表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初恋のにおい①   作者: 真中レイラ
第2章 恋愛バトル
5/8

~好きって言っちゃ、ダメ?~

今回は、翔君の婚約者、松坂香奈と対面!気になる方は↓へ!

香奈さん、かわいかったなぁ。

勝てる気がしないよ。

香奈さんの気持ちは知らないけど、翔君の外見はともかく、性格は最高だもの。きっと二人は両思いなんだわ。

そう思うと、目の前が真っ暗になった。

「夕日ー、夜ご飯できたわよー!」

お母さんがキッチンから呼んでいる。

「はーい」

思ったよりも声が出なかった。


ベッドに入ったときは、今日のことは忘れちゃおうと決めた。だから、松坂香奈まつざかかなさんのことや、かける君と一緒にショッピングモールへ行ったこともない。うん、そうしよう。

そしてその夜は、ぐっすりねむった。


朝イチで、家電が鳴った。リリリリリーンと鳴った。

「夕日、電話出て」

お母さんがお店の準備をしながら言う。

「はい、どちら様ですか?」

山西やまにしです。春野はるのさんのお宅でよろしいですか?」

翔君は相変わらず礼儀正しいなぁ。

「はい、そうですが」

夕日ゆうひちゃん?」

「翔君なの!?」

翔君のお父さんの声と似ていたので、全然気づかなかった。

「午後から香奈ちゃんの誕生日会なんだ。うー、ドキドキするよぉ」

翔君が香奈ちゃんと行ったとき、胸が痛かった。ズキズキ痛かった。

「き、きっと喜んでもらえるわ」

翔君に、今の私の気持ちを知られたくなかったから、わざとそう言ったけれど、声が震えてしまった。

「そうだよね。夕日ちゃんが選んでくれたんだもん、大丈夫だよね」

翔君はほっとしたように、電話の向こうで息をついた。

「……翔君はさ、香奈さんのこと、好きなんだよね……?」

聞きたくないけど、聞きたい。確かめたい。少しでも私の心を安心させたい。

「……、うん、好きだよ。でも、でも、僕はさ、昨日話したように、」

はっきり好きだと言われて、とても悲しかった。

同時に、香奈さんが翔君の良さを封じ込めてしまっているとも思えた。

「どうして、どうして、どうして香奈さんなんかのことが好きなの!?」

自分でもびっくりするくらい言葉がきつくなってしまった。

はっとしたときには、もう遅かった。

「香奈ちゃんなんかって、言わないでよ。香奈ちゃんのことを、悪く言わないでよ……。香奈ちゃんは、香奈ちゃんは……、すごいんだからね!」

そして、ガチャっと電話を切られた。

ものすごく悪いことを言ったと思った。でももう、どうしようもない。

あやまらなければと思ったけれど、今日は学校もあるし、なんとなく、今はあやまりにくいと思った。


下校時刻になり、家にそのまま帰ろうかと思ったけれど、どうしても今日、あやまりたかった。そのままだと、きっと、気まずくなってしまうだろうから。

私は、『山西医院』に向かった。

翔君の家は知らないけど、病院になら、翔君のお父さんがきっといるから。

病院につき、ドアノブに手をかけようとすると、中から翔君と、声が高い女の子の声がした。

ドアを少し開けて、話を少し、聞くことにした。

「香奈ちゃん、わざわざ来なくてもよかったのに」

香奈ちゃん?ってもしかして……。

「翔君と一緒に誕生日会に行きたいの」

中で話しているのは、翔君と香奈さんだった。

香奈さん、声までかわいいんだ……。

ドアの隙間からのぞくと、うっと息をのんだ。

写真より、目が大きくて、顔が小さく、モデル顔だった。

「じゃ、行こうか」

香奈さんは、翔君の手をさりげなくにぎる。

そのとき、翔君が少しビクッとしたのがわかった。

っていうか、こっちに来てる!ヤバッ!

私は急いでドアを閉め、翔君たちから見えない所にかくれた。

「はっ、びっくりしたぁ。夕日ちゃんかー」

ガガガーン。バレちゃった。

「どうしたの?」

「あの、朝のこと、あやまりたくって」

さすがに香奈さんのいる前ではあやまれないので、翔君を引っ張ってきてあやまった。

「僕こそ言い過ぎたよ、ごめんね」

翔君は、なんて優しいんだろう。もうちょっと怒ってもいいのに。

「だぁれ?」

「僕の友達。春野夕日ちゃんだよ」

香奈さんは、私の体を頭から足までじっくりながめた。

「ふーん。じゃあちょっと、春野さんかりるね」

そう言って香奈さんは私の手を引く。

「ね、あなたって、翔君のこと、好きなの?」

いきなりの質問にびっくりしてしまった。

なんて答えよう?本当のことをいうか、秘密にしておくか。

だけど、ライバルなんだもの、秘密にしないほうがいいよね。

「はい、そうです。私、翔君のこと、好きです」

「私が翔君のこと好きなの、知ってる?」

これも、うそはつかないでおこう。

「知ってます」

「じゃあどうして好きって言ったの?」

言っている意味がわからなかった。

「好きって言っちゃ、ダメなんですか?」


どうでしたか?

作者も書きながら、めちゃめちゃまよいます。どの子の恋を実らせようか、と。

みなさんはどう思いますか?ぜひ感想お寄せください!

次回をお楽しみに❗

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ