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ヴァンパイア

 自称、ヴァンパイアの少年は、私の横でガーリックトーストをかじっていたりする。頬に私の手形がくっきり付いているのは、いきなり抱きついてきた罰である。彼は、コーヒーを飲み干すと、マスターにおかわりを要求した。

 ちなみに、ヴァンパイアがニンニクを苦手としているという説は、効果の有る無しが激しい。個体差があるらしく食物アレルギーのようなものなのかもしれない。

 こうして考えると、人間ってヴァンパイアのことをどれほど知っているのだろうか?

「それで、無敵のヴァンパイア様が、何故、昼間からフラフラしているのかしら?」

 いささか、険を含んだ声で少年に尋ねる。

「ただで、情報を得られると考えるのが、この国の人間の悪い癖だ。だから、デートしてくれたら、教えて……」

 私のほうを見た少年(確かレイと言ったわね)は、私の顔を見たとたんに口をつぐんだ。

 何よ、失礼ね。

 すると、カウンターの奥から、私を見た秋保さんが、

「秋ちゃん、秋ちゃん。そんな怖い顔したら、可愛い顔が台無しよ」

 どうやら、感情がそのまま顔に出たようだ……

 私は、心を落ち着ける為に深呼吸をした。

「OK、夕食くらいなら、付き合うわよ」

 私は、わざとらしくため息をつきながら答えた。

「まあ、そんなところか……ところで、ヴァンパイアについて、どれくらい知っている?」




「いいか、ヴァンパイアというのは3つに分けることができる」

「え、2つじゃなくて」

 私は聞き返した。ハンター協会は、ヴァンパイアを2種類に分けている。

「その辺は、順番にな。まずは、下僕げぼくと呼ばれるヤツ。昨日出くわしたヤツだ」

 私はコクコクと首を縦に振る。

「こいつらは、主人しゅじんと呼ばれる、ヴァンパイアの上級種に吸血されることによって吸血鬼化する。身体能力は主人クラスと変わらないが、変身能力や、増殖……つまり、他者をヴァンパイアに変える能力はない。こいつに吸血され殺された者はゾンビと化す」

 少年は私の方をチラッと見た。なに?ちゃんと聞いているわよ。それに、言いたいこともわかっている。彼が助けてくれなければ、私はゾンビになって街を徘徊していたかもしれないのだ。

「弱点は、心臓部や脳の銀の武器による破壊。通常の武器に頼る場合は、脳を一気に70%以上破壊すること。それで、二度と復活することは無い。昨夜のヤツは、銀の武器で心臓部を破壊した。完全に葬ったことになる。そして、日の光を浴びると消滅して、やはり復活できない」

 それは、私も知っている。ハンター協会の講習で何度もやったし、ヴァンパイアハンターの相手は、9割方、下僕といわれるヤツだ。

「次は、主人だが、こいつらが主に、ヴァンパイアを増やしているヤツ等だ。特徴として下僕と呼ばれるヴァンパイアを支配する能力。コウモリやオオカミ、霧等に化ける変身能力に増殖能力」

 少年は、ここで話を一端切って、コーヒーを飲む。

「吸血には2種類あって、エネルギー補給の為の吸血。これは、被害者を殺すわけではなく血を吸うだけだ。牙の跡もすぐに消える。そして、下僕を生み出す為の吸血。これは、牙から特殊なウイルス(ヴァンパイアウイルスというそうだ)を被害者の体内に注入する。そして、そのウイルスが24時間で被害者をヴァンパイアに変える。ここまでは、いいか?」

 講習でやったのと同じだ。補足すると、主人クラスになれば心臓や脳を、銀の武器で破壊された後に残る灰をそのままにしていると復活するのだ。

 今では、主人クラスを相手にした時は、灰を集め水に溶かし封印するのが一般的だ。水に溶かすと、何故か復活しないの。

 銀製の武器以外で、心臓や脳を破壊した時はというと、たとえば、昔から伝わっている、木の杭を心臓に打ち込む場合などは、一時的に行動不能にすることはできるが、消滅させたりできるわけではない。日の光も同様だ。あくまで、木の杭が刺さっている間だけ、灰になっている間だけ無力化できる、一時しのぎでしかない。

 そのことが、あまり知れていなかった時代は、吸血鬼は本当に不死だと信じられていた。

 私が、これらを補足すると少年は……(いいかげん、名前で呼んであげてもよいかな。)

 レイは、うんうんと頷いた。

 「さてここで、問題。元々この世に存在しないはずの、主人クラスのヴァンパイアは、何処から来たのだろうか?」


今回は解説で長くなってしまって申し訳ない。

説明のシーンは難しいですね。セリフが中心になっちゃうし、かといってセリフだけを並べるわけにもいかないし。バランスどうでしょうか……


ちなみにヴァンパイアの特徴ですが、「吸血鬼のお仕事 鈴木鈴/著」の影響を大きく受けていて、あと「ストレイト・ジャケット 榊一郎/著」の影響(ヴァンパイアが出てくる小説ではありませんが)を少し受けています。

ちなみに吸血鬼と言えばこの漫画「HELLSINGヘルシング 平野耕太/作」の影響はほとんど受けてません(笑)

出したかったんですけどね、アーカードみたいなヴァンパイアではなくて、アンデルセン神父みたいなハンター(そっちかい/笑)

癖がありすぎて(笑)

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