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【ブループリント】12と1つの必需品(ネセシティ)  作者: りゅでぃあ
第1章 - Confirmation & War
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第13話 過去と未来の願い事 - What Starts

終わったこと、これからのこと。


続いていくストーリー。

「この度は怪我人もなく終戦を迎えられたこと、皆に感謝する。」


ケイロスの声が高らかに鳴る。


「今日は粛清だ。皆、大いに楽しみ給え。」


そう言うと全員、それぞれ話したいこと、やりたいことを思い思いに始める。


「リディアちゃん、ちょっといいかしら?」

クローイは上の空のリディアに声をかける。

「お話がしたいのだけど・・・。」

リディアの顔を覗き込むようにクローイはリディアの目を見つめる。

「あっ、は、はい!」

突然我に返ったかのように驚きながらリディアは返事をする。

「ありがとう。じゃあここじゃなんだし、奥の部屋に行きましょう?」

クローイはそっとリディアの手を引く。


いつもの部屋の本棚の間に佇む扉を開きながらクローイはリディアの方を見つめる。

「ここに来るのは初めてだったかしら?」

「はい・・・。」

新しい世界に来たかのように周りを見渡しながらリディアは返事をする。


部屋の奥にはテーブルと椅子がいくつかあった。

「どこにでも座って。」

クローイはそう言いながら一番奥の席に座る。

リディアはそのちょうど反対側に座る。


少しの沈黙の後、リディアが口を開く。

「あの、お話って・・・。」

「あ、そうそう。」

思い出したかのようにクローイは体制を整える。

「この前の戦争、最後の一手を私は見てないけどケイロスから聞いているわ。」

ワントーンほど低くなった声につばを飲み込むリディア。

「・・・一時的に魔力を封じ込める魔術だったのね?」

「・・・はい。」

「確か、王国側の騎士たちも含めて。」

「・・・はい。」

「・・・なにか嫌なことでもあった?」

突然の優しい言葉にリディアは返事に詰まる。

「全然悪い判断じゃなかったと私は思ってるの。誰も傷つかずに済んだから。」

手を組んで顎を乗せるクローイは幼子を見るような目でリディアを見ていた。

「ただ、その後からすごく落ち込んでたみたいだから・・・。」


「・・・あの。」

声を発したリディアにクローイはそっと頷く。

「あの前に、私、デイナさんに大嫌いって言われちゃったんです。」

思い出すように机を眺めて、リディアは目を細める。

「でも、何をしてしまったか思い出せなくて。他にも気になることとかわからないことが一杯で・・・。」

「大丈夫よ。」

思い詰めたように言葉を並べるリディアをそっと止めるようにクローイは言う。

「個人差はあるかもだけど、きっと誰だって昔の自分か、ちょっと前までの自分を思い出せないでいるわ。」

自分の周りでも心あたりがあるようにクローイの目が細まる。

「でもまだ時間はあるから、ちょっとずつ思い出していきましょう?」


そこでリディアの目から涙が溢れる。

クローイは席を立ってリディアをそっと抱きしめる。

「大丈夫・・・。」

・・・私は、あなたに思い出してほしくないけれど。

・・・あなたが望むのならば・・・。


---

・・・ロエル・ニコラ・ビル


「いやー!おめでたいねー!」

そう言ってジュースを一気飲みするロエル。

「おっさん臭いわよ・・・。」

ニコラは軽蔑の目でロエルを見る。

「いやぁしかし、ニコラちゃんも頑張ったようじゃの!」

ビルは少し眉毛を上げてニコラを見る。

「大したことないですよ・・・。ただ相性が良かっただけです・・・。」

褒められて少し恥ずかしそうにニコラは微笑む。

「そーだよー。大したことないね、ロエルのがんばりに比べたら!」

隣でロエルがニコラを煽る。

「ま、まあ、ニコラちゃんも大量の兵の飛行魔道具を全部撃ち抜いたわけだし・・・。」

喧嘩になる前に止めまいとビルは一言かける。・・・が、効果は薄かった。

「あら?お一人様で自分を守りながら戦う難しさがあなたにはわからないようね?苦労せずにある程度弾は外れるからいいわよねぇ?ビルさんみたいな優秀なお供もいて?」

さらに煽るようにニコラが返す。

するとロエルは自分から売った喧嘩にもかかわらず顔を真っ赤に染める。


「もう無理・・・。」

ビルは喧嘩する二人をおいてそっとその場を離れた。


・・・デイナ・メモール・ロン


「いやー、MVPはうちだね!」

ロンが言うとすかさずメモールが突っ込む。

「四人しか倒してないでしょ。」

「あ、デイナちゃーん!」

メモールの言うことを軽く流してロンはデイナに声をかける。

「あら、ふたりともお疲れです。」

デイナは振り向いてそっと微笑み返す。

「仕事終わりっぽい・・・。」

「デイナちゃんはぱーってやらないの?」

首を傾げて聞くロンを少し見つめてデイナは首を振る。

「私は何もしていないですの。」

「そうなんだ・・・。プロスプと一緒だね。」

ロンは気を使うかのようにポツリと呟く。

しかし、メモールはそれを否定しなかった。


・・・ビル・エリオス


ニコラとロエルの喧嘩から逃れたビルは部屋の片隅で腰を掛けているエリオスに気づく。

「お疲れ様っす。」

エリオスは瞳だけを動かしてビルを見る。

「僕は何もしてなあいよお?」

そのままの状態でエリオスは不思議そうに聞く。

「それでも、っす。無事終わったんすからみんなお疲れっすよ。」

そう言ってビルは満面の笑みを見せる。

「そっか。優しいね。」

エリオスはそっとうつむく。

そんなに優しくされると・・・。

・・・欲しくなっちゃうよ。


争いが終わっても。

後日談、想像以上に長くなりました・・・。


まあこれで一応イントロ兼戦争編が幕を閉じたわけですが・・・。


次回はどうしようかな・・・。

一気にエンディングまで殴り込みに行くか・・・。

それとも続けるべきか・・・。


まあ・・・続けましょう!


ただ少し考える時間をください・・・。


区切りがいいので是非感想もお聞かせくださいな!

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