輪廻の蛹
斜めの陽は暖かく
朝露冷たく感じます
呼ぶ声遠く でも確かに
私の為のものですか?
簡単ではないから 時間を下さい
丸まって潜む 星柄の中
言葉にできない 夢現
膝を抱えて この中だけで
小さな疑問 巡ってく
今日の空は優しいですか?
甘い蜜はありますか?
星柄の蛹から生まるる私
今日は何になるのでしょう?
蝶でしょうか 蛾でしょうか
頭隠して 脚隠さず
ほんの少し覗くこちらに
あなたは笑っているようですが
蛾は嫌われると聞いています
いいえ もう知っています
記憶に苦く 残っています
何度か繰り返したことですから
苦い輪廻に怯えてしまう
星柄の外は怖いです
しがみついて 嫌々します
柔らかな寝床 蛹の中
だけどいつだって導かれた
ーーほら、目覚めてーー
その声は変わらないから
何度 何に 生まれようとも
変わりはしなかった 優しかった
その声だけ 信じていいですか?
ーー怖くはないよ ここにいるからーー
そんな響きに聞こえます
頭の方も出しました
柔らかな微笑み 続いてる
上手く羽化できるでしょうか
蝶にしても 蛾にしても
私は少し変わりましたか?
日々の輪廻 星の蛹
遅い目覚めのこの私
少しは綺麗になりましたか?
もぞもぞ抜け出す 不格好
だけど届いた 柔らかく
ーーおはようーー
変わらない響き 嬉しくて
星の抜け殻 足元に
虚ろな視界 細まって
変わらない笑顔 確かめる
生まれたばかり 今日の私
蝶でしょうか 蛾でしょうか
だけどできること まず一つ
ーーおはようーー
あなたの元へ降り立ちます
その首元にすがってみます
応えてくれた あなたの腕は
支えてくれる 不安定な腰を
ほっと息が通ったなら
次はその耳元へ
そっと囁いてみるのです
ーーもう飛べるよ、何処へ行こう?ーー
蝶にしても 蛾にしても
いつだって受け止めてくれた あなたにも
あげたいのです
新しい今日 新しい私
輪廻の蛹はきっと
私を大人にしてくれたよね
勇気を出して もう一つ
ーードキドキさせてあげるーー
背伸びをしてみせるのです