに、スクランブル交差点全方位から視線が集まります。

 私が車運転してたら、ハンドル操作ミスる自信があります。


(ひ、人が、こんなに……っ……視線が……あっ、出る。ダメだ、出るな、出るな……っ!)


 信号が変わればすぐに、もうどんな情けない姿を晒してもいい、だからどうかお漏らしだけは……そんな叫びが聞こえてきそうです。


 さて、数秒後に控えたフィニッシュですが、ここもかなり趣味が分かれるんじゃないかと思っています。


 リアリティを求める方は、恐らく静かなフィニッシュを求めるのでは?

 無言で、表情もあまり変えず、下半身を見なければ漏らしたと分からないような状態。


 おしっこも、最初はガチガチに固まった括約筋のせいで、チョロチョロとしか出てこない。

 徐々に勢いが強まって、周囲がざわつき出すんです。

 ざわつくけど、周りは日本人ですからね。忌避の目で見つつ、何もせずに通り過ぎます。

 稀に優しい方がいて、後始末の世話をしてくれるかもしれません。


 対して、派手さを求めるのがファンタジー派。

 感情の爆発のまま『あぁーーーーっっ!!』っと大きな悲鳴を上げたり、最後の抵抗で『んぎぃいぃぃっ!』っと力いっぱいの呻き声を出したり。

 私は最近だと、出る直前の頂点に達した尿意と、放尿の快感に押され、半分無意識で『ん゛あ゛ぁっ!』と短く叫ぶのが好きです。

 多分、そうゆう断末魔を何かの作品で見たんでしょうけど、もう覚えていませんね。


 おしっこも最初から最大出力です。リアリティより『ここだよ!』ってことを、読者さん、あと自分に伝えることが優先です。


 音にも好みがありますね。



 『しゅわわわわわ』

 『しょーーーー』

 『プシャァーー!』

 『ジョォォッ!』

 『ジョババババ』



 『しゃ、しゅ、しょ(+濁点)』は共通ですかね。


 衣服の濡れ具合が伝わる『しゅわわわ』。

 語尾を伸ばしているのは、おしっこが出ていることの表現ですかね。


 『プシャァ』のように軽快な音なら、出口から噴き出す様を、『ジョ』でちょっと重い感じにすれば、衣服に当たった瞬間をイメージできるかと。

 語尾の伸ばしかたも人それぞれ。棒で伸ばす人、ア行で伸ばす人、ア行でも大文字か小文字か、全部混ぜる人もいますね。

 私は決壊シーンではア行大文字を多用します。音の大きさを表現したい。


 『ジョババババ』は地面に当たって跳ね返る印象。


 ここまで書いておいてなんですが、作者が小学生のときにおしっこ漏らした時は、『括約筋の硬直? なにそれ?』ってレベルで最初から最大出力でした。


 では、それを踏まえて、イングリッドさんの最期を除いてみましょう。


 647/552ml(-87ml)(117%)


 さっき盛大にちびったんで、膀胱の中身は減っていますね。といってもパンパンなことには変わりませんが。


 ジョロロッ!

「あ゛あ゛ぁっ!? ん゛んっ、ぐぅうぅっ!」

(出るっ!? 嘘だ……そんなっ……私が……こんな、ところで……!)


 信号は変わりません。赤信号の目盛りはまだ半分近く残っています。


 ジョォォッ! ジョォォォォッ!

(あぁぁっ、出る、漏らしてしまう……嫌だ……っ……い、嫌だ……!)


 足元に、何滴かの雫が落ちました。周囲の人々が、イングリッドさんから少し距離をとります。

 赤信号の目盛りは、あと1つ。


「あと……すこしぃ……ん゛あ゛ぁはっ! おねがぃだぁ……!」

(こんなっ……私が……ダメだ……お、お漏らし、などぉ……!)

 ジョッ、ジョッ、ジョッ!


 また雫が落ちます。

 赤信号の目盛りは消えました。


(あと、ほんの、数秒! 数秒で、トイレに……トイレ、なのに……っ……出るなっ――)

「たの、む……あ゛っ……でるな……で、でりゅ……でっ、あ゛っ、あ゛はあ゛っ!?」



 奇しくも、信号が青になった瞬間のこと。

 大量の尿を押しとどめていたイングリッドさんの『信号』もまた――青に、なってしまいました。



「ん゛あ゛ぁあ゛ぁっっ!! だめ゛ぇっ!」


 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!



 信号待ちの先頭で、交差点のほぼ全員の視線が集まる中、ついにイングリッドさんの堤防は決壊してしまいました。

 押さえた手の隙間から、黄金の滝が流れ落ち、太股も、ニーソックスも、地面も、イングリッドさんの股から下のものが、全てびしょびしょに濡れていきます。



「おい、アレ……っ」

「マジで? 漏らしてんの?」

「やだ、きったない……」

「可哀想に……」

「なんか、エロくね?」



 ジャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!

 ジョバババババババババババババババババババババババババババババババババババハッッッ!!!


「あぁっ……見ないで……見ないで……くれ……っ……止まれ……止まれぇ……!」

(嘘だ……っ……嘘……私……こんな、街中で……っ……お漏らしを……!)


 視線と、無遠慮な言葉がイングリッドさんの心を抉ります。

 すぐにでも逃げ出したいところでしょうが、足が鉛にでもなったかのように動かず、自分を避けて横断歩道を渡る人々に謝罪し、見ないでと懇願し続けるしかありません。


 423/552ml(-311ml)(77%)


 おしっこもまだまだ残っています。暫くは、この失禁も止まらないでしょう。

 信号が再び赤になると、イングリッドさんの周囲は、半径2m程度の人だかりになっていました。


「嫌ぁぁ……っ……見ないでぇ……っ……ああぁ……だめっ……止まらない……っ!」


 ジョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!


 210/552ml(-524ml)(38%)


 大粒の涙を流しながら懇願するイングリッドさん。

 記憶を操作して、ただの学生になっても残っていた氷の女幹部の仮面は、もう一欠片も残っていません。


 イングリッドさんの失禁は結局1分に渡り続き、その姿は多くの視線に晒され続けました。

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