第9話 民と人形師の価値観 - Unique Mindset
民と、統率者。
今、世界はどうなっているのか?
「立派な城だなあ・・・。作るのに3時間は掛かりそうだ・・・。」
「うん、うちでも2時間はかかる・・・。」
「あなた基準で語らないで。あと、便乗して嘘付かない。」
「あははっ。」
城へ続く大橋の前で民たちは奮え立っていた。
今から入る場所は最後の統率者の住む場所。
ここには世界の情報を収集する団体がある。
話を聞けば有力な情報が得られる。
「ようこそいらっしゃいました。話は聞いております。」
「お進みください。」
門番からの歓迎を受け、さらに奥へ進んでいく。
そこでは一人の男の人が待っていた。
「お待ちしておりました。ある程度、情報は揃っております。」
「ありがとうございます。」
メモールはそう言って少し頭を下げる。
「資料をまとめました。ご案内いたします。」
「苦しゅうない。」
そういってロンは頭を下げる。
「それは感謝の言葉として最低級よ。」
メモールはすかさずロンの頭を軽く叩く。
「ひびが〜・・・」
「流石にヒビは入らんだろ。」
笑いながらビルが言う。
「さて、情報をいただくぜ。」
・・・
「フォトンベルト突入後に発生したブラックホールが地球ごと飲み込んだ後、その高次元内に存在する超前世世界の魂の同調が高い個体に、あるいはもう一人の自分へ転生をしたと考えるのが最も自然です。」
「自然って言ってもだいぶぶっ飛んでる気がするけどね。」
メモールは表情一つ変えずつぶやく。
「なるほど!・・・つまり?」
ロンは首を傾げながら聞く。
「つまるところ、なんかどっかに飛んできたってことよ。」
ビルは扉の方をにらみながら言う。
「僕もさっきからすごく気になっていたんです。」
プロスプが顔をしかめる。
「ちょいっと失礼するぜ。」
そう言ってビルは案内人を押しのけて隣の部屋へ進む。
「おじゃまー。」
「します。」
扉を開くと、そこには首輪をされて尚も魔導スクリーンに向かう人々がいた。
「これは一体なんだってんだ?」
ビルが聞く。
「会社では普通のことであります。特に国家社員は厳し目に、という主の考えでございます。」
「報告するよ。」
メモールが部屋を出ようとする。
「でも、この人達置いといて大丈夫?」
ロンは寂しそうな顔をして聞く。
「彼らにはきっと見えていないわ。」
「それなら、尚更だな・・・。」
ビルは拳を固める。
「いいや。報告が先決だ。」
プロスプはビルを見据えて言う。
「厄介事になったら逆効果だよ。助けたいんだったら。」
「くっ・・・。」
「それじゃあ急いで報告だね!」
ロンが頷き、民らは部屋を出て心の塔へ向かった。
・・・
「なるほど、そういうことが・・・。」
報告を聞いたケイロスは顔をしかめる。
「とりあえず・・・報告をまとめると・・・。」
近くで爆発音が鳴り響く。
不幸中のラッキー?
さて、社畜様です。
それでは爆発音は一体なんでしょうか?




