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【ブループリント】12と1つの必需品(ネセシティ)  作者: りゅでぃあ
第1章 - Confirmation & War
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第11話 開戦と策略の分かれ道 - Strategic Devision

それぞれの役目、何処かで歪んでいる、そんな潜在意識の中で。

-ニコラ-


この作戦で私がどれだけやれるかによってどれだけ安定して作戦が進むか変わってくる。

こんな重要な役を私が一人で・・・。


そんな考えも知らずに敵がやってくる。


掌を広げると本が出る。

「数多の矢、向かいし敵を狙い撃て。チェインアロー!」


黄色い矢が一本、敵を狙い飛ぶ。


「なめんじゃねーぞ!」

一番手前の兵士が矢を折ろうと触れた瞬間に幾千の矢に分岐する。


「古代魔法を見くびらないことね。」

少し震える唇を抑えて敵を睨む。

半数ぐらいには減らせた・・・。


「狙い撃てスナイプ・ブレット!」


遠くで誰かが魔術を放つ。


「万物、三態の掟を強いる。マテリア・サブリメーション!」

高速で向かう弾丸は青い魔法円に触れ、気体に変わる。


残りも急いで殲滅・・・!

「旋風、羽根を毟り空を切り裂け。ワール・ガスト!」

大きく回転するつむじ風が空軍を巻き込んで落とす。


これである程度は・・・。


「ほぉ?なかなかやるじゃないか?」

突然空から声が降ってくる。

見上げると小さな女の子が浮かんでいる。

近くに二人ほど男の人もいた。


「ゆっくりお手合わせと行こうか?」


・・・

明らかにこの人がこの軍を率いる人だとわかった。

これまでの人たちとは比べ物にならないくらいに身軽で、動きに無駄がなかった。

幾度か放った魔法も外れてばかりだった。


「悪魔の槍、贄の魂を刺し奪え!グリム・トライデント!」


確実に刺さったはずだった。


そっと地面に落ちたのは・・・2つの体。

・・・両脇の男の人。


「甘いぞぉ!」

少女の右手が盾から狙撃銃に変わった。


「まあそんなもんじゃろうな。」

そう言って少女は銃を構える。

「発砲、バック・スナイプ!」


「聖なる盾、立ち向かうすべてを弾け!セイクリッド・シールド!」


しかし弾丸は盾に当たる前に大きく反れてニコラの背後へ回っていた。


「しまっ・・・!?」

とっさにそのまま後ろを向く。弾丸は僅かに軌道がずれ、クローイを通過する。


「後ろががら空きじゃぁ!」

少女の右手が槍に変わり、ニコラの背中を狙う。


・・・終わりだ・・・。


そう思った瞬間に、城の方角に花火が上がる。


「ふむ、期待はずれなお前よりかは幾分か面白そうじゃのぉ?」

そう言って少女は花火の方へ飛んでいく。


「お前との勝負はおあずけじゃ!」


・・・完敗だ。


-ロン・メモール-


「プロスプはおトイレ?」

ロンはつまらなさそうにかがみ込んで床をいじっている。


「違うわよ。デリューの街は任せてって言ってたでしょ?」

メモールは呆れた様子でロンの背中を見る。

「住人の避難は済んだし、あとは残党が来たら迎え撃つよ。」


「あ、噂をすれば鬼が洗濯!だよ。」

「意味わからないよ・・・。まあ来たみたいだね。」


二人が見つめる方向に二人の軍人が現れる。


「あれれ?後ろからも・・・洗濯ばさみだね?」

「みたいだね。あと、今日は洗濯ネタで責めるの?」


その反対側の通路からも二人現れる。


「・・・囲まれたね。」


両脇の通路からもさらに二人ずつ現れる。


メモールとロンは背中を合わせる。

「一人四人ずつ手合わせってことだね。」

メモールはロンに囁き、そっとロンが頷く。

少しの沈黙の後、軍人らの突撃を合図


「えっへへー。ロンはね、痛い魔法が好きなんだー!」

そう言ってウインクをすると軍人の目に巨大な爆弾が映る。

ロンは頭上に浮かぶ爆弾に手を当て、そっと投げる。

軍人らに触れる瞬間に爆破、軍人らの目にはそう映っていた。

「げっちゅ!」

煙で視界が隠れている間に軍人らをロープで縛り付けられていた。


「ロン、おつかれ!」

メモールは少し後ろに目を向ける。

その間に軍人らはメモールに突撃する。

「刺され!スペアスピアー!」

「抜刀両断!ラージスラッシュ!」

そう叫び、軍人らは一気に攻撃を仕掛ける。

大盾で攻撃を防ぐメモールの目は灰色に変わる。


「私を攻撃した時点であなた達の負けは確定した。」

盾を少し下げてメモールは敵を見据える。

「記憶魔法、パストフォルト。」

そう唱えると軍人たちは刺され、斬られたような感覚に負けて倒れていた。

「見えない傷、痛みの記憶の継承。攻撃しなきゃ勝てないけど攻撃したら負ける。そういう魔法だから。」

決め台詞のように吐き捨てるメモールを見てロンが吹き出す。


「笑わないでよ・・・。」

メモールは恥ずかしそうにうつむきながら言う。

「最後まで締まりがないね!」

まだ少しにやけながらロンはメモールに最後のとどめを刺す。

「もう・・・あなたがね・・・!」


-プロスプ-


デリューの街は静かだった。そして全てが時に蝕まれていた。

まるで誰も手入れをできないかのように、誰も触れていないかのように少しずつ。

避難をする必要もない。


予想通りだった。

二度目の視点別です!


次回はついに12話・・・。

アニメで言う1クール・・・。

かどうかは置いておいて。


次回も少し長くなるかもです!

お楽しみにね!

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