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63.ヘウゼニール

 諸事情あって今回の投稿は微量となりますorz

 近日中に埋め合わせ分を投下予定ですので何卒ご了承ください

 魔王「万緑を言祝ぐもの(トリマヘスク)」との接触、旧サグリフ王朝の宰相ガリアルの追及といった曲者たちとの連戦で蓄積した疲労を癒すべく結界に戻り、眷属の皆とテニスしたり模擬戦したりすること数日。

 ラミスも十分休めた事だし、改めて他の旧サグリフ王朝に仕えていた重要そうな人々への根回しに向かうこと、また数日。流石に大きなトラブルに見舞われる事もなく順調に各地を巡ってたんだけど……。


 結界から割と近くにある町ヘウゼニールへ向かい、政務に携わっていた一人であるフィエルヒ・セリオンに話を通した後。

 次に会いに行く相手についての情報を聞こうと、人気のないところに作った雪像にクリフを呼び出す。


「クリフ、次に会いに行く人だけど――」

「昨日、汝のいる旧ペウルトニア南部の国境で起きた小競り合いに糸の勇者が参戦した」

「ん? ああ、あの時の魔力ってそれだったのか」

「おそらくそうだろう。奴が遠慮なく力を振るった結果……戦場になった国境から少し離れた地点に新たな魔王が生まれた。暴走状態で徐々に北上している」

「えっと……確か、ティスたちが今いるのはセジングルだっけ」


 確認すると雪像は首肯する。

 クリフによれば、このままだとその魔王はあと数日もしないうちに今いる町に差し掛かるとの事。


「――む」

「ラミス、どうかした?」

「その魔王がここに到着するには数日との事じゃが……途中には幾つか、小さな村があったはずじゃ」

「うわ……それは悠長にしてられないかも。クリフ、そっちは間に合いそう?」

「村は出現地点のすぐ傍にあったものが、既に一つ壊滅している。二つ目も時間の問題だが……汝らが今発つならば間に合うだろう」

「っ……」


 ……そうか、完全には間に合わなかったか。

 でも、それを聞いてモタモタしているわけにはいかない。

 慌ただしく町を出た僕は氷翼を展開し、ラミスを抱えて飛び立った。


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