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ゆきあとあ4
そこへ衝撃的な出来事があった。
家が燃えた。
何か焦げくさい匂いするなぁと、斗愛は臥玖斗の書斎の扉を内側から開けた。
「うわっ」
物凄い煙が室内に流れこみ、急いで扉を閉めた。
コホ、コホと思わず咳が出た。
「慧衣。逃げるよ」
「……?」
斗愛は閉めきったカーテンのひとつを、窓枠に叩きつけるように開けた。
「どぉしたの? お姉ちゃん」
怯えた表情で、慧衣は駆け寄ってきた。絵本片手に斗愛の服の裾をつまむ。
「廊下に煙が充満してる」
「……えぇ?」
「飛び降りるよ!」
「……どこから?」
「こっから?」
と、斗愛は窓を指さす。
「えぇえ! 無理、絶対無理!」
斗愛の服の裾をつまむ、慧衣の手に力が入った。