~朝日の帰国~
ついに夕日の姉、朝日が登場します!今回は姉妹編になっています!ぜひ読んでください❗
「ただいま~」
あっ、お姉ちゃんの声だ!
「おかえり!韓国、どうだった?」
お父さんとお母さんとわたしでおむかえをした。わたしはなんとなくお姉ちゃんを直接みることができなかった。
「おつかれさま。さ、夕飯ができてるわ。今日は朝日のためにたくさんつくったのよ」
「ほんと!?あたし、お母さんの料理大好きだから、めっちゃ嬉しい!」
お姉ちゃんがかわいい声で言う。
「よくがんばってるようだな。最初は本当に朝日にアイドルなんてできるのか不安だったけど、成功したようでよかったよ」
……、お父さんもお母さんも、お姉ちゃんのことを誇りに思ってる。もちろんわたしもだ。だけど、お姉ちゃんがいると、お父さんやお母さんは、わたしのことなんかみてくれなくなる。それが、昔からイヤでイヤでたまらなかった。
そりゃ、お姉ちゃんはかわいくて歌もダンスも上手いよ。でも、お姉ちゃんはほめられるとすぐにテングになるから、わたしのことを虫あつかいするようになる。それがつらかった。
わたしは、お姉ちゃんが大好きなのに……。
だから、わたしは顔をそらした。
「夕日も、大きくなったわね。ちょっとはかわいくなったのかしら?」
ほうら、またテングになってる。
「お姉ちゃん、いつ日本を発つの?」
「なんでそんなこと聞くのよ。しばらくは日本で活動する予定だけど」
じゃあ、まだ日本にいるんだ……。なんかやだなー。
「こら、お姉ちゃんに早く韓国に行ってほしいの?そんなことないでしょ。ちゃんと仲良くするのよ」
お母さんが耳打ちしてきた。……、お姉ちゃんがいけないのに。
「はーい。わかった」
曖昧に返事をして、自分の部屋にもどった。
お父さんもお母さんも、どうしてお姉ちゃんばっかり好きなの?わたしの何がいけないの?わたしは、がんばってもお姉ちゃんみたいにはなれないのかなぁ?
そんなことを考えて、涙が出てきそうになった。
その時、電話が鳴った。
翔君からだった。
「はい。夕日だよ。どうしたの?」
「さっきのこと、謝りたくて」
「また謝るわけ!?だから、翔君は悪くないって言ってるでしょ!?」
やだ、わたし、翔君に八つ当たりしてる。もうこんな自分いやだよ。
「……、ごめんね。八つ当たりするつもりはなかったの」
「わかってるよ、夕日ちゃん。何があったかは、話さなくてもいいから」
「うん、ありがと」
ほっとして、涙が出そうだった。
翔君は、なんて優しいんだろう。
「せっかく今日電話くれたのに、香奈ちゃんが切っちゃってごめんね。でも、香奈ちゃんはいい子なんだよ。だから、信じてね」
「うん。翔君がそう言うんだもん、きっとわたしにまだ慣れていないだけだよね……」
ぽつり、ぽつり。わたしのひざの上にしずくが落ちてきた。
「……夕日ちゃんもしかして、泣いてるの?」
翔君、なんて鋭いの!
「う、ううん。泣いてないよ、ごめん」
「困ったことでもあったの?何か力になれることだったら、相談して」
「ありがとう。でもいいの。今は言いたくない。いつか相談する日が来るかもしれないから、そのときはよろしくね」
「もちろんだよ。いつでもいいからね。それじゃあ切るね」
「うん、バイバイ!」
翔君は、やっぱり優しい。でも、その優しさに甘えようとしている自分がいる。今のわたしは最悪だ。だから今は相談できない。
翔君に隠し事をするのはつらいけど、しょうがないんだ。ごめんね、翔君。
「おはよう!夕日ちゃん、今日は他のメンバーのことも教えてあげるね~!」
朝からハイテンションの新菜ちゃん。
悪いけど、今はそんな気分じゃない。
「ごめんね。ちょっと一人にしてくれない?」
「……うん、いいけど、なんかあったの?」
「ううん、そんな、大したことじゃないから」
手をふって断る。ほんとごめんね。
「そっかー、ならよかったよ!」
そう言って他の友達のところに行ってしまった。
あ~あ、悪いことしたな~。新菜ちゃんは優しいから気にしてないかもしれないけど、次からは気を付けなきゃ。
「ただいま~」
「おかえり!夕日のためにクッキー焼いたのよ。早くリビングにおいで」
お姉ちゃんが、エプロンをつけてお出迎えしてくれた。こういうところは、好きなんだけどね~。
「いただきます!」
クッキーをひとくちかじった。
うん、やっぱりおいしい。これならいくらでも食べられそう!
「ねぇ夕日。彼氏いないのぉ~?」
お姉ちゃんが、きれいな十本の指を組み、その上に顔をのせた。
「ちょっとお姉ちゃん、いきなりすごいこと聞かないでよね!そういうお姉ちゃんはどうなの?」
「え?いないに決まってるでしょ!仕事がたくさんあって、そんなことするひまなんてないわよ」
「お姉ちゃんも、がんばってるんだね……」
あ、つい独り言が口に出ちゃった。
「そうよ。そういえば、来月日本でコンサートをする予定だから、ぜひみに来てね!それじゃあわたしはもう行かなきゃいけないから、片付けは夕日に任せるわね」
そう言って、お姉ちゃんは家を出ていった。
はあ、勝手なんだから。でも、こういうお姉ちゃんも、いいんだけどね。
どうでしたか?久しぶりに投稿しました。感想よろしくお願いいたします!待ってまーす❗次回もお楽しみに❗