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初恋のにおい①   作者: 真中レイラ
第1章 出会い
3/8

~すれ違う二人~

翔君の婚約者とは……!?

気になる方は↓へ!

うそでしょ!?婚約者!?

びっくりしすぎて、思わず目が丸くなった。

「か、(かける)君、こ、婚約者、いるの?」

「うん、家がとなりで昔から仲がよかったんだ」

だけど、と翔君が続ける。

「僕はその子と結婚したくないんだ」

「どうして?」

「その子は、とってもかわいいんだよ。誰にも負けないくらい」

ズキッと心が痛んだ。

「僕とはつり合わなすぎて、恥ずかしい」

そう言って翔君はうつむく。

「そんなことないと思うよ。その子がどんなにかわいくても、つり合わないとか、関係ないよ」

翔君をはげますつもりで言ったんだけど……。

「やっぱり、夕日(ゆうひ)ちゃんもそう言うのか……。みんな他人事。僕がどんなに悩んでるかわかるわけないよ」

「他人事だなんて思ってないよ。ただ、私ははげまそうと……」

「もうこの話はやめよう。ほ、ほら、ショッピングモールが見えてきたよ」

私には悲しそうな顔の翔君しか見えないよ。

「今日は、香奈ちゃんの誕生日プレゼントを買いたいんだ。あ、香奈ちゃんって僕の婚約者ね。松坂香奈(まつざか かな)

香奈さん。かわいい名前だな。

「どんなものをプレゼントしたいの?」

「例えば、髪飾りとか?」

うーん、香奈さんがどんな人かわからないからな……。

「香奈さんの写真、見せてもらえないかな」

翔君は、お財布の中から大事そうに1枚の紙を取り出した。

そこには、目が大きくて二重で、頬がほんのり赤くなっている女の子が写っていた。

「これが香奈ちゃん。性格は、とっても優しい。性格までかわいいんだよね」

翔君、ホントは香奈さんのこと、好きなんじゃないかな……?

「じゃあ、ピンク色のネックレスなんて似合いそうじゃない?」

翔君の顔が、パッと明るくなる。またチクっと心が痛む。なんだかさみしかった。

「でも、ネックレスって高いんじゃないかな?」

「専門店とかじゃなかったら、普通に買える値段なんじゃない?」

そうかも、と翔君はうなずく。

そこで私たちは、洋服屋さんに入った。かわいいバッグやカチューシャなども売っていた。

お店の奧に、小物が売ってあった。その中に、ネックレスもあった。

「これなんか、かわいいんじゃない?」

それは、ハート型の桃色のネックレスだった。

写真の香奈さんと重ねて考える。うん、いいかもしれない。でも同時に、こんなに似合うものをプレゼントしたくないとも思った。

だって、似合うものをプレゼントしたら、香奈さんがもっとかわいくなってしまう。そんなことになったら、もう、私のことなんか翔君は見てくれなくなるだろう。そんなのはいやだ。けれど、そんな悪いことをしたら、一生後悔するだろう。

私の中の悪魔と天使が数分戦ってから、ようやく決めた。やっぱり悪いことはしたくない。たとえ、私のことを、翔君が見なくなったとしても。

「うん、私もすごく似合うと思うよ!」

私は、ワッと泣き出したい気分だった。

「じゃ、これに決まりね」

少しこぼれていた涙をかくすために、翔君がもっていたネックレスをとり、レジへと向かった。

……、こんなはずじゃ、なかったのに……。


それから私は、ずっと上の空だった。

あのあと、ショッピングモール内を、翔君と一緒にまわっていたけれど、そのときのことは、ほとんど覚えていない。

「今日はありがとう!おかげで助かったよ。きっと香奈ちゃん喜んでくれるよ」

「そう、それならよかったわ」

「また連絡するね。じゃ、今日はバイバイ!」

翔君は元気に手を振って帰って行った。


どうでしたか?

今回は二人の気持ちがすれ違ってしまいましたね(汗)

作者も、つい、ドキドキしてしまいます。

二人の恋の行方は……⁉

次回をお楽しみに❗

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