満たされないもの
自分の中の何かが乾いていた
それは尋常ではない喉の乾きだった
水を注いでもその乾きは癒えなかった
一杯、また一杯と並々に注いでいるのに、どうしてか乾きは一向に癒えることはなかった
満たされない……
何故だろう
以前はよく一緒に居た友人
肩を並べていたアイツと自分
今では片や有名に、片やスクラップのような扱いだ
あの人も昔は散々褒めてくれたのに、今では見向きもしてくれない
何故だ
アイツは今でも昔と変わらず、いや昔より、もっと注目を集めて名声も何もかもを手に入れている
アイツはあんなにも満たされているのに、何故自分は乾いたままなのだろうか
ある日、あの人が言っていた
どうやら自分はあの人にとって不良品らしい
昔は散々、毎日自分のことのように自慢してくれていた
けど、もういらないのだそうだ
あぁ、満たされない
こんなにも乾いているんだ
水を注げばこの乾きは癒えてくれるはず
でも、もうその水を注ぐことすらままならない
だって自分は不良品で、注げば注いだだけ出ていってしまうから
だから、自分は捨てられるのだ
ありがとう
最後まで試みてくれてありがとう
僕を見つけてくれてありがとう
僕を褒めてくれてありがとう
僕に、一度だけでも愛を注いでくれてありがとう
どうか、忘れないでいて
*****
「あれ、あのグラスどうしたの?」
「ん?何が?」
「ほら、お前が気に入ってたグラスだよ。ワイン入れたりしてたやつ。散々自慢してただろ?」
「あぁ、あれか____
_________ヒビが入ったから捨てたよ」
バイバイ




