原種
「……」
考えたことも無かった。300年前に他のモンスター達と共に現れた?いや、確かにそういう個体もいるだろうが、ハンター協会の書庫には、神暦135年に生まれ、20歳の時にヴァンパイアになったという日記を残している主人クラスのヴァンパイアもいる。
「主人クラスのヴァンパイアでは、下僕クラスのヴァンパイアを生み出すのが精一杯だ。同クラスのヴァンパイアは、生み出せない」
レイの言葉に、導かれるようにして、私は答えにたどり着く。
「主人クラスのヴァンパイアを、生み出せるヤツがいる……」
「そう、正解。それが人間たちに知られることなく、ヴァンパイア達が原種と呼ぶ者……僕もその一人だ」
そう言って、どこか遠くを見るような目をした、レイの横顔に見とれてしまう私。(レイって、黙っていると絵になる)ハッと、我に帰るとマスターと秋保さんの冷たい視線が……
いいじゃない。だって美形なんだもの。
「その原種というのは、ヴァンパイアではないの?」
気を取り直して、質問することにする。
「吸血鬼、ヴァンパイアさ。一般の食物では、エネルギーを補給できないしね。血液と一緒に精気を吸収しなければ存在できない。やり方によっては、血を吸う必要は無いけどね。それを専門にしているヤツは、吸精鬼とか呼ぶな」
レイが、意味深に笑う。その意味を理解した私は顔が赤くなる。私は、話題を変える為に次の質問をした。
「原種は、他のヴァンパイアと何処が違うの?」
「そうだな。昼間は普通の人間と変わりないよ。致命傷を受ければ死ぬし、腕力や身体能力も平均より高いくらいだ。日光は平気。主人や下僕のヴァンパイアと違って何故、平気なのかは解らないけどね。で、夜になるとヴァンパイアの能力が使えるようになる。吸血自体は昼間でも出来るけど、増殖する為には夜でないと……厳密に言うと他にも条件はあるけどね。あと、主人みたいに、他のヴァンパイアを支配することは出来ない。その代わり、身体能力は主人クラスを凌駕するから、一対一なら、まず負けない。他には?」
私は少し考えて、一番、気になることを聞くことにした。
「あなたは何者?生まれた時からヴァンパイアだったの?」
今回も、説明が続きます。
おそらく次回で解説は終わりだと思います。たぶん(笑)




