第17話 訓練と王国の裏側 Behind Scenes
再び動き出す必需、見えてしまった裏側。
そのために動き出すもの。
忘れられるはずはなかった。
「ねえ、覚えてる?」
例え戦に阻まれたとしても
「何か行動を起こさねば・・・。」
そこにあったのは
「戦争の間、どうしてたんだろうね?」
いつも垣間見えていた社会の裏側だったから。
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「今日集まってもらったのには訳がある。」
改まってケイロスは心の塔に集まった必需たちを見回す。
「戦争の件ではお疲れ様だった。」
「実際はもう少し休んでほしかったのだけど、それよりみんなにやってもらいたいことがあるの。」
ケイロスの目での合図を拾いクローイが話を続ける。
「戦争の直前に民から報告を受けたことだ。」
「その準備として、みんな問題はないと思うけど、魔術の訓練をしておいてほしいの。」
「もちろん、全員参加だ。」
ケイロスは少し目をエリオスに傾ける。
視線に気づいてエリオスは分かっているよとばかりにウインクを送る。
クローイはそれを確認して安心したような顔をする。
「訓練場所はこの塔の裏側にある魔術訓練の館でやります。」
「・・・名前そのまんまだね。」
ロエルがニコラに囁く。
ケイロスが咳払いをし、話を続ける。
「その上で今回はそれぞれ苦手な特訓フィールドでやってもらう。荒療治かもしれんが時間が限られているのだ。」
「その後で問題についてお話するわ。」
最後の言葉に民は大きく頷く。
・・・
心の塔の裏、その影に隠れるように佇んでいる小さな館の前に必需たちは連れてこられた。
「なんか・・・薄気味悪いわね・・・。」
ニコラは少し身震いする。
「ふふふ。ケイロスの趣味よ。」
クローイはそっとニコラに耳打ちする。
「素敵な地獄の特訓です。」
デイナは決意に目に炎を宿す。
「おもったより小さい?」
ロンは疑問そうに首を傾げる。
「さて、それぞれに今回特訓で行ってもらう部屋を言い渡すぞ。
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ケイロス: 侵蝕の間
クローイ: 強硬の間
エリオス: 氷結の間
リディア: 獄炎の間
デイナ: 妨害の間
ロエル: 巨体の間
ニコラ: 迅速の間
ビル: 無の間
ロン: 暗闇の間
メモール: 大群の間
プロスプ: 枯渇の間
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各自、部屋の名前を見たときに自分の弱点を突きつけられたように苦く真剣な表情へ変わる。
「ロエル、おっきいやつだと当てるときの運いらないけど避けるための運がおっきすぎる・・・。」
「・・・たくさんいるのなら、誰の記憶か間違えないようにしなくちゃ。」
「どんな妨害なんでしょうか。」
伝えたいことを伝え、全員が館に足を踏み入れる。
そこには見たこともないように空間の歪んだ世界が広がっていた。
周りを見渡す者、自分の部屋を目指して歩き出す者、心を落ち着ける者。
それぞれの方法で準備をして、それぞれ、ノブを回して違う世界へ進んで行った。
変えたい何かがある。その想いを抱えて。
いやー 遅くなりやした!
実際にアイディアが浮かんだのは昨晩です!
城の伏線(と呼べるかわからないほど大胆なやつ)を拾ってなかったのを思い出して
まだ戦闘シーンに恵まれない子が多い(ので異能バトルタグが泣いている)と思って訓練も入れちゃいましたてへぺろ
次回は・・・簡単に済む子からいこう・・・。
エリオスとプロスプ、それぞれの部屋でどっきどきのバトル!?(集客御免・・・)
感想、評価、待ってます!




