~翔君からの連絡~
主人公の春野夕日は、好きな人(山西翔)からの連絡が来なくてさみしがっている。そんなとき、翔君からのデート?の誘いがきた!
その時、家電がすごく大きな音で鳴り始めた。
「だぁれ、こんな時間に」
デジタル時計を見ると、9:30になっていた。
お母さんがため息をつきながら電話に向かう。
それを私は急いで止めた。だって、もしかしたら翔君かもしれないもの。翔君のことはお母さんには言ってないから、お母さんが出たらびっくりしちゃう。
「はい、どちら様ですか」
私は、相手が誰かわかるまで、自分の名前は言わないようにしているんだ。
「あ、僕、翔だよ!夕日ちゃんだよね?」
「え、ええ、そうよ。こんな夜遅くにどうしたの?」
「えっ!?夕日ちゃん、まだ9:30だよ?普通でしょ」
うそ、私んちは夜遅いんだけど。
「それでね、今度の日曜、空いてる?」
「ちょっと待って、カレンダー見てくる」
受話器をそっと置いて、私は急いでリビングのカレンダーを見に行った。
うん、空いてる。良かったー!
「空いてるよ!」
「実は、二人でショッピングに行きたいんだ」
「いいけど、どうして?」
「女の子の好きなものって、ちょっとよくわからなくて」
ははーん、私にプレゼントをくれるっていうのね。
「わかったわ。何時にどこに集合?」
「じゃあ、午後3時にこの間の駅前に集合ね!じゃあね!」
「うん、バイバイ!」
やったー!翔君とデートだぁ‼
そして日曜日。ついに待ちに待った翔君とのデートだ。
朝からウキウキして顔がにやけちゃう。
どの服着ようかな。やっぱり、女の子らしいフリルがついたワンピース?それともカジュアルにショートパンツ?うーん、迷っちゃうな。
ヘアアレはどうしよう。ポニーテール?ツインテール?どっちも可愛いよぉ‼
ネックレスもつけようかな。あ、あとイヤリングも!いや、ちょっとハデにしすぎ?
悩みに悩んだ末、やっぱりいつもと同じで髪型はポニーテールで、カジュアルにショートパンツ、じゃなくて、チェックのスカートにした。
まだ時間はたっぷりあるんだし、本でも読もうかな。
私は本を持って図書館に向かった。
やっぱり、本は静かなところで読むのがサイコーだよね!
いっけない、もう2時になってる‼
図書館から家までは30分かかるんだ。そこから駅前までは20分。だからもう帰らないといけないんだ。
急いで走って帰っていると、髪がくずれてきてしまった。はあ、直す時間なんてないのに。
私は、走って走って走りまくって家に帰った。なんとか2時半までに帰ることができた、よかったぁ。
ちょっと早くついたから、髪を直した。ん、OK!
「お母さん行ってきまーす!」
お店に向かって声をかけた。返事は返ってこなかったけど、きっと聞こえてるから大丈夫だよね。
はあ、はあ、はあ……。つ、ついた……。
あのあと、20分でつくと思ってたら、道が人でいっぱいだったんだ。
なんでも今日は、駅前のスーパーの激安セールの日だったんだって。
ついたときにはもう、翔君は来ていた。
「ごめんね、遅くなっちゃって」
「全然大丈夫だよ!僕もさっき来たところだし」
ほんとかな。だって、相手が必死に謝ってきてるときは、みんなそう言うでしょ?
「っはは、ほんとだよ。さっきまで遅れないか心配だったんだ」
そう言って翔君は、頭をかいた。
「それじゃ、行こうか」
私たちは、ショッピングモールに向かって歩いていく。何もしゃべらずに。
私はそっと翔君の横顔を見た。別に、鼻が高くて首もとがもっと細かったらな、なんて思ってないよ。ただ、丸くて優しい顔だなぁって。
思わず見惚れていると、翔君がこちらを向いた。
「どうしたの?」
「べ、別になんでもないよ」
私がすっとそっぽを向くと、翔君は顔を赤くした。
つられて私まで赤くなってしまった。
「ね、ねぇ、ショッピングモールでなに買うの?」
さりげなく話を変えてみた。
「実はね、僕、婚約者が決まってるんだ」
えっ、うそでしょ!?
読んでくださってありがとうございました!感想も嬉しかったです❗これからもがんばるので、ぜひ読んでください。では、次回で会いましょう❗さようなら❗