表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ブループリント】12と1つの必需品(ネセシティ)  作者: りゅでぃあ
幕間1 - Luck & Knowledge
15/23

第14話 知恵と運の違ったこと(1) - Knowledge Theory

知恵と運が持つ違い、その奥深くに眠る同じ願い。

唐突な戦争が終わってちょうど3日が経とうとしていた。


今日も本を開いて、知識を詰め込んでいたニコラはふと思い出したかのように端末を手に取る。


2日ほど本と向き合っていた。だから少し他のことにも気をかけてみたくなったのだろう。


「もしもーし?」

寝ぼけた声が端末越しに応答する。


「もしもし?・・・もしかして今まで寝てたの?」

ふと時計に目をやると、針はちょうど昼の1時を指していた。


「んー?うん・・・。」

声の主はまだ目が覚めていないように間の抜けた返事をする。


「もう、ロエル!戦争が終わったからってだらけない!しっかり自分のするべきことをする!」

もう我慢できない、というようにニコラは会話相手を叱りつける。


「えー、そんなこと言われてもなんもする気おこんなーい。じゃ、おやすみー。」


「またそう言ってまた何もせずに惰眠を貪る・・・!」


「するべきことって、何するのー?ニコラは何をそんなに焦ってるの?」

少し目が覚めたようにニコラに問いかけるロエル。

その質問はニコラに深く突き刺さる。

「何って・・・。もういいわ・・・!とにかく、なんでもいいからやりなさい!じゃあね!」

たちが悪くなったようにニコラは端末の通話を切る。


「全く、言い逃れしようと・・・。」

そう言って少しベッドに寝転ぶ。


・・・でも、ロエルの聞いたことは最もだ。

私は、なんで知識を必死になってまでかき集めるのか。


考える時間を・・・。

そう思ってそっと目を閉じる。


思考の奥深くを辿ればさらに深くに引き込まれる。

分からない、の循環にゆっくりと引き込まれていく。


・・・

「おねえちゃん!あれみて!」


(どうしたの?)


「この変な虫、何?」


(・・・何だろうね?うーん・・・。)


「あっ、どこ行くんだよ?まってー!」


(・・・うーん。あ、待ちなさい!遠くに行ったら・・・。)


「大丈夫!まてまてー!」


待って。


いくら呼んでも彼は小さくなっていく。

闇の方へどんどん進んでいく。


待って・・・!

・・・

「待って!!」


どれだけ叫んでいたのだろう。

喉だけじゃなく、唾液までも乾ききった感覚。

それでも確かに瞳は濡れていた。


いつの間に眠っていたのか、さっきのは夢だったらしい。


--

彼は私の一人だけの弟だった。

年は少し離れていて、ちょうど好奇心旺盛だった。


その日は少しの気分転換として一緒に森にお散歩に来ていた。


そこで彼が見つけたのは小さな妖精の見た目をした悪魔。


・・・逆さまの林檎みたいな形をした虫。


それは思い出したくもない、私の無知が呼んだ悲劇。


今、私がひたすら書物を繙いて知恵を食い漁るのはもう何も失いたくないから。


だけど、一文字読む毎に矛盾は大きく膨れ上がっていった。



彼は、戻らなかったから。


思い出し、事実を知ったこと、そして忘れてしまったことに私は


不幸を感じてしまったから。

(1)です!

つまり・・・そう!

次は(2)です!サブタイトルが変わります!


(3)まで続けて連投して最後のシリーズにつなげていきます!


これは他のカップリングも・・・かもよ。


次回!知恵と運の違ったこと(2) - Luck Theory

(アニメっぽい wkwk)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ