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初恋のにおい①   作者: 真中レイラ
第2章 恋愛バトル
8/8

~朝日の帰国~

ついに夕日の姉、朝日が登場します!今回は姉妹編になっています!ぜひ読んでください❗

「ただいま~」

あっ、お姉ちゃんの声だ!

「おかえり!韓国、どうだった?」

お父さんとお母さんとわたしでおむかえをした。わたしはなんとなくお姉ちゃんを直接みることができなかった。

「おつかれさま。さ、夕飯ができてるわ。今日は朝日あさひのためにたくさんつくったのよ」

「ほんと!?あたし、お母さんの料理大好きだから、めっちゃ嬉しい!」

お姉ちゃんがかわいい声で言う。

「よくがんばってるようだな。最初は本当に朝日にアイドルなんてできるのか不安だったけど、成功したようでよかったよ」

……、お父さんもお母さんも、お姉ちゃんのことを誇りに思ってる。もちろんわたしもだ。だけど、お姉ちゃんがいると、お父さんやお母さんは、わたしのことなんかみてくれなくなる。それが、昔からイヤでイヤでたまらなかった。

そりゃ、お姉ちゃんはかわいくて歌もダンスも上手いよ。でも、お姉ちゃんはほめられるとすぐにテングになるから、わたしのことを虫あつかいするようになる。それがつらかった。

わたしは、お姉ちゃんが大好きなのに……。

だから、わたしは顔をそらした。

夕日ゆうひも、大きくなったわね。ちょっとはかわいくなったのかしら?」

ほうら、またテングになってる。

「お姉ちゃん、いつ日本を発つの?」

「なんでそんなこと聞くのよ。しばらくは日本で活動する予定だけど」

じゃあ、まだ日本にいるんだ……。なんかやだなー。

「こら、お姉ちゃんに早く韓国に行ってほしいの?そんなことないでしょ。ちゃんと仲良くするのよ」

お母さんが耳打ちしてきた。……、お姉ちゃんがいけないのに。

「はーい。わかった」

曖昧に返事をして、自分の部屋にもどった。

お父さんもお母さんも、どうしてお姉ちゃんばっかり好きなの?わたしの何がいけないの?わたしは、がんばってもお姉ちゃんみたいにはなれないのかなぁ?

そんなことを考えて、涙が出てきそうになった。

その時、電話が鳴った。

かける君からだった。

「はい。夕日だよ。どうしたの?」

「さっきのこと、謝りたくて」

「また謝るわけ!?だから、翔君は悪くないって言ってるでしょ!?」

やだ、わたし、翔君に八つ当たりしてる。もうこんな自分いやだよ。

「……、ごめんね。八つ当たりするつもりはなかったの」

「わかってるよ、夕日ちゃん。何があったかは、話さなくてもいいから」

「うん、ありがと」

ほっとして、涙が出そうだった。

翔君は、なんて優しいんだろう。

「せっかく今日電話くれたのに、香奈かなちゃんが切っちゃってごめんね。でも、香奈ちゃんはいい子なんだよ。だから、信じてね」

「うん。翔君がそう言うんだもん、きっとわたしにまだ慣れていないだけだよね……」

ぽつり、ぽつり。わたしのひざの上にしずくが落ちてきた。

「……夕日ちゃんもしかして、泣いてるの?」

翔君、なんて鋭いの!

「う、ううん。泣いてないよ、ごめん」

「困ったことでもあったの?何か力になれることだったら、相談して」

「ありがとう。でもいいの。今は言いたくない。いつか相談する日が来るかもしれないから、そのときはよろしくね」

「もちろんだよ。いつでもいいからね。それじゃあ切るね」

「うん、バイバイ!」

翔君は、やっぱり優しい。でも、その優しさに甘えようとしている自分がいる。今のわたしは最悪だ。だから今は相談できない。

翔君に隠し事をするのはつらいけど、しょうがないんだ。ごめんね、翔君。


「おはよう!夕日ちゃん、今日は他のメンバーのことも教えてあげるね~!」

朝からハイテンションの新菜にいなちゃん。

悪いけど、今はそんな気分じゃない。

「ごめんね。ちょっと一人にしてくれない?」

「……うん、いいけど、なんかあったの?」

「ううん、そんな、大したことじゃないから」

手をふって断る。ほんとごめんね。

「そっかー、ならよかったよ!」

そう言って他の友達のところに行ってしまった。

あ~あ、悪いことしたな~。新菜ちゃんは優しいから気にしてないかもしれないけど、次からは気を付けなきゃ。


「ただいま~」

「おかえり!夕日のためにクッキー焼いたのよ。早くリビングにおいで」

お姉ちゃんが、エプロンをつけてお出迎えしてくれた。こういうところは、好きなんだけどね~。

「いただきます!」

クッキーをひとくちかじった。

うん、やっぱりおいしい。これならいくらでも食べられそう!

「ねぇ夕日。彼氏いないのぉ~?」

お姉ちゃんが、きれいな十本の指を組み、その上に顔をのせた。

「ちょっとお姉ちゃん、いきなりすごいこと聞かないでよね!そういうお姉ちゃんはどうなの?」

「え?いないに決まってるでしょ!仕事がたくさんあって、そんなことするひまなんてないわよ」

「お姉ちゃんも、がんばってるんだね……」

あ、つい独り言が口に出ちゃった。

「そうよ。そういえば、来月日本でコンサートをする予定だから、ぜひみに来てね!それじゃあわたしはもう行かなきゃいけないから、片付けは夕日に任せるわね」

そう言って、お姉ちゃんは家を出ていった。

はあ、勝手なんだから。でも、こういうお姉ちゃんも、いいんだけどね。


どうでしたか?久しぶりに投稿しました。感想よろしくお願いいたします!待ってまーす❗次回もお楽しみに❗

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